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BABYMETAL探究(『メタル・エヴォリューション』04)

2015-03-15 00:07:31 | babymetal
(当方、幕張、落選DEATH!涙・涙・涙…。でも、神様(キツネ様)が、今回は自重しろ、とお告げしてくれたのだ、と考えて、今回はきっぱりあきらめ、すでに予約していた幕張のホテルもキャンセルしました。当選された方、おめでとうございます!海外を巡ってきたBABYMETALの雄姿を拝める、凱旋コンサート、存分に楽しんでください!)

さて、『メタル・エヴォリューション』の考察の、第4話編である。
『M・E』も、前回までは、いわば「前史」という趣だったのだが、この第4回は、いよいよ「N.W.O.B.H.M」の回、御大アイアン・メイデンのデビュー当時や、ヴォーカルがポールからブルースに交替するあたりをめぐる関係者の談話も満載の、ヘヴィ・メタルの本史に突入する、これまた実に観応えのある回であった。

視聴しながら、ひしひしと感じたのが、アイアン・メイデンとBABYMETALとの大いなる共通性だ。以下、そのへんを中心に、特に感銘を受けた内容をいくつか書き記したい。

1.道なき道を切り開き

 アイアン・メイデンが80年にアルバム・デビューするまでずいぶんと辛酸をなめた旨を、スティーヴ・ハリスが語っている。

(なぜアルバムを出すのに時間がかかったか?と問われて)
「俺たちは、パンクの前からやっていたけど、77年辺りにパンクに火がついてね。ライヴ・ハウスはパンク・バンドだらけだった。」


(半分は茶化しながら)サム・ダンが「パンクにはどんな影響を受けましたか?」と何度も訊き、スティーヴが「すべてが大嫌いだった。パンクになんて全く影響を受けていないよ。」と繰り返し応えている。忌まわしい「原風景」としてスティーヴ・ハリスの脳裡には光景がこびりついているのかもしれない。

今や、ヘヴィ・メタルのまさに「典型」・代名詞ともいえるアイアン・メイデンだが、彼らは、ヘヴィ・メタルの土壌などなかった時代に、彼らの楽曲・パフォーマンスによってヘヴィ・メタルを観・聴く観客や状況をつくりあげてきたのである。彼らもまた「突然変異」と「自然淘汰の過程での生き残り」=進化の過程をたどってきたのだ。
実際、アイアン・メイデンのデビューの衝撃をリアルタイムで体験した僕には、彼らが、新たな道を切り開いて登場してきた、ということは実感として腑に落ちる。
道の方向は違えども、これはBABYMETALの現在進行形の姿と重なる、と僕は考える。

アイアン・メイデンはまさにヘヴィ・メタルの典型だと信奉し、BABYMETALはそうしたヘヴィ・メタルではないから認めないという「メタル原理主義者」とは、実は、アイアン・メイデンの凄さもほんとうには理解していないのだ。優れた先人たちは、常に、道なき道を切り開いてきた、のである。

「BABYMETALというジャンルをつくりたい」というSU-METALの発言については以前に考察したが、このスティーヴの発言に照らし合わせれば、「私たちも、新しい土壌を切り開く覚悟をもっているのDEATH!」ということなのだ、と僕は理解する。


2.ライヴ・パフォーマンスの圧倒的な説得力
 
 上記のような状況の中、ライヴ・ハウス「バンド・ワゴン」のDJニール・ケイに渡したカセット・テープがきっかけで、アイアン・メイデンは熱狂的なファンを増やしていく。(現在なら、YOUTUBE、か)。そして、アイアン・メイデンの飛躍をある意味決定したのが、大手レーベルのEMIとの契約だった。それは、それまでアンダー・グラウンドだったN.W.O.B.H.M.を表舞台に押し上げる画期的な出来事だった。しかし、EMIは、パンク全盛の時代になぜアイアン・メイデンと契約したのか?

(どうしてEMIは契約に踏み切ったのですか?何かビジョンがあったのか?それとも、あなたが強烈にプッシュしたの? とサム・ダンに問われて)
アイアン・メイデンのマネージャー、ロッド・スモールウッドの語り
「彼らが目にしたのはただ一つ。満員の観客が熱狂している姿だ。」


実に、かっこいい台詞だが、これが彼らをめぐる「真実」である。これも、BABYMETALと姿が重なる。(アイアン・メイデンの初期における一つのエポックが、レディング・フェスでの3万人に最高にウケたパフォーマンスであったようだ)。


3.「エディ」とは何なのか?

 1stアルバム「鋼鉄の処女」のアルバムのインパクトは、あのエディの顔が与えている。スティーヴも、エディがアルバム・ジャケットであった効果をしみじみ語っていた。それは、(「メタル原理主義者」が見逃しがちな、あるいは、語らないところだが、)ヘヴィ・メタル・バンドにおいても、”キャラクター”のイメージのもつ大きな意味合いがある、ということについてである。

ロッド・スモールウッドの語り
「バンド・メンバーを使って、恐ろしい写真を撮れないことはわかっていた。メイデンはクールでもないし、恐ろしくもない。メイデンの全ては音楽が語ってるからさ。ロジャー・ディーンがイエスでやったようなイメージ戦略が必要だったと思ったし、俺はそれを1つのキャラクターでやりたかった。」


以降、アルバム・ジャケットだけではなく、ライヴ・ステージでもエディは大活躍をする。しかし、改めて考えてみると、アイアン・メイデンの音楽と、エディというキャラクターとは、直接は関係はない。しかし、アイアン・メイデンのアイデンティティーの一部をエディが形成しているのは間違いない。
BABYMETALは、アイアン・メイデンの”エディ性”を極端に前景化したのだ、と見ることもできるだろう。そして、アイアン・メイデンとは違って、その”キャラクター”イメージを音楽性と融合したその先鋭性こそ、BABYMETALのヘヴィ・メタルにおける革新性である。

(また、2.3.を合わせて、マネージャー、ロッド・スモールウッドの役割の大きさ、を僕はこの番組で初めて認識したのだが、これも、それを極めて前景化したのが、BABYMETALにおけるKOBAMETALだ、ということになる。)


4.劇的なヴァージョン・アップ

アイアン・メイデンのヴォーカルが、ポール・ディアノからブルース・ディッキンソンに変わったことは、彼らをいわばローカル・ヒーローから全世界的カリスマへと変えるきっかけになった。

ブルース・ディッキンソンの語り
「ポールの声は凄く荒削りで、凄くユニークなスタイルで魅力もあったよ。でも、どこまでいけるかは疑問だった。スティーヴはもっと幅の持った声が欲しいと考えるようになったんじゃないかな。」



もちろん、ここで僕は神バンドのことを思う。映像作品を見ても、骨バンド時代のアテ振りでも、充分に面白いし、唯一無二のパフォーマンスだと思う。しかし、僕たちメタル・ヘッズが、いま、これほどまで彼女たちに魅せられているのは、言うまでもなく、神バンドが加わったからだ。圧倒的に表現力・説得力が増した。

キャリアの、(願わくは)初期における、劇的なヴァージョン・アップ。ここでも、アイアン・メイデンとBABYMETALは、僕には重なって見えるのだ。


番組は、最後に、アメリカで成功したデフ・レパードといういわばN.W.O.B.H.M.の”鬼っ子”についても突っ込んで語っていた(ビジュアル、オーヴァープロデュースの問題)が、これはまたいつか機会があれば考察したい。
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