おかえりのすけBOOK

bookbar4のメインキャラクター、おかえりのすけのページ

飯田竜太「story line」

2005-03-15 | ギャラリー
ガーディアン・ガーデンにて2005.3.14-3.24。第22回『ひとつぼ展』のグラフィック部門でグランプリを受賞、そのあと一年の制作期間を経て開かれた個展。「book ornament」「book rack」「目に見える見えない」「H」「inside of book」と、小さな作品がいくつか。
「目に見える見えない」がいい。文庫本を、あるページで完全に開ききった状態で、ものすごい急勾配をあらわす等高線が、「切る」ことで描かれている。そんななか、本の背タイトルは切り刻むことなく在るので、思わずそれを読んでしまう。

 『本』=『読むもの』=『身近にあるモノ』を『普通』と違った尺度によって
 解釈し、情報を昇華(消化)する行為として『切る』という行為を重ねてみた。
 ……飯田竜太

バーコードのデザイン

2005-03-14 | 製本
サントリーの「アミノ式」及び「カテキン式」で有名になったデザインバーコードの生い立ち及び今後のプレゼン資料たっぷりの『バーコード革命』がでました。バーコードのおかげで装丁だいなし!(by 自称装丁好き読者)とか、バーコードは装丁のコンセプトを崩す!(by 自称こだわり装丁家)とか、バーコードという効率の象徴が文化を潰すのだ!(by 自称装丁評論家)などのおしゃべりをほっといて起業されたデザインバーコード社の本社は、ネット上にあって間取りは1K、そのいでたちは実に軽やかでさっそうとしていてパチパチ!!!でもパチパチだからこそ言わせて。『バーコード革命』のサンプル篇につけたコピーは全体に説明的すぎて残念。

「瀧口修造 夢の漂流物」

2005-03-14 | ギャラリー
世田谷美術館(2005.2.5-4.10)にて。「同時代・前衛美術家たちの贈物」という副題どおりそれらの展示がメインですが、瀧口による手作り本もいくつか。また、後年住んだ西落合の家をどなたかが記憶を辿って手書きした見取り図あり。この展一番の収穫。たてながの「コ」型、そのくぼみ部分にかのオリーブの木。
『物質のまなざし』(詩:瀧口修造 画:アントニ・タピエス 1975)もあり。実物は
多摩美術大学図書館/「書くこと / 描くこと - 瀧口文庫の詩画集から」展(2001)からご覧になれます。

 壁は空気のよき友、
 澄むは
 物質のまなざし
 --『物質のまなざし』より

なお世田谷美術館ではこの展の図録を製作中とか。束見本と展示品のカラー図版ページ数枚の「サンプル」をぶらさげて、会場で予約受付けしてましたよ。どんな内容になるのでしょう。

「瀧口修造の造形的実験」展(富山県立近代美術館 渋谷区立松濤美術館 2001) 図録
 編集:杉野秀樹、光田由里 翻訳:小川紀久子、ギャヴィン・フルー 
 デザイン:桑畑吉伸 制作:コギト
「多摩美術大学図書館瀧口修造文庫」サイト
・巖谷國士『封印された星』(平凡社 2004)


カレンダー機能は冊子が最終章

2005-03-12 | 製本
確定申告準備中。ふふみんなーさっさとやりましょう。そうそういま暇なの。雑多もろともほおり込まれた引き出しをあけると、必要な領収書などわずかであとはチラシや半券やコンビニのレシートなどなど。よりわける時間「は」楽しいが、不明のものを明らかにするのに手帳をたぐることもあります。ところが本年度、紙手帳をやめたのです。ウェブのカレンダーに書き込むほうが早いし確実に見るし、そこのなにがしさんがピロピロと予定を知らせてくださるし。しかし数カ月前の記録は消えてしまうのですね。
各社カレンダーサービスさん、そんなさっさとサーバから落とさないで、年一冊、手帖に仕上げるオプション作ってくれませんか。手帳は予定を書き込むためだけのものじゃないです。

瞬き以下の旅

2005-03-11 | ぶらり
くろぐろと滋味深そうな幹からエキスを得、全筋肉を集中させてぽっぽっと瞬時に開く梅の花、見得を切った立ち姿、その全体を視野に入れればおのずと入る周囲の色。風景は、ひとのまばたきごとき速度をあっさり凌いで淡々と変わる。
正月からさっきまで眼をつむっておれば、「急に梅満開となり驚く。地球温暖化の極限」とわたしらは述べてもよろしい暴力を持つ。主体であればコマ送り、客体であればかいつまみ、態度の使い分けさえ自在である。旅をしよう。まばたき以下のコマ送りの旅を! 
眼が乾かないおかえりのすけは意気揚々と、回転ツアーにでかけます。「想像」なる域を言語化した先人にパチパチ。しかし「想像」こそ視聴率に先導されて不自由なのである。

二月花札。これは10点? 囲碁将棋花札トランプ、ゲームしたいなー

トイレット・ペーパー

2005-03-08 | 製本
荒川修作+マドリン・ギンズによる『建築する身体』のトイレットブック版は、二個でワン・パッケージ1000円です。一個使って一個記念に残せ、ですか。トイレット・ペーパーに印刷することはめずらしいことではないし、これを使って尻をぬぐうひとは死なないということを真剣に考えるのだと言われても困るし、でもこの紙媒体版のエディトリアル・デザインはHOLONだったからトイレット・ペーパー版はどんなんだろう?と思って購入したが、死なないということを真剣に考えられず今だ使用に至らず。

トイレット・ペーパーは安ければ良いということではありませんね。巻取る回数はいっしょなんだから二枚仕立てより一枚仕立てのほうが割安とか、芯のないタイプのほうが日持ちするとか、様々考え方はありましょうが、それぞれの安心の銘柄が決まるころ、ひとは(オトナになった)と実感するんだ。しかしトイレット・ペーパーと言えば、中村有志が男トイレでトイレット・ペーパーになりきり、やってきたひとたちがもよおしちゅうに「といれっとぺーぱぁ」と言って驚かせるというデキゴトを収録して放映し、それがおもしろくていまだに覚えているわたしらの親は、オイル・ショックでトイレット・ペーパーをも買い占めざるをえなかったのであります。

青や白の申告

2005-03-07 | その他
税理士さん、かえたのよ。同業(の古本屋)をいくつかみているひとなんだけどね、数字を見ていきなりね、ここ数年落ちてるわけじゃない、それをね、なにか操作してんじゃないかって、言うのよ。驚いちゃってね。堤さんじゃあるまいし、見りゃわかるじゃない。これまでとなにもかわらずやってんのよ、お客さんとこにも行ってるし、市場にも行ってるし、もうずっと変わらずやってんのよ。売れなくなっただけなのにね、あそこまで言われるとあぁあたしなんかもうおばあちゃんだけどハイハイただ働きしてますよ、ってなもんでしょう。なんか情けなくなっちゃってね。でもね、同業のなかではね、いいほうなんだって。ほんとかしら。慰めてんのかしらあのせんせ。喜んでいいのかなんなのか、ちっともわかんない。すみませんね。ぐちるくらいならやめちまえばいいのに、やめるのがこれまたたいへんなのよね。いつもすみませんね。はい、2200円です。

都内某古書店にて。なじみの客相手に、確定申告を終えた古書店女将の話。レジに並んでいたわたしはその話を聞くともなくしかしばっちり聞き、200円と400円の本を買って帰った。みんなきちんと税金をおさめよう。しかし地域によっては公務員の徒歩手当てとかにもなるから要注意です。

Vintage抄紙機

2005-03-04 | 製本
Paper Industry Webには、製紙機械メーカー・Beloit社(米国)のビンテージ抄紙機写真や「水に浮いた製紙工場」、Luigi Bagnatoさんらがランランでかけた製紙工場見学記など。以前「ファンシーペーパー」というタイトルでエントリーしたTom Dietrichさんによる製紙工場イラストレーションと合わせてどうぞ。右写真は、抄紙機から巻取り機にいくあいだにあったものか。

奥成達度

2005-03-03 | 奥成達資料室
いくつものブログサービスが揃いましたので、使い分けをしたいところです。ここgooブログは、閲覧するとき、重くてちょっといやになりますね。今ならexciteブログにかなりシンプルなスキンあるし閲覧にも時間がかからないし、カレンダー表記もなくせるし写真を大きく載せられるし、よろしいんじゃないでしょうか。
それぞれのブログポータルサイトでコミュニティを創成しよう!と無駄に張りきるとか、頼んでもないアイコンをばんばん作ってアクセスするたびそれをよみこまねばならぬような事態は、ユーザーの要望では決してないでしょう。そんなことより、たとえば、写真を大きく載せられるようにしたけどどお?といったそれぞれの特徴を、堂々とアピールしていただきたい。

わたしが欲しいと思っていてまだ叶わないのは、エントリーした日付け順ではなく、テキスト内に表記した日付けをたぐって順列表記してくれるところです。どこか、あります? それをみつけてからと思ったけれど、奥成達資料室の追加資料情報を、okunari.exblog.jpにとりあえず移行してみます。写真は、奥成達資料室が定める「奥成達度」のアイコン。いまのところ「達度5」が最レア。

日持ちする食べ物

2005-03-02 | 料理
代々木上原~富ヶ谷あたりでパンといえばルヴァンですかね。まちがいなくうまいのですが、バフバフした井の頭通り沿いにあってなお、あの一角だけナチュラルやスローやフレンドリーといった言葉がそよかぜのように吹き、わたしにはちょっとつらいです。
ウチで一番人気は代々木八幡駅近くのイエンセン。デンマーク的パン屋ということで有名らしいが、店構えはいたって町のパン屋さん。淡々としたおばちゃんがいい。ほりの深い、上品な。けしの実をふったやつが抜群。デニッシュこそがやはりメインなのですが、バターもチョコもリンゴもアズキもみな甘くなくて懐かしい感じ、とにかく生地はあくまでサクサク、即食べるひと向け。よくわからないが、巷のデニッシュはことに日持ちするように大工夫が進んでいるのではないか。それに抗うか興味ないかの結果のうまさがイエンセンにあるのでは? パン批評家よご意見くれ。スーパーで買う葉もの野菜が入っている日持ちする不思議袋をつかいまわしているがこれは見当違いですか? 野菜批評家よご意見くれ。

写真はイエンセンの袋。ちょっとしわくちゃですけど。

かつぶし頼みます

2005-03-02 | 料理
都内某もめんやにて、お店のおばちゃんの電話。
「あさっての晩、ひな祭りやるから、おとうさん、かつぶし頼みます。あやさんがタケノコやなんか煮て、わたしがしいたけやなんか煮てふたりでやりますからね、お願いしますよ。あのはこいっぱいくらい。多くない多くない。たくさん使うんですから。あすの夕方までに頼みますよ。」

山形県河北町には多くの雛人形が旧家に伝わり、毎年4月の2、3日にそれらを公開するなどして雛まつりが開かれます。室町時代から紅花が栽培され、江戸時代以降は最上川を下って酒田へ、そこから北前船で京都・大阪へ渡り、帰りの船でこうした雛人形などが運ばれてきたとのこと。写真は、享保6年(1716)、雛の寸法が8寸(24cm)と定められたあとの小型の人形で、長嶋匡一家蔵。河北町/雛の館より。

CRAFT碧鱗堂Books

2005-03-01 | 製本
内澤旬子さん主宰のCRAFT碧鱗堂Booksによるワークショップで、溝なし、背バンド付きの小さな革手帖を作りました。革のあつかいにてこずるわたしにとって、趣味ではじめたはずのルリユールが修行のようになってしまい、その気分を払拭する楽しい一日でありました。
詳しくはウェブ水牛製本、かい摘まみましては(6)をどうぞ。