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高橋昭八郎←石田瑞穂、のはずが

2004-08-02 | 
高橋昭八郎展トークイベント「詩は詩を離れたがっている」第二部は、詩人・石田瑞穂によるインタビュー形式の対談。

まず、『ポエムアニメーション5 あ・いの国』に触れて、この作品に寄せた「開くことを拒否すると同時に閉じられることも拒否するという書物である」という昭八郎のことばと、今回の展のタイトルに用いられた「反記述」の読み解きからスタート。「ポエムアニメーションは、手で開いて目で読みながらという、読み手が言葉のはじまりに手で触れていく感覚がある。言葉の起源を言葉によって語らないという、作者の思想がそこにある」続いて「因果律を拒絶して語る詩ではないか」そのこころをパズル遊びを引用しながら「パズル遊びとは全く発想が逆。断片としての問いかけが一枚の答えとして出てくるパズルというのは、因果律そのものを物証化、あるいは作成しながら確認していく作業でしかない。高橋さんの作品は、たとえばまず平面がある、それを開いていくと閉じられなくなるというなぞの空間を生んでいる」。

石田氏の興味深い解釈がこの他にもいくつもあって、知的な詩人であることはよくわかったけど、頭いいからでしょうね、昭八郎さんのことばに「あぁよくわかります」とか「なるほど、はい」とかあいづち打って「。」、わたしら聴衆にちっとも拡げて話してくれないし、おまけにすぐ独りメモに軌道修正してるし。んー対談というか聞き出すというか、発表?これ。

後半、デザインや写真方面からの関心についてのフリがあったんだけど、これがまためっきり中年然とした話しっぷりで「知的」なのだな。幾つ? たぶんその後だったでしょう。昭八郎さんの声のトーンが一段と強く高く響いた。会場にいたひとの多くが、ついメモってしまったんじゃないか。

「叱られるかもしれませんけれども、『ビジュアル・ポエトリー』という言葉をなるべく使いたくないし、聞くのもいやだな、という感じがします。なんで『詩』でだめなのか、『詩』というひとことでいいんじゃないか。……『ビジュアル・ポエトリー』ということに、なにかこう、安住してしまっているんじゃないかと思って、自分自身を常に危機に追い込んでいるんです」

第二部の最後に、今回の展のために昭八郎さんが用意した「おこがましいんですけれども(by 昭八郎さん)」マニフェストを自ら朗読。あとでゆっくり、追いたいと思う。

続いて乱暴な第三部がはじまります、また後日。

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