おかえりのすけBOOK

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折り紙博士は昭八郎展で参戦を

2004-07-26 | 
高橋昭八郎展に先立って、おかえりのすけによる『ポエムアニメーション5 あ・いの国』体験前夜を以前おおくりしましたが、今日は4-kamaによる疑似体験感想をお伝えしましょう。

「ひとつの辺が10センチメートルの正方形とその面を2等分した3角形が、非連続的に連続するモザイク的建築物である」「16の長方形の面から112の正方形、224の3角形へと分化・反復し、また一方では、それと入りくみながら前・後に同時進行する矛盾した運動のバランスをふくんだひとつの形(矢印・翼状のもの)で結ばれる、大きな輪ともなるスリリングな詩のトポロジーである」とは、この作品によせる昭八郎のコメントの一部。

文章にしたときにあらわれる数字のリズムの魅力にくらくらしてしまうのだけれど、折り紙得意とか紙の厚みに関心が向くひとなら???と思うでしょう、紙を折ってそんな1/2で1/4で1/8ってうまくいくはずないもの。
そう思いつつ、いくつも折ってみたんです。必要にせまられてではあるけれど、ホントウはもっときれいに折れるんだと何度も。紙には厚みがあるから、折ってぴったり合うはずがないし、折りを重ねるほどにずれが拡大するも当然。でもずれかたにリズムができて、これって「非連続的に連続するモザイク的建築物」かも、的立体感がうまれてくる。と同時に、紙の豊かさに驚く。いちいちきっちり折り目をつけずに、全体をふんわり仕上げて最後までぐずぐずを保ちながらプレスをかけると、ズレが、吸収されて最小限の態をなす。なんと言ふ!

作者が最初からこれを意図したとは思えないけれど(そうでなかったらすみません)、なるほどこの作品の疑似体験は不毛に近すぎて辛く、しかし反復体験した者のみが味わう自己満足に、いかにやさしい言い訳を用意してくれる作品であることか。

とはいえ、折り紙に自信ありの紳士淑女のみなさまに、私は参戦を呼び掛けたい、高橋昭八郎作品『ポエムアニメーション5 あ・いの国』をいかにスパッと折るか大会に。開催はまだ未定ですが、そのブツを確かめに、こちらにお出かけになりませんか。右写真はその中身のひとつ。この折りかたで四つ入って一作品です。念のため言っておきますが、一度作品として折りあがっているものをひらいてまた折ったところで、この作品の真髄にはハハとうてい及びません。つまり紙とは最初の折り手とのみ、有機的反応するのですね。濡らしてアイロンかけたらほどほどリスタートするでしょうけど。

折形デザイン研究所
日本折紙協会
折紙で Double CD Case