これ、結構有名なソフトなんだけど意外と使ってらっしゃる方が少ないようで情報があまりなく、ちょこっと書いてみようと思った。僕は存在は知っていたのだが正直、ほとんどのことがAfter EffectsやMagic Bullet Looks、Coloristaでできるので今までスルーしていた。今回、GH4向けのLUTが出たのでちょっと使ってみようと思って買ってみたら思った以上に使えたので驚き。物凄く単純なソフトで、できることも限られているのだが、そのことが逆に多くの人に有用なのではないだろうか?というソフトだ。
Filmconvertとは

やることはものすごく簡単。カメラと設定を選び、エミュレートしたいフィルムを選ぶ。それだけ。ほぼそれだけしかできないし、それだけのためのソフトだ。AE純正のエフェクトでも同じようなことはぜんぜんできる。
とはいえ、ほんとにフィルムで撮ったかのような絵が欲しい場合、「自分で各フィルムの画質を研究して自分で似せる努力をしなければならない」というそれなりのことを要求されるわけで、「そんなメンドイことまぢでお前やる???」という話なのだ。
つまりデジタルカメラのセッティングの画質のクセの分析や、各フィルムの解析をソフトウェアのプリセットにさせてしまおうという発想で生まれたのがFilmconvert。デジタルカメラのセッティングとフィルム質感を1クリックでつなぐ役割をしてくれるソフト、と考えていただければいい。
1)必要なバージョンを選ぶ

まずソフトをインストール。スタンドアロンでも各編集ソフトのプラグインとしても使えるので、必要なやつを買えばいい。僕はとりあえず全部入りを買ったけど、AEプラグイン版だけでも良かった。ただしそれぞれ全く同じではないので注意が必要だ。
最新版は2.16だが、VegasやDavinciで使えるOFX版は1.5、出たばかりのAvid版は1.0なのでご注意。バージョンによってできることが違い、1のものはカラーホイールなどがない。
2)カメラパック
次に、ソフトだけでは何もできないので、カメラパックをインストールする。撮影に使われたカメラと撮影時の設定がプリセットで提供されているのでそれをダウンロードしてインストールしなければならない。

いろんなカメラのカメラパックがあるので全部でもいいし必要なものをダウンロードするでもいい。今回たまたまBMCCのフッテージを扱ってたので、すごすごとダウンロード。exeファイルを実行すると次回起動からBMCCのプリセットが使えるようになる。
これ、残念ながら、映画製作用途?なので、カメラプリセットはいわゆるフィルムメーカーが使いそうなものしかない。 HandycamやNEXなどはないのでご注意。サポートしているカメラ一覧はこちら。これ見ると、このソフトが何のためにあるのかよく分かるね。
このCamera Packをインスコすると、主だったピクチャープロファイルもついてくるのでプルダウンで選べる。特に5D系は豊富だ~~ Standard意外はぜんぶサードパーティ!すげーな5D。こんなにいろいろみんなが出してくれるのは愛されてる証拠ですぜ、キヤノンさん!!

こちらはGH4のプリセット。こちらは残念ながら全部純正。GH4もサードパーティのピクチャープロファイル、出ないですかね~ Technicolor出ないかな~~


2)フィルムプリセット
次に、似せたいフィルムを選ぶ。どんなフィルムがあるかというと動画用フィルムは5種類。あとはスチル用のフィルムから。プルダウンでプリセットを選べばいい。

上の5つが動画(映画)用フィルムで残りはスチル用。
例えばこれはKodakのサイトから拾ってきた、プリセットの一番上にあるVision3 5207のサンプル映像。
Filmconvertの真骨頂は、実際にこのフィルムで撮られた映像を解析して、有機的に再現してくれる、ということ。5D Mark IIで撮った映像を、このVision3 5207みたいなルックにしたい!というときはこのプリセットを選ぶ、、、というわけ。
こちらはプリセットはないけどVISION3 50D 5203のサンプル映像。やっぱフィルムは美しいねえ。特に1分30秒くらいからの絵はビデオだとRAWでないとできないですね。
ざっくりとした感想
僕が使ってみて思うのはグレインが非常にナチュラルで、そして動作が軽いということ。AE にも標準でAdd Grainというエフェクトがあり、フィルムグレインをエミュレートしてくれるが、何か人工的だし、なんといっても重い。あまりにも重すぎて使う気にならない。

AE標準でもAdd Grainというエフェクトはあるが、重い。。。
これらのことは長くなっちゃったんで2回に分けて次回に持ち越し。次は僕なりの使い方を書いてみます。
というわけで、Filmconvertがどんなソフトかを今回をご紹介。
こちらはFilmconvertの宣伝動画。どんなことができるか一目瞭然なのでご参考まで。
※追記
ふと思ったんだけど、「どのフィルムを使う!」って決めるのは映画監督?それとも撮影監督?お金に関わることだからプロデューサー??僕の予想、監督はフィルムの種類なんて知らなさそうだし、たぶん撮影監督が決めるのかな??つってももうフィルム使う現場なんてほぼないでしょうが、、、
自分はResolveを頑張って使おうと思って敬遠してたんですが、プリセットとして考えるなら面白いかもですね。
これとは違うんですが3D LUT Creatorって面白いですよ~
http://www.edipit.co.jp/3dlutcreator/
おあー知りませんでしたー!情報ありがとうございます!すごいよさそうじゃないですか!
いまプロ版が安い!?
さっそく買ってみようかな~~~!!
Filmconvertは、あくまでエミュレーターなんでカラコレソフトじゃないです。考え方としては「フィルムで撮った素材に変換してくれる」ということなんですよね。
なので、作業手順としては「デジカメで撮影」→「フィルムコンバートでフィルム素材に変換」→「ダビンチでカラコレ」というふうになるかと。
その辺のことは次回書きます~
これはAEのプラグインエフェクトとしては使えないんですね~ スタンドアロンのソフトか~~~
それはちょっとめんどくさいなーーーー
保留。。。
それにしても考え方が面白いソフトですよねw
3D LUT面白いです。めちゃめちゃ面白いデス。これまぢでAEのプラグインとして出してくれないかなーーー
そしたら僕のワークフローにめちゃめちゃ入るのに、、、
スタンドアロンだとひと手間増えちゃうんで、現実問題、使えないんですよね~~、、変えたいと思ったとき戻らないといけなくなるんで、、、
AJAとかダヴィンチは使ったことがないのでそのへんよく分かりませんが、、、
>>基本撮監ですが、監督が詳しい人で目論見や成功体験があれば,監督が決める事もあると思います。Logで後から弄りたいという監督を説得して現場でダヴィンチでカラコレする撮監も最近はちらほら。現場でカンパケに近い質感でプレビューが見れるとスタッフも演者もテンション上がる事が多いです。
> 現場でカンパケに近い質感でプレビューが見れるとスタッフも演者もテンション上がる
へ~~~なるほどね~~そんな効果もあるんですね~~~
僕の仕事だと、現場でカラコレの必要性があるとすると「クライアント確認」以外にはないので(例えば商品の色とか)、そういう話をきくとオモシロイ!
いやでも最近は、フラットじゃなくて「まんま出しでええんちゃう?」というところにぐるーーっとまわって戻りつつあります(笑
ほんとFilmconvertのみでカラコレは必要最小限で、、という感じですね。
結局、僕の結論はみんな各社カメラの標準の色が一番好き!だと思っています。だってそれが各社もっとも「これがウチのカメラで一番いい色だ!」という色のはずだし、、、、
怠慢ですが、、、(笑
このソフトも面白いですが
ティフェンのフィルターも気になりますね。
なるべく現場で行うので使う事は無いかも知れませんが。。。
フィルムの選択は自分でしてました。
使ってたのはコダック、ヴィジョンですね。
ラッテン変換フィルターで混在させて使ってました。
結局、デジタル変換する時にカラコレ調整するので
どのフィルムを使っても、同じくデジタルでも言える事ですが
一つ一つがオリジナルカラーでは無いのでしょうか?
クリストファードイルさんの英雄は
コダック、フジ両方のフィルムを使い分けしています。
やっぱ撮影監督の専権事項なんですね、フィルムの選択。
Filmconvertでどのフィルムエミュレーターを選ぶかはほんと見た目ですね。結構変わりますが、そのごやっぱカラコレするか、「Filmcolor」をゼロにしてカラコレは別建てでするか、な感じなワークフローです。
仰る通り「結局カラコレ」なんで。
でもほんと違うんで、びっくりしました。フィルム時代(写真)、同じ環境で違うフィルムで撮るってことをしたことなかったんで、こんなにも違うもんなんだーだからみんなフィルムを注意深く選んでたんだーと今更ながら感激しています(笑