南の海のワナビ

小説家を目指す「南野海」の野望ははたして達成されるのか?

歌って踊って人殺し「スウィーニー・トッド」

2008-01-22 18:47:06 | 映画
 世にもまれなダーク・ミュージカル映画登場。その名も「スウィーニー・トッド」。
 見ました。ええ、見ましたとも。
 なんじゃこりゃああああああ!

 物語は、妻子をうばわれ、無実の罪で投獄されていた男がロンドンに入港するシーンからはじまります。
 まずこのロンドンがすごい。煙突からどす黒い煙を吐き、それが天空に渦巻き、暗い夜道にはネズミが走る魔都、それがロンドン。
 男はむかし自分が床屋をやっていたパイ屋にいくと、妻は服毒自殺し、娘は敵である判事の養女になっているということ。そして自分をスウィーニー・トッドと名乗り、復讐を誓います。
 パイ屋の女主人にかつての店に案内されると、女主人、床からカミソリのセットを手渡します。このシーンがすごいぞ。
 我が友、剃刀よ~っ、会いたかったぞ~っ。ってな感じで高らかに歌い出します。
 女主人、それを見ながら、好きだったのよ~っ、と歌います。
 しかし、トッド、そんなことは無視し、ひとりにしてくれと剃刀とふたりきり。
 凶器フェチだ~っ、こいつ。
 どうやらトッドの作戦は、床屋を有名にして、判事が店に来たら殺す。というおおざっぱなものらしいです。
 その手始めとして、町一番の床屋にひげそり勝負を申し込みます。
 で、この町一番の床屋が、サザエさんヘアをした髭を生やした大男(マントとシルクハット付き)。
 まあ、ひとことでいうなら、男塾の松尾と男爵ディーノが合体したようなやつです。
 トッド、あっさり勝って、名をあげます。計画通り。
 一方、トッドといっしょにロンドンに来た船乗りの若者は、囚われのトッドの娘に一目惚れして、あの子をさらってやるぞ~っ、と高らかに歌います。(誘拐宣言)
 案の定、親父の部下のねずみ男にぼこぼこにされます。なにせ、この親父、自分の養女と結婚しようというロリコン親父。そんなことを許すはずがありません。
 そんな中、勝負に負けた松尾男爵ディーノがトッドの店に。トッドの正体を見やぶり、ゆすろうとします。
 トッド、鉄瓶でぼこぼこになぐり、あげくに剃刀で喉を引き裂きます。

 まあ、ここまではごくふつうの展開でしょう(え? どこが?)。
 物語が狂ってくるのはこっからです。
 死体をどうしようっていう段階で、トッドと女主人相談します、歌いながら。内容はこんな感じ。
 もったいないから死体をパイの肉にして売ろう。
 ええ、それは名案だとばかりに、楽しげに踊りながら、高らかと歌い上げます。
 そればかりか、聖職者は味が薄いとか、政治家はまずいとか、わけのわからんことをほざきます(もちろん歌で)。
 こっからは無差別に客を殺しては、下に落として肉にする作業を延々と。
 もちろん、娘への愛を高らかと歌い上げつつ喉を切り裂きます。
 人肉パイ屋さんは大繁盛。
 一方、船乗りとかけおちを失敗した娘は精神病院に強制的に入れられます。

 まあ、ここまでもそれほど狂った展開ではないですね(え? まさか?)。

 ここまで読んで、まさかほんとうにそんな話があるわけない。おまえは大嘘つきだと思った方、甘い、甘過ぎです。
 ほんとうにとんでもない展開はこっからです。
 ここまでは前座ですよ。それを嘘だなんて疑うようじゃ、クライマックスの怒濤の展開についていけませんよ(笑)。
 あとは自分の目でたしかめてください。
 まあ、ラストはハッピーエンドですけどね(大嘘つき)。


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ダリオ映画も初期は地味「わたしは目撃者」

2008-01-22 00:09:43 | 映画
 この前TSUTAYAで借りたダリオ映画第二弾。初期の作品「わたしは目撃者」ですが、う~む。
 正直、ダリオ初期作品は地味でつまらないです。(まあ、この前、新しいのもつまらないといったばかりですが……)
 ただ探偵役のキャラはちょっと立ってました。
 盲目の男と八歳の姪(美少女)。男の杖は仕込み杖(笑)。
 はっきりいって、ちょっとラノベ入ってるぞ。
 まあ、探偵役はもうひとりいて、こっちはただの新聞記者。はっきりいって地味です。
 もっとも美少女は危険だからと途中でリタイヤ。最後に人質にされましたが。
 今回絞殺がメインですので、真っ赤な血がどばどばはありません。
 なにより音楽が地味すぎます。
 犯人も、「え、こいつが?」っていう驚きじゃなく、「え、こいつって誰だっけ?」とおどろきます。
 しかも、動機が……。これいいんですかね?
 なんでもXYYの染色体を持っているものは犯罪を犯しやすいらしく、自分の染色体がそれだってばれたから。
 古い映画とはいえ、こんなこと映画の中でいっていいのでしょうか?(そもそもそれは事実なのか? 聞いたことありませんが)
 最後の犯人の死に様も今ひとつインパクトに欠けます。
 まあ、あまりおすすめできません。

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