過去、なにげなく書いたニコノスやらF4やらの記事が定期的に検索にかかるので、調子にのってニューカテゴリー「カメラが好き」というのを作ってしまいました。
その記念に、きょうは水中写真に関する記事を。
ダイバー、とくに水中カメラマンたちにとっては常識であることも、世間一般ではまったく知られてない、なんてことは多々あること。
たとえば、水中カメラマンたちは(アマチュアふくむ)高い器材を買って、いったいどんなものを撮影しているのでしょうか?
魚? ダイバー? 景色?
そう思われた方はいい勘してます。まあ、だいたいそんなものでしょう。
水中カメラ初心者も、だいたい漠然とそんなものを撮ろうと、水中写真をはじめます。
そこで選ぶのが、かつてならニコノスの20ミリレンズ。これはダイバーや、すこし大きめの魚を撮るのに適してますし、風景もそれなりに撮れます。
最近ならいきなりハウジングの人も多いでしょうが、その場合も28ミリから20ミリくらいの間のレンズからはじめる人が多いんじゃないでしょうか? 理由はニコノスの時とほぼ同じです。
ところがいざはじめて、水中写真に嵌ると、それじゃあもの足りなくなってしまいます。
たとえば、とにかく魚を撮りたい。しかもかわいい魚がいいな。
とか思い出すと、さあ大変。
ちっちゃくて、きれいで、かわいい魚ばっかり撮りたくなります。
そうすると、もう選択肢は、一眼レフにハウジング、それにマクロレンズしかなくなります。
それでも60ミリマクロくらいなら、その気になれば、ちょっと大きめの魚とか、ダイバーとか(全身はちょっときついけど)も撮れます。
ただ、このあたりまで来ると、マクロ派フォトグラファーはそんなものはどうでもよくなってきます。
おれぁ、そんなものより、ハタタテハゼのペアを画面いっぱいに撮りたいんじゃ。
たとえば、そう思ったとしましょう。その場合、60ミリじゃきつい。もちろん、近くまで寄れれば撮れるんですが、相手だってわけのわからん機械持ったダイバーがすりすりと近づいてくれば、逃げるに決まってます。ハタタテハゼなら砂の中に潜ってしまうでしょう。
60ミリ? そんな半端はレンズじゃいかん。男ならやっぱり100ミリマクロじゃあ!
こうして小さいものを写真に撮る以外は興味がない、マクロ派フォトダイバーのできあがり。
こうして彼は、ニシキテグリだの、カニハゼだの、キンチャクガニだの小さくてかわいくて変でめずらしいやつをもとめて、世界中の海を駆けめぐるのです。
一方、ワイド派フォトグラファーという人種がいます。
これは大魚群を画面いっぱいに収めたり、マンタのような大物をぐわっと撮ったり、あるいは画面いっぱいに広がる珊瑚礁や真っ白い砂地などを画面に収めることにエクスタシーを感じる人たちです。
南野はまさにこれです。
こういうひとたちはすぐに20ミリくらいのレンズじゃもの足りなくなります。
そしてまずほしがるのが、ニコノスと15ミリレンズの組み合わせ(これが高いんだ、また)。
これがあれば、珊瑚礁も、マンタも、ギンガメアジの群れもばっちりです。逆に近場の伊豆あたりじゃあまり出番がありません(水の透明度悪いし、でっかい魚もあまりいない)。
こういう人たちに対する最後の誘惑が、対角線魚眼。通称フィッシュアイレンズ。
すごい。こいつぁ、すごいぜ。なにしろ、対角線方向には視野が180度あるんですから。もうワイドなんてもんじゃありませんぜ、旦那。
ただしこいつを使うには、ドームポート付きのハウジングと一眼レフを使うしかありません。
南野がF4とアクアティカを買ったのはまさにそのため。こいつが南野から湯水のように金を搾り取るのは、前に書いたとおりです。
ただしこいつをつけて覗くファインダーの中は別世界。
なにしろ、油断してると、ストロボが画面に映り込んじゃうくらいです。
珊瑚礁だろうと、ドロップオフだろうと、砂地だろうと、どど~んと、ど迫力で映しこんじゃいます。
いったんこの味を知ってしまうと、もう麻薬のよう。
それにおさまる広大な風景や、魚群、大物を求めて、やはり世界中の海をさまようのです。
なんか話聞いてるとイメージ違うね。ダイバーってもっとおしゃれな人たちかと思ってた。
そう思った方、それは大いなるかんちがいです。
で、でも、それじゃあ、まるで……オタク?
そうです。ダイバーはオタクです。一部のちゃらちゃらしたのもいますが、それはむしろ少数派。大多数はオタクです。それもかなり重度でレアな。
だってそうでしょう? 何百という魚の名前を知っていて、そいつを撮るにはどんなところにいって、どんな器材で撮影すればいいか熟知している人間。しかもそれをじっさいに行動に移す行動力。そのためにはいくらでも金をつぎ込む壊れた価値観。
なんか、オタクっていうより、すこし頭のおかしい人のような気がしてきた(しょぼ~ん)。
ええ、とにかくダイバーってそんなひとたちですから、おしゃれでかっこいい人だなんてくれぐれもかんちがいしないように。
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その記念に、きょうは水中写真に関する記事を。
ダイバー、とくに水中カメラマンたちにとっては常識であることも、世間一般ではまったく知られてない、なんてことは多々あること。
たとえば、水中カメラマンたちは(アマチュアふくむ)高い器材を買って、いったいどんなものを撮影しているのでしょうか?
魚? ダイバー? 景色?
そう思われた方はいい勘してます。まあ、だいたいそんなものでしょう。
水中カメラ初心者も、だいたい漠然とそんなものを撮ろうと、水中写真をはじめます。
そこで選ぶのが、かつてならニコノスの20ミリレンズ。これはダイバーや、すこし大きめの魚を撮るのに適してますし、風景もそれなりに撮れます。
最近ならいきなりハウジングの人も多いでしょうが、その場合も28ミリから20ミリくらいの間のレンズからはじめる人が多いんじゃないでしょうか? 理由はニコノスの時とほぼ同じです。
ところがいざはじめて、水中写真に嵌ると、それじゃあもの足りなくなってしまいます。
たとえば、とにかく魚を撮りたい。しかもかわいい魚がいいな。
とか思い出すと、さあ大変。
ちっちゃくて、きれいで、かわいい魚ばっかり撮りたくなります。
そうすると、もう選択肢は、一眼レフにハウジング、それにマクロレンズしかなくなります。
それでも60ミリマクロくらいなら、その気になれば、ちょっと大きめの魚とか、ダイバーとか(全身はちょっときついけど)も撮れます。
ただ、このあたりまで来ると、マクロ派フォトグラファーはそんなものはどうでもよくなってきます。
おれぁ、そんなものより、ハタタテハゼのペアを画面いっぱいに撮りたいんじゃ。
たとえば、そう思ったとしましょう。その場合、60ミリじゃきつい。もちろん、近くまで寄れれば撮れるんですが、相手だってわけのわからん機械持ったダイバーがすりすりと近づいてくれば、逃げるに決まってます。ハタタテハゼなら砂の中に潜ってしまうでしょう。
60ミリ? そんな半端はレンズじゃいかん。男ならやっぱり100ミリマクロじゃあ!
こうして小さいものを写真に撮る以外は興味がない、マクロ派フォトダイバーのできあがり。
こうして彼は、ニシキテグリだの、カニハゼだの、キンチャクガニだの小さくてかわいくて変でめずらしいやつをもとめて、世界中の海を駆けめぐるのです。
一方、ワイド派フォトグラファーという人種がいます。
これは大魚群を画面いっぱいに収めたり、マンタのような大物をぐわっと撮ったり、あるいは画面いっぱいに広がる珊瑚礁や真っ白い砂地などを画面に収めることにエクスタシーを感じる人たちです。
南野はまさにこれです。
こういうひとたちはすぐに20ミリくらいのレンズじゃもの足りなくなります。
そしてまずほしがるのが、ニコノスと15ミリレンズの組み合わせ(これが高いんだ、また)。
これがあれば、珊瑚礁も、マンタも、ギンガメアジの群れもばっちりです。逆に近場の伊豆あたりじゃあまり出番がありません(水の透明度悪いし、でっかい魚もあまりいない)。
こういう人たちに対する最後の誘惑が、対角線魚眼。通称フィッシュアイレンズ。
すごい。こいつぁ、すごいぜ。なにしろ、対角線方向には視野が180度あるんですから。もうワイドなんてもんじゃありませんぜ、旦那。
ただしこいつを使うには、ドームポート付きのハウジングと一眼レフを使うしかありません。
南野がF4とアクアティカを買ったのはまさにそのため。こいつが南野から湯水のように金を搾り取るのは、前に書いたとおりです。
ただしこいつをつけて覗くファインダーの中は別世界。
なにしろ、油断してると、ストロボが画面に映り込んじゃうくらいです。
珊瑚礁だろうと、ドロップオフだろうと、砂地だろうと、どど~んと、ど迫力で映しこんじゃいます。
いったんこの味を知ってしまうと、もう麻薬のよう。
それにおさまる広大な風景や、魚群、大物を求めて、やはり世界中の海をさまようのです。
なんか話聞いてるとイメージ違うね。ダイバーってもっとおしゃれな人たちかと思ってた。
そう思った方、それは大いなるかんちがいです。
で、でも、それじゃあ、まるで……オタク?
そうです。ダイバーはオタクです。一部のちゃらちゃらしたのもいますが、それはむしろ少数派。大多数はオタクです。それもかなり重度でレアな。
だってそうでしょう? 何百という魚の名前を知っていて、そいつを撮るにはどんなところにいって、どんな器材で撮影すればいいか熟知している人間。しかもそれをじっさいに行動に移す行動力。そのためにはいくらでも金をつぎ込む壊れた価値観。
なんか、オタクっていうより、すこし頭のおかしい人のような気がしてきた(しょぼ~ん)。
ええ、とにかくダイバーってそんなひとたちですから、おしゃれでかっこいい人だなんてくれぐれもかんちがいしないように。
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