南の海のワナビ

小説家を目指す「南野海」の野望ははたして達成されるのか?

名探偵・南野海対深見真

2007-02-13 21:08:47 | 読書
 前回、NEXT賞がらみで深見真についてすこしお話ししましたが、今回は、深見真が富士見ミステリー文庫で発表した三作品について語りましょう。
 これは第一回の富士見ミステリーの新人賞で大賞を取ったという名誉ある作品なのですが、なぜか人気はいまひとつのようです。
 まあ、なんというか、ミステリー好きな人ほど、読後に怒り出すという話なんですが、南野はミステリー好きにもかかわらず、怒りませんでしたよ。むしろ、笑ってしまいました。(う~む。ちっともフォローになってないか?)

 まあ、とんでもトリックで一躍有名になってしまった伝説の作品なんですが、南野としてはこれはぎりぎりあるんじゃないかって思います。
 いや、むしろ一巻目の陰に隠れてますが、三巻目こそが、真のとんでもトリックなのでは? と南野は密かに思ってます。

 まあ、どんなトリックなのかっていうことはここでは言いません。ネタバレですから。
 今回、南野が語りたいのは、一番地味と思われる二巻についてです。
 例によって、読み終わってからだいぶたっていて、記憶があやふやなのですが、二巻の肝は、被害者が日本刀のような凶器で斬り殺されていた。しかし目撃情報などから、そんな凶器を現場に持ち込んだり、持ち出したりしたりした人物はいない。ってことだったと思います。

 いやあ、南野はその状況を見て、ぴーんとひらめきましたね。

 まちがいない。トリックは、これだぁあああ!

 いや、自信がありましたよ。一巻目と、三巻目のトリックがあれでしたから(南野は、二巻目を最後に読んだ)。

 名探偵・南野海の推理はこうです。

 犯人は南斗水鳥拳のような拳法を使った。

 つまり、犯人は素手で、あたかも日本刀を使ったかのように斬り殺したのです。
 そう思いこみ、読み進めていきました。

 あれ? ちがうの?

 残念ながら、ちがいました。

 南野の推理は、すこし斜め上を行きすぎていたようです。

 興味がある人は自分で読んで確かめましょう。

(追記 2/14)
 徳間書店のエッジdeデュアル王立図書館のブログによると、深見真先生の「ヤングガン・カルナバル」シリーズの新刊「前夜祭・標的は木暮塵八」が四月に出るそうです。
 http://spn05229-02.hontsuna.net/article/1833756.html

 楽しみです。





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一瞬のきらめき、NEXT賞

2007-02-13 00:01:19 | 作家への道
 南野はこれまでいろんな小説の新人賞に投稿してきました。
 今回は、たった四作品だけ世に残し、消えていったNEXT賞について語ってみたいと思います。

 これは角川書店がおこなった賞で、売りは下読みを使わず、応募者全員に評価シートを三ヶ月以内に送り返すってことです。
 まあ、角川がなにを考えていたかは想像でしか言えませんが、たぶん、メフィスト賞に対抗したかったんでしょう。当時、メフィスト賞は一大勢力を誇っていましたからね。
 賞金のない賞ですが、編集者からの評価シートがもらえるということで、南野も三作品ほど応募しました。
 一応、総合と、文章、キャラなどの個別にAからEまでの評価を点けてくれて、それとはべつに短い総評があるという親切な内容でした。
 南野の作品は総合Bがひとつと、総合Cがふたつでした。
 ただ総合C評価の作品はオリジナリティの項目でA評価がつき、総評でもかなりいいことが書いてました。

 落選したとはいえ、嬉しかったですね。

 書いては落ち、書いては落ちをくり返すと、やはり人間ですからいやになってきます。でも、部分的とはいえ、ほめてくれる人がいれば(それもプロから)、なんとかモチベーションを維持できるというものです。
 そういう意味で、南野にとって、このNEXT賞はありがたい賞でした。

 で、なぜこの賞がわずか一年ほどの間に、四作品だけ残して消えてしまったのか?
 噂では壊滅的に売れなかったそうですよ。受賞作品が。

 南野はNEXT賞の第一回受賞作品が三作同時発刊されたとき、ぜんぶ買いました。参考になると思ったからです。

 読んだ感想としては、いやあ、みっつともおもしろかったですよ、非常に。

 いや、なにも相手が角川だからって媚びを売ってるわけじゃありませんよ(ライトノベル業界では、角川グループは絶大な力を持ってます)。
 むしろ、角川、営業ちゃんとやったのか? とか、なんであんな中途半端な大きさなんだ?(ノベルスよりも微妙に大きいので書店が平積みしづらかったのでは?)とか、そのくせノベルスよりも値段が高いぞ、とか売れなかった理由は作品のおもしろさとはべつのところにあるんじゃないの? と思ってます。

 とは言うものの、たしかにこの三作品は、万人向けとは言いがたいものがありました。

 まず「ラヴ・アタック!」、これはみっつの中では、もっとも普通におもしろいといえるものでした。
 まあ、オタクっぽい話ですが、今はそういうのけっこうありますよね。
 そういう意味ではあまり語ることがないものです。

 では深見真の「アフリカン・ゲーム・カートリッジズ」、これの解説いってみましょう。
 バイオレンスアクションで今はときめく、深見真のデビュー作(? ブロークンフィストの方が先かもしれません)。
 徳間ノベルスの「ヤングガンカルナバル」(南野はこのシリーズぜんぶ買ってます)が順調の深見真ですが、そこに行くには必ずしも順調じゃなかったみたいです。
 ガンアクションに、格闘、猫にレズに腹筋、おまけにとんでもトリック。とからかいの対象になってました(いや、ごめんなさい。でもそうですよね?)。
「アフリカン・ゲーム・カートリッジズ」とは、その深見真の嗜好がもっとも強く出ているものだと思うのです。
 そう、深見汁100パーセントの原液。それを薄めて出したら(ヤングガン)ヒットしたって感じです。(いいのかな、こんなこと書いて?)
 とにかくエロくて、バイオレンスで、ホモも出ればレズも出る。女は強いし、腹筋は割れてる。もちろん銃は撃ちまくり。

 そんな話です。

 そして最後の「リベンジ・ゲーム」。いやあ、これはなんていうか「アフリカン・ゲーム・カートリッジズ」以上の問題作。

 高校野球の話なんですが、上級生が下級生をアナルレイプしたりとか、親父も息子を虐待してたような気がするし、詳細はあまりよくおぼえてませんが、とにかくむちゃくちゃやり放題。
 短いシーンで、シーンは飛びまくりだし、文章もあまりうまくなかったような気がしますが、とにかくおもしろい。
 いや、このころはまだ新堂冬樹とか読んでませんでしたから、よけい新鮮だったんでしょうね、こういうのが。
 人間の裏側とか、醜さをこれでもかこれでもかって描写する話が大好きなんです。こまったことに。

 というわけで、NEXT賞受賞作は南野に大きなインパクトを与えてくれました。

 いやあ、ほんとなんでなくなったんでしょうね、この賞?

 ちなみに四作目は読んでません。っていうか、本屋で見たことありません。





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