tamiのブログ

このブログ・・・妄想ー空想大好きな私が、勝手に楽しんで・・・勝手に文字にしています。ボロボロですが(笑)

ひなちゃんは! 32

2016-10-20 07:55:45 | ひなちゃん! 〈Rあり〉
《 幸せ! 》


初めて訪れた家・・・微妙な違和感にルナが苦笑いをした。
出迎えた母がルナを優しく抱き締めた。

ヒロはゼンと握手して、謝る事に苦笑いして止めて貰っていた。
母がゼンに笑み、そっと頭を下げた事に驚き 慌てて身をあげて貰う姿を眺めたルナがいた。

リビングで話をしていると、ヒナが二人の手を繋ぎ連れて来た。
『やっと会えた(笑)嬉しいね・・・』

目を潤ませて言ったヒナは、手を離して笑みを浮かべた・・・・両手を伸ばしたルナの笑みに迷わずに入り込んだヒナを優しく撫でたのだった。

『勉強は?』
『してる・・・・机で(笑)。
一回だけ・・・パパに頼んでカフェで宿題してみたけど、つまんなかったよ?』
エヘヘと笑うヒナに笑み返した。

『君がヒナか(笑)』
『初めましてだね(笑)』
『覚えてないか・・・小さかったしな』
『それはパパと?』
『そうだ(笑)抱っこされてた・・・眠そうに笑ってたな・・・』
『パパの抱っこは楽しいの。見晴らし?眺めがサイコー(笑)』
笑いあうヒナとゼンに、皆も微笑んだ・・・・

『ルーちゃんの幸せの素だね(笑)』
『サクに聞いたのか?』
『んー確か、パパがママに言ってた言葉だったかも(笑)
ゼン君の幸せも同じ?』
『そうだ(笑)同じだ・・・』

『良かったね(笑)、パパとママの幸せは私の笑顔なんだって。
だけど私も同じなの(笑)』
『嬉しいな(笑)』
『そっ(笑)すっごく嬉しいの。
あとは・・・・カケル君の幸せは何か聞くんだぁ!』

楽し気に話すヒナに、大人たちが笑みを浮かべた。


温かな時間だと笑む母とユナ達・・・初めて会うアンナに笑み手伝うルナがいた。
『ヒロ兄に幸せをくれてありがとう(笑)末長くお願いします』
『いいえ(笑)、貴女は苦しかったわね・・・・物凄い心配性は直らないわ。
まぁ性格なんでしょうね(笑)』

『笑う顔が穏やかにみえて・・・貴女のお陰なんだと思えます(笑)』
『大丈夫よ(笑)、呑気に待たせればいいの。キリがない・・・』
『ランから聞いて?』
依頼してランと会っていた事を思い出した彼女が聞いた。

『(笑)話してくれなかったわ。だけど、それだけ辛いと思えたわ。
輪をかけた心配性と思うと(笑)ちょっと嫌気もするでしょ?
それが何年も続いて・・・家族皆からと思うと私にも有り得ると思えるわ』

『特殊・・・』
『そうね(笑)特殊過ぎてた・・・・
ルナさん・・・・生きた先に・・・夢見た事へ近付けた?』
『 ・・・・・はい(笑)叶いました。今も自分に問いますが・・・やり直したいとも思いません(笑)
私は同じ道を選び、彼を選びます』

『(笑)今度は私が先に出逢って、出してあげますね。
互いに悲しまずに、大丈夫と背中を押せる彼と一緒に(笑)』
アンナの言葉に驚いて見つめた・・・・

『嫁だから(笑)言っちゃ駄目だと、否定しちゃ駄目だと思うけど・・・・
間違った愛し方しか出来なかった親を許してあげてね・・・・

他の方法を知らなかったと思うの・・・・なぜ苦しいのか理解出来なかったと思うの。
貴女は大丈夫(笑)体験してるから、貴女が親になっても同じ事はしないわ。
彼を幸せに出来てる(笑)だから貴女も大丈夫と信じて彼と笑って・・・・』

優しく背を撫でるアンナに笑み、苦笑いをしているルナを行かせた。


帰り際に、ルナを引き留めた母・・・
『ルナ・・・・時間が出来たら・・・会いに来て・・・貴女を待つから・・・
笑顔を見せに・・・』
絞り出すように言った母に笑み返すと、車に乗り込むルナが微笑んだ。

走り出した車を見えなくなるまで見送った母だった。


ようやく吐き出せたルナは、皆に会いに足を進められた事に安堵した。
ゼンを受け入れたヒロに驚きながらも、二人の会話に耳を傾けてしまう自分がいた。

何かを否定されないかと不安だったのだ・・・・まだ自分から受け入れて いない部分があるのだと気づいたルナがいた。

今回の事はヒナがサクに頼み込んだからだった。
ルナだけだったが、兄弟を見せたかったヒナ。交ざって欲しいヒナだとサクから聞いていた。

無理だとルナが言ったが、試そうとゼンが連れて来たのだ。
サクは静かに端で見守っていた・・・ルナが離れるとゼンは大丈夫だとサクは、ヒロを巻き込んで一緒に話をしていたのだ。

初めての事で緊張もあるゼンを知るサクだから出来た事だ。

溶けた緊張はゼンもだったと互いに苦笑いをして家へと戻るのだった。


少しずつでも、成長している自分を知った・・・それはゼンがいたからだと改めて思えた。
だから一番にゼンの幸せを考える・・・・それが自分も幸せだと気づいた。


ゼンと訪れたのは、ゼンの父親が眠る場所だった。
やっと来る気になれたと呟くゼンの手を握り締めた。

『 ・・・か、母さんだ・・・・』
言葉につまるほどに驚いたゼン・・・・墓石に刻まれた日付に驚いて力が抜けそうだった。

『いつ?』
彼を支え彼に聞いた・・・
『離れてから一年もしてない・・・』
『病気だから離れた? 一人になるゼンに不安で預けたって事?』
そういう事かと呟くルナを眺め、信じられないと墓石を見返した。

『全部教えろよ・・・・間違った記憶しか残らないだろ・・・・
今は親父と一緒か? ・・・・一人じゃないなら許してやる・・・・』
『勝手な親に振り回されて、無理矢理大人になったのにね・・・・
そっと理由を知る誰かが教えてくれれば良かったのに・・・』

『子供に落とされた気分だ・・・・子供をやり直せと言われた気がする・・・冗談じゃない!
俺は俺だ・・・・自分の生きる道は自分で行く』

『ゼン?(笑)、一人じゃない。
それに・・・皆もいるから間違いは正してくれるわ。
迷わずに一緒に行こう(笑)』
そうだと笑むゼンが彼女を抱き締めたのだった。



同じ場所からソレを眺める二人がいた。
マスターが笑み、そっと目の前に飲み物を出した。

『(笑)暴れん坊のゼンと、家出娘のルナだろ・・・・』
小さな笑みで返すと、窓から花時計を眺めた・・・

『知ってた? あの場所には伝説が出来てるって。
誰かを待つ女の子は、誰かを幸せにしたんだって(笑)』
ランがカズサと一緒にやって来た・・・・下でハルトがバイクに股がりノンを待っていた。

ハルトが見上げ手招きをする・・・・笑うカズサがゼンを促し連れて行った。
走り出す4台のバイクに微笑んだルナがいた。

怒り顔のノンが、ルナ達に気づき上がってきた。
『置いてかれたぁ!』
『(笑)懐かしんでるの!』
『そ?』
笑む彼女達は、綺麗に咲く花を眺めていた。


『待てば来るかなぁ・・・』
両肘をついて花時計を眺めながら呟く女の子がいた。
『待つって連絡してるなら信じよ(笑)願いは叶うって有名じゃん』
『伝説じゃん・・・・・』

『実在するって聞いたよ?』
『ならここに居たらダメじゃん・・・』
『暑いしぃ(笑)』
ハハハと笑う子が、仕方ないと店を出て行った。

『今じゃ恋愛が実る場所になってるんだぞ・・・・お前らは離れんな!』
笑いながら言ったマスターに笑み返したルナがいた。

『真っ直ぐに大人になれたろ(笑)、互いに頑張ったから今がある。
離れずに(笑)諦めずに願う先へ生きたんだ。
無事に生きてる今があるなら、大丈夫と先へ進め(笑)』

笑いながら彼女達を店から出し、窓から覗く・・・・
迎えに来た彼ら・・・ルナ達が見上げ、手を振った姿に微笑んだ。


走り出した皆を見送る・・・・
『おっちゃん、あれは誰?』
学生の女の子が来てマスターの様子に楽しくて声をかけたのだ。
『生きる為に待って、生かす為に生きたと言えば(笑)分かるか?』
『で、伝説の?』

『伝説じゃないさ(笑)、真実なんだぞ?・・・負の自分達に負けなかった男たちと、自分を生きたいと願った女達が繋いだ絆が出来た場所でもある。
全員が幸せなままだった(笑)』

知った自分も幸せだと叫ぶマスターは笑いながらカウンターへ入り込んだ。



変わらない場所だと笑みを浮かべたルナを抱き込んだ。
同じように輝きを見せる水面を眺め、風を身へ受ける二人。

食事時以外は、それぞれの時間を楽しんだ・・・・天気は良く真っ暗な夜は空を綺麗に魅せた。

辺りの自然な音が優しく包むようだった。
『今の不安はなんだ(笑)』
様子の違うルナに気づき、優しい声音が彼女へ囁いた。

『(笑)ごめん・・・全部消えてない・・・』
『一緒か(笑) なら忘れ』
『おい!』『ゼン!』
ルナの裾を捲ろうとしたゼンの手が止まる・・・・
ハルトとカズサが慌て呟く・・・・ランが呆れながら眺めていたが、ルナと目が合うと思い出したように笑いだした。

『その辺は変わらないのね(笑)』
『(笑)いいのか、悪いのかよね』
『あ(笑)変わらない人が、もう一人いたわ』
ハルトに寄り、眠っているノンが微かに見えた。

何事にも安心と思えた時は、必ず身を休ませるように眠るのはノンだった。。
『(笑)ゼンは襲って、ノンは眠るか・・・・』
『ん?襲ってないぞ・・・』
思い出したように呟くゼンに笑うハルト達だった。

暫くは彼らだけで話していたが、疲れていたのか皆は眠りへ入り込んでいた。
『また俺一人?』
『(笑)寝れば皆と一緒よ・・・』
『する?(笑)』

可笑しくて体を揺らすルナだけだったが、返事はしなかった。
『順調というのが今の事かな・・・・それとも落とされる準備をさせられてる?』

『ルナ(笑)、昔と違う・・・・逃げたらソウスケに助けて貰える。
仕事なら仲間の腕がある・・・全員が大人になってるからな(笑)』
『大丈夫と思えって事でしょ?』

『(笑)突き落とされる準備は半分にしとけって事だ。
子供の頃より狙われてない(笑)、ついでに言えば大人の今は狙われてない』

『本当に大丈夫と思える?』
『もう少し(笑)と、言いたいが安心はしてないぞ・・・見張りは多少してあるんだ。だから俺より、心配と思える部分は消せ』
フゥと吐ききりゼンに笑むと、そっと寄り添って眠りへ入り込んだのだった。

やっと深い眠りに入ったと安堵したゼンが静かに息をはいた。
『狙われる怖さが抜けないのか?』
『(笑)たぶんな・・・ より静かな空間は不安を煽ると言って、酒を飲んで寝てた。
それでも不安感が増した時だったがな(笑)』

『ゼンが一人で解決してたのか?』
『それはない(笑)ルナを起こして話に付き合わせたり? なにかとな』
言葉を濁し笑うゼンに、呆れ笑うハルト達がいた。
『同じだろ(笑)』
『抱いて寝たら爆睡・・・』
『だろ?(笑)一緒に爆睡も出来るし気にする暇もないだろ』

『・・・・ゼン』
『ん?』
『子供を作ろうと思ってるか?』
『今の俺達なら、無い(笑)それはルナもだ・・・・
昔・・・・体調が崩れて、妊娠したかと疑った時があった。
親と同じ血は子供へ向かうかもしれない怖さが先にある事に気づいて・・・ルナと二人で焦った』
言うのを躊躇うゼンと気づき、小さく謝ると教えてくれとハルトが呟いた。

『薬の事も・・・聞いてた』
すまなそうなハルト苦笑いするゼンが、苦笑いして大丈夫と首をふった。
『4~5年前になるか・・・自分の親と同じ親になるという怖さが不安感を・・・・その時にルナが作り出した。
あれはマジで壊れてくかと怖かった・・・』

『よく立ち直れたな・・・』
『帰国して・・・双子の姉の子と会ったからかもな(笑)。子育てを体験しながら消したのか・・・気持ちを切り離してきたかもな』

『ランが同じ事を言ってたな・・・自分も同じ子育てになるのかってな・・・
自分と違って産まれる事は出来るけど、苦しめた親のように育てそうで怖いと言った』

『今は、考えんなよ・・・・出来たら皆で育てればいいだろ。
間違ったら指摘して庇えばいい(笑)怖いなら、誰かが怖さを少し和らげろ・・・その間に相談して大丈夫な先を皆で考えるさ、ルナにもランにも言っとけよ(笑)
ノンが笑って育てるさ(笑)、焦ったらルナとランに頼んで乗り越えさせる』
言い切ったハルトに驚いたゼン。

『ノンと話したんだ(笑)
ルナみたいな勇気はない、ランみたいな考えもない中で 悩んでたノンが思い出したように そう言った。

それぞれの出来ない事は助け合えば乗り越えられるとさ(笑)
それが子育てになっても、大丈夫と言ってた・・・
ノンは彼女達を信じてる(笑)だからノンを助けてくれよな・・・』

『大人のノンは違うな(笑)安心出来るな』
『な(笑)ルナ達より案外強いかもしんねーぞ・・・』
『そう思う。親に関してはルナ達より怖さはないからとも言えるが・・・そんな事も出来ると言っとけよ』

『だな(笑)親の呪いが振りかけられてると思いこんでるよな・・・
関係ない一人の自分なのに・・・』

苦笑いする彼らは笑み、彼女達を抱き寄せながら話を続けたのだった。