tamiのブログ

このブログ・・・妄想ー空想大好きな私が、勝手に楽しんで・・・勝手に文字にしています。ボロボロですが(笑)

growth

2018-04-09 08:42:00 | 序章・予告編

全身がモノトーンで包まれた女性、通りを眺めていた姿があった・・・その眺める時間が長いと気になり視線は別へ運びずらかった。

いつ来て覗いていても同じように外を眺めている事が気になったのだ・・・


仕事の合間や、移動の動線をココにする彼に違和感はあったが、自分の上司なだけに声にせずに黙っていた秘書がいた。

不意に腕時計に目を落とし、ため息をしてから歩き出す・・・待ち合わせかと思う事にした。


翌日・・・
『派手だな(笑)それでも似合う』
そう呟いた事で誰の事だと思えた。
彼が見ていた場所から、同じ方を眺め派手という言葉を頭に眺めた。

真っ赤なワンピース姿の女性・・・他は落ち着いた色合いの服装が多かったので、この女性の事と思えた。

腕を組む・・・彼を眺めると柱一つ向こうで立ち止まり彼女を見つめていた姿があった。
驚いた・・・・それしかない。
普段は興味もなく自分からも女性へ声さえかける事はなかった。

微かな笑みが起こり そうかと思わず笑みを溢してしまった。

視線が合うと何だと寄って目の前に立つ・・・
『なんだ・・・』
『この通路を絶対に通りたい理由が知れて良かった(笑)』
『ん?』

『遠回りしてもココを通らなければならない理由です(笑)
派手な女性が好きだったんですね』

『(笑)いや、彼女だからだ。
今日は真っ赤なワンピースだが、その前は真っ白なシャツで・・・
(笑)最近やっと知った・・・同じ女だった・・・目は同じだしな(笑)』
『 ・・・』
どこまで観察するのだと驚き見返した人は、改めて彼女を観察するようにながめた。



午後になるとラフな服装になっていた・・・不思議と思う秘書・・・
ボーイッシュな服装ともいうのか・・・午前中の女性と同じ人には見えなかった。

帽子を被り楽し気に眺めていたが、スタッと椅子から降りた彼女は表へ出て行った。

『同じ方ですよね?』
『だな(笑)』
『活発そうに・・・』
『見えるだろ?
落ち着いた服装なら 何処かの令嬢のように清楚で(笑)デザインとか色合いで容姿が代わる』

『綺麗な人と可愛い人(笑)』
『黒いモノを着てた時は格好良かったぞ?(笑)
その服で雰囲気まで代わる彼女に驚いた(笑)ココでも会えて、ついな』
『 ・・・』

いつからだと驚き、思わず聞き直そうかと彼を見る・・・照れた優しい笑み・・・子供のような笑みだと思わず思った自分に苦笑いをした。
気づかれたのだと口を引き、秘書を眺める・・・

『その場に溶け込むが、目につく女が不思議といるだろ(笑)』
『(笑)あー』
確かにと頷く彼もいた。

『クラブ(笑)カフェ・・・通り、それからホテルのロビーとか街中の公園・・・

立ち姿が綺麗だからか、背があるからか分からないが(笑)綺麗だと視線を向けると彼女で・・・可愛い子だと見ると彼女だった。

格好良くて(笑)、それでも人を寄せずに視線だけを集めてる彼女に驚いた事もある』

『いつから?』
思わず聞いてしまったと苦笑いをしたが、照れた顔になり驚いた・・・
答えない彼を眺める・・・

『ずっと・・・探してます?』
『話してみたくて・・・だけど、やっと見つけると・・・手足が動かなくて(笑)行こうと足が出せてホッとしてる間に居なくなる・・・その繰り返しだ・・・』

『らしくないですね(笑)』
『兄貴が声をかけそうになった事もあるが(笑)、すんでで離れてくれてホッとした・・・』
『どっ何処で?』
『クラブ(笑)』
『ん?』

『女が騒いで兄貴を連れ出したろ(笑)』
『捕まえ損なったとか(笑)』
『その彼女をな(笑)ヤバかった・・・』
フーと言いたげに笑う彼は、仕事だと気持ちを切り替えたのだった。




激しい騒音とも呼べる中で、友達の輪の中で飲んでいた彼がいた。
『(笑)兄弟で行き付けだったのか?』
『ん?』
『(笑)ごひいきに』

友人が声にして、その視線を辿ると三人で奥の方に居て飲んでいた姿が見えた。

居たのかと笑う彼は口を引くだけだった。
『飲み難いから離れろ・・・』

寄り掛かる女を離して、彼女の友人の方へ体を向ける彼・・・またかと笑う友人達が女を眺め、仕方ないと離してやった。

グッと堪えた顔になり彼らを見返す女たち・・・
ずっと睨まれ放題で気にもしない彼に呆れ、一人が笑みながら彼女達へ呟く。

『無闇に張り付く女を嫌う(笑)。特別な域に入れないんだから、彼に触れるのは止めな・・・』
柔らかな声で彼女達へ言ったが・・・その中の女が声にした。

『その域に入ったから一緒に入れてるんじゃないの?』
『(笑)綺麗な顔で睨むのもいいけど、笑顔でいたなら素敵だよね・・・』
答えずに濁す彼が微笑んだ。

『 ・・・ソウマさんも同じ?』
隣の彼女が呟く。
『隣には本気の彼女を置きたいだけさ(笑)』
『君らは飲み友達だろ?(笑)』
『飲みに付き合えと言ってたよな(笑)、最初から』
『 ・・・だけど』

『襲えと言うから寝た。寝たいと言うから抱いた、それだけだろ。

望んだ事を遠慮なく事を起こしただけだ、間違うなよ・・・』

『なら付き合ってよ・・・彼氏に』
『ならねーよ(笑)。俺らは純情なの・・・本命なら手は最初から出さない(笑)』
『ラース(笑)』
言い過ぎと彼を止めたナギが笑み、彼女達へ微笑んだ。

『遊ぶ場で出逢った(笑)、それが全てだよ。
あまり、しつこいと逃げるよ?』
こいつならと指をさすナギの先にアレンがいた。

『(笑)俺?』
『俺(笑)。なんでもかんでも抱くな』
『抱けって言うからだろ。嫌なら帰れ、ソウマ(笑)呼んどけよ』
『ん? 誰?』
『(笑)来てんだろ、あっちでいい』
『 ・・・』

押し黙る彼女達に苦笑いをして、呟くソウマが携帯を手にした。
悲し気な顔でも耐えるようにアレンの手を掴む彼女・・・

『本気は必要ないと言ったろ・・・それでもいいと納得もした。それ以上は望むな・・・抱く女は他にもいる』
『好きになった私は?』
『その前にも言ったぞ・・・遊びでいいかと聞いた。よく考えろともな・・・』
『 ・・・』

『悪かった・・・もう少し考えさせれば違ったな・・・
遊ぶ場所から自分の女は探さない・・・覚えてなかったか?』
『聞いたわ・・・』
溢れた涙を拭いてやり静かな場所へ連れ出した。

『いい女は、いい男と結婚しとけ。それは俺じゃない・・・俺の中にお前は入らなかった』
『遊ぶ場所で会っても・・・気持ちが傾く事はあるの?』
『(笑)昔はな・・・それでも一瞬だ・・・抱く気になるのも・・・』

『ならも少し・・・』
『ねーよ(笑)、自分を知る・・・お前に気持ちが向く事は、この先もない』
ギュッと抱く手が強まったが、そっと引き離したアレン・・・震える手が力なく落ちた。

『次に体を預けるなら、今度は良く考えてからにしとけ(笑)。思いだけで先走るな・・・じゃーな』
頭を撫でて笑むアレンを見つめる彼女・・・迎えに来た友達と二人で店を出て行ったのだった。


戻ったアレンを眺める友人達・・・その呆れた顔に口を引いて、静かにグラスを傾けた。

『あー(笑)。誰ならアレンを幸せーに落としてくれる?』
『ナギ(笑)、ちっこいのだろ』
『大人で小さくて可愛いって・・・そうそう居ないぞ?』
『(笑)と思うだろ・・・』
ソウマが呟きナギに笑った。

『先週(笑)、女の子に服を選んでた時に会った子を追い掛けたんだぞ』
こいつはと笑うソウマに驚いて、アレンを眺め返した友人達・・・誰だと言いたげに見ていたラースがアレンの肩へ触れて身を起こした。

『(笑)黙れ!』
『捕まえた?(笑)』
『無理だった(笑)。女の子に捕まって逃げられたし・・・
歳が若いのかどうかさえ確認も出来なかったんだ、(笑)代わりに追ったが車に乗った後で確認も出来ずだ』

『ざ、(笑)残念?』
そうだと頷くアレンに驚いたナギ・・・ラースさえ口が閉じずにジッと眺めていただけだった。


『(笑)アレンさん』
近寄ってきた男が笑って声をかけた。
『ん?(笑)何かありました?・・・しっしでかした?』
『(笑)オシュ・・・』

苦笑いで返された事に驚いて、アレンからアレンの友人達へ視線を移し観察するように眺めた。
グッと頭を掴んで見返したアレンは早く言えとオシュを急かした。

『あー来週に見合いが入ってて・・・』
『しねーよ・・・』
『(笑)ですよね、どっちか行けと会長から言われてたんです』
『ガイルに持ち込めよ(笑)』
『あいつは探してるらしくて・・・潰しも上手いアレンさんにって話してないんですけど・・・』

『(笑)写真は?』
『ソウマさん(笑)、何故か今回は無いんです・・・』
『令嬢?』
『会長からですよ?(笑)。海外で付き合いがあった方らしいですけどね・・・ガイルの一つ下らしいです(笑)』
『(笑)ちっこい?』

『やっぱり(笑)そこを求めます? ・・・会長には伝えてましたけどね・・・そこまで聞いてないそうで・・・
(笑)しませんか?』
『しない(笑)オシュ・・・自分で探すからって言っとけよ』

『(笑)無理なのも知ってますよね。部下ですから』
『オシュ・・・』
『オシュ(笑)。ガイルにしとけ。無理なら助ける準備はアレンにさせるから』
何を言うんだとラースを眺めたアレンに笑って誤魔化すのだった。

『(笑)横取りも上手いから、気にせず流しとけ』
ソウマの呟きに確かにと笑うオシュは、了解とハイル達の席へ戻って行った。


『あー(笑)』
マジかと酒を飲むアレンに笑って、仕方ないと付き合う仲間達だった。




ジッと眺めるアレンに何だと視線を辿る・・・・
『あの三人は先週も居たよな・・・』
二階の通路から写真を撮り、眺めては話し込む人達がいた。

『表には出さない条件で許可は出してある(笑)。モデル探しなんだとさ』
このクラブのオーナーでもあるラースの呟きを聞きながら、また3人を観察する。

『(笑)興味はないんだな』
『あれは背がありそうだぞ?(笑)アレンには対象でもないだろ』
自分を餌に話す人達に苦笑いしかない。

『端の女が似てたな・・・』
ボソッと呟いたアレンに驚いて、ソウマを眺め二階へ視線を流した彼ら・・・その場には居ず、既に帰ったのかとガッカリしたのだった。

静かに飲むアレンを眺め、口を引いて笑む彼ら・・・それも気づかずに飲むアレンだった。



『(笑)探すか?』
ソウマが呟く。
『止めとけ(笑)ソウマ・・・遥か年下なら犯罪の域だしヤベーだろ。ガッカリなアレンは見たいがな(笑)』
『(笑)マジでヤバいぞ・・・その好み・・・』

『ガキは好かねーよ(笑)』
『分かるが(笑)』
『 ・・・(笑)』
誰を追うんだと眺める仲間達だった。


-end-

本編へ・・・
2017・6


本編が出来上がる期間が長すぎた・・・