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転勤に応じにくい人が増える背景

2018-02-22 | ビジネス

こんにちは。
もうすぐ2月も終わり、暖かい季節がやってきますね。
季節の変わり目は風邪を引きやすいのでお気をつけ下さい。
本日は「転勤に応じにくい人が増える背景」についてのお話しです。




 大手資産運用会社に勤める田中大輔さん(仮名・42歳)は、昨年8月、会社からニューヨーク転勤を命じられた。2カ月後に渡米し、現地の機関投資家相手のセールスマネジャーに就くよう内示を受けました。事前の打診はなかったが、ニューヨーク勤務は、将来の幹部候補がたどる道の一つだと大輔さんは異動の話が出たことに喜んだが、気がかりなことがありました。

 それは同じ会社で総合職として働く妻の香さん(39歳)のこと。異動を聞かされたのは、あと1カ月ほどで第2子の出産予定となり産休に入ったばかりのタイミングだったのです。保育園に通う4歳の長男もいます。

 香さんは子供が2人になった後も共働きを続けるつもりでしたが、日本で2人の子供の世話を1人でこなしながら働く自信はありません。そこで、大輔さんと渡米し、日本に戻った後も働けるよう会社にかけあうことにしました。しかし、「前例がないので認められない」と、回答は期待に添うものではなかったのです。

 結局、第2子の出産後、彼女は会社を辞めて子供とニューヨークへ向かいました。家計への負担を考え5年前に買った都内の自宅は売却し、「夫の帰任で日本に戻っても今までと同じ条件の仕事を見つけるのは難しい。好きな仕事だっただけに、とても悔しい」と、香さんの心は複雑です。大輔さんも妻が仕事を辞めなければならないことに対し、申し訳なく思っているそうです。





 転勤、すなわち勤務地の変更を伴う人事異動は、一定の事業規模を持つ会社で働く正社員ならば誰もが経験する可能性のあるもの、というイメージです。

 目的は主に、各拠点で働く人材の需給調整だったり、また、社員の人材育成を狙って定期的に人員配置を見直す企業も少なくありません。金融機関のように、不正や癒着を防止する観点から2~3年で人員の配置転換をする企業もあります。

 冒頭の田中さん同様、転勤は「突然」言われるケースが多く、労務行政研究所が行ったある調査では、転勤を命じる際「本人の同意を必要とする」「本人の意思等をある程度配慮する」と答えた企業は約2割でした。管理職に至っては1割に満たず、転勤は、会社の都合で実施されている実態が浮かび上がってきました。

 それに対し環境は大きく変化しています。1997年に夫婦共働き世帯が片働き世帯を逆転したのをご存知ですか?「夫が働き、妻が専業主婦」というモデルは主流とは言えなくなったのです。また、総務省の2012年就業構造基本調査によれば、親の介護をしながら働く雇用者は、約240万人。現在約70歳の「団塊の世代」が後期高齢者に突入する25年以降、ますます増加することが予想されています。配偶者の仕事や親の介護といった家庭の事情で、転勤に応じられなくなる人が今後増える可能性が高いのです。





6割が「地元で働きたい」

 対策がなかなか進まない背景に「転勤は人材育成のため必要なもの」と考える企業が依然多い点が挙げられます。多くの企業で若いうちから社内の様々な拠点を回り、経験を積ませる人材育成手法がとられてきました。転勤制度の見直しは、企業の人材教育、キャリア育成の在り方にも関わるだけに、手をつけづらかったという事情があるようです。

 しかし、ここ数年、急速に深刻化した人手不足が企業側の姿勢を変えてきています。労働市場が売り手市場へと変わり、企業はより多くの人に訴求できるよう、多様な働き方の選択肢を用意する必要に迫られているのです。

 その一つが、転勤のない「エリア正社員」「地域限定社員」などと呼ばれるもの。給料が低めだが、転勤ありの正社員より人が集まっている企業も少なくないです。

 なぜか。若い世代中心に、地元の友達、趣味仲間など会社以外の人的ネットワークを大事にする人が増えています。転勤はネットワークを壊す可能性をはらむため、転勤を避けたいとする心理が働くようです。

 この傾向から分かるのは、転勤に「応じられない人」が増えているだけでなく、「応じたくない人」も増えていることです。転勤を望まず、自分の生活とキャリアのバランスを重視する働き手が増えた今、転勤をなくす、もしくは配慮する姿勢を示せる企業とそうでない企業との間に、人材獲得の面で差が出てくる可能性があります。人手不足が進めばその差はなお広がっていくでしょう。

 テレワークなどの技術活用や現地採用の強化、組織の再編など、社員が望まない転勤を減らすためにできることはまだあるはず。企業に知恵が求められている時代なのです。
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