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新型コロナ変異株「オミクロン」 感染性の強さは? ワクチンの効果は?【気になるNEWS特番】

新型コロナ変異株「オミクロン」 感染性の強さは? ワクチンの効果は?
2021/11/29 15:00 (ヨミドクター(読売新聞))



南アフリカで発見 WHOが「懸念すべき変異株」に指定

 本稿執筆時点で、国内の新型コロナウイルス感染症の発生数は激減しており、だんだん日常を取り戻そうという流れが出ています。一方、ドイツや韓国など、諸外国では新たな感染者の増加が問題となっています。なかなかコロナ問題、終焉(しゅうえん)には至りませんね。

 そんな中、南アフリカで新たな変異株が見つかりました。このことは国際社会で深刻に受け止められました。

世界保健機関(WHO)は緊急会議を開き、この変異株を「懸念すべき変異株、VOC, variant of concern」に分類し、オミクロン(o)と名付けました。

 従来、WHOは慢性の健康問題の対応には長(た)けているが、急に起きたアウトブレイクや変異株対応は苦手とされていました。しかし、今回は緊急会議も開き、VOC指定も素早く行いました。汚名返上、といったところでしょうか。

 恥ずかしながら、ぼくはギリシア文字やギリシア語の知識が乏しく、ゼータ(Ζ)とかニュー(ν)とかは知っていましたが(出どころ、バレバレ)、オミクロンという文字については知識がありませんでした。初耳の変異株です。

 omicronとは「小さいオ(オ・ミクロン)」という意味で、「大きなオ」、オ・メガ(Ω)と対を成す文字なのだとか。ちなみに、時計で有名なオメガ社のオメガは、時計の動力機構の型番(キャリバー)のオメガという型番からとられたのだとか。

50もの突然変異 Sたんぱくの遺伝子に集中

 南アフリカの伝染病研究所、国立健康検査室サービス部門は11月22日に、一群のSARS−CoV−2の変異株を発見しました。系統で言えば、B.1.1.529という名前です。

 そして、11月14日から23日までに収集された71の株のうち、70%以上がこの変異株であることが分かったのです。細胞内に入るときに重要なSたんぱくをコードする遺伝子にはっきりした欠損があったため、発見が容易であったといわれます。

 なお、遺伝子の変化が大きいということは、ウイルスの性質が大きく変わる可能性もあるということで、これが大きな懸念材料と言えましょう。
 
B.1.1.529はこれまでのVOC(ベータ株やデルタ株)に見つかっていた突然変異に加え、さらなる新たな突然変異も起こしていました。

突然変異は50もあり、そのうち30(報道によっては32)がSたんぱくをコードする遺伝子に集中しています。特に細胞と接触する受容体結合ドメインでは、10(報道によっては15)の突然変異がありました。

 現在のところ、このウイルスが病気の性格をどのくらい変えるかどうかは、はっきりしていません。ただ、PCRなどの検査が役に立たなくなることはないようで、これまでどおりの検査でオミクロン株のウイルス感染も発見できるでしょう(ただし、それが「オミクロンによる感染」かどうかを知るには、全ゲノム解析など追加の検査が必要ですが)。

感染性の強さやワクチンの効果への影響はまだ不明

 問題は、このウイルスがどのくらい人間の免疫システムや、ワクチンの効果を落としてしまうか、です。ここのところは、まだはっきりしていません。

 これまでのアルファ、デルタのように、感染性が高まって、より急峻(きゅうしゅん)な流行を起こす可能性も示唆されていますが、臨床データが多くないのでまだ断言はできません。遺伝子レベルの情報だけでは、現実世界に起きる現象を言い当てることはできないのです。例えば、かつてベータがすごく流行するのではないかと懸念されたことがありましたが、世界的な大流行の原因にはなりませんでした。

 現段階では、オミクロンは南アフリカの一地域で小流行を起こしたに過ぎません。とはいえ、すでに外国でもオミクロンは見つかっています。ボツワナ、香港、ベルギー、イスラエルなどでオミクロンは見つかっており、香港などでは南アフリカとのリンクが分かっています。

 一時はデルタの感染が抑えられていた南アフリカですが、11月になって新たな感染の増加が観察されました。南アフリカのゴーテンという地域では、見つかったSARS−CoV−2の90%がオミクロンだったという報道もあります。これは、実効再生産数でいえば1.93という計算になり、南アフリカのコロナの平均値(1.47)よりも上回ります。

 フィナンシャル・タイムズの記事では、オミクロンの増加スピードがグラフ化されていますが、これを見るとアルファやデルタよりも感染のスピードはとても速いようです。もっとも、コロナの感染拡大はウイルスのみならず、人の活動や行動様式にも依存しますから、現段階では、まだこの変異株の特徴がはっきり分かったわけではありません。

南アフリカ 2割程度しかないワクチン接種率

 南アフリカでのコロナワクチン接種率は低いです。
必要なワクチンすべてを打った(fully vaccinated)人は、二十数%程度しかありません。

その多くがファイザー・ビオンテックのメッセンジャーRNAワクチンと、ベクターウイルスを使ったジョンソン&ジョンソンのワクチンのようです。
どちらのワクチンも新型コロナ予防には有用なことが分かっていて、米国などで使われていますから、いわゆる「質の低いワクチン」が今回の問題に関与している可能性は低いでしょう。

 が、前述のように、これがオミクロンにどのくらい効果があるかは分かりません。いずれにしても、2割ちょっとの接種率では、流行を阻止する力としては不十分でしょう。

 オミクロンに対して、既存のコロナワクチンでは対応できず、新しいワクチンを作らねばならないのか、ここははっきり分かっているわけではありません。
開発・製造のスピードが速いメッセンジャーRNAワクチンを開発したファイザー・ビオンテック、モデルナは、オミクロンにフィットした新しいワクチンの開発には100日程度かかると述べています。

 また、現在、軽症者や無症候者などに用いられている抗体療法も基本的にはワクチンと同様のメカニズムで作用する薬です。こうした治療薬の効果が弱まったりしないかも、懸念材料です。

日本への持ち込みを防ぐことができるか?

 ぼくは、オミクロンの問題は以下のようにまとめられると思います。

 1.オミクロンというVOCが感染スピードの速い、アルファやデルタ以上の流行を起こす変異株なのか。
 2.南アフリカでの流行を抑え込み、世界各国への広がりを防げるか。
 3.日本への持ち込みを防ぐことができるか。
 4.既存のコロナワクチンや治療薬は有効か。
 5.もし、既存のコロナワクチンが無効、あるいは効果が弱い場合、新しいワクチンの開発、製造、そしてワクチンの「一からの打ち直し」が必要か。

 いずれも、まだはっきり分かっていない命題ばかりです。すべて解明しなければならない命題でもあります。

水際作戦には二段構えが必要

 特に、3。日本はこれまでアルファとデルタの国内流入とその流行を止めることができませんでした。

 その理由はいくつかあるでしょうが、ぼくの私見では、日本が「水際作戦」にこだわりすぎて、それが失敗したときの国内での流行抑え込みの作戦、いわゆる第一の策が破れたときのプランBがなかったためだと思います。

 今のままだと、オミクロンでも同じことが起きるように思いますから、政府と関係諸氏はなんとか考え方、作戦を変えて「オミクロンを持ち込まない。たとえ、持ち込んでも小流行で抑え込む」という二段構えの作戦を取るべきだと思います。

 オミクロンが世界規模の大問題を起こすのか、それとも、大騒ぎをした割には、案外、大したことなくて、すぐに収束する問題なのかは分かりません。

 もっとも、こういうときは「最悪の事態」を想定して対応するのがプロの定石ですから、さしあたりは「最悪の事態」を前提とした対応が必要でしょう。ニューヨークでは株価が下落したりしていますから、あまり大騒ぎしすぎるのも問題なのでは、ありますが。

自国の利益優先の態度が巡り巡って脅威に

 それにしても。新たな変異株は、コロナの感染が激しいところで発生する傾向にあります。アルファ株の時はイギリス、デルタ株はインドでした。

 現在、コロナワクチンのブースター接種が各国で行われていますが、これはいわば、ワクチンへのアクセスの悪い国を無視した態度であり、WHOもそのことを問題視しています。しかし、米国や英国などでは「自国民の安全が優先」と3回目のブースターワクチンを確保、提供してきました。日本も同様のプランです。

 が、そうやって、基本的なワクチンすらまだ提供されていない国でコロナが流行し、変異株が生まれる。その変異株が結局、米国などワクチン普及国にとっても脅威となる。

 我々人間は、広い視野で理性的な判断ができているでしょうか。それとも、短期的な利益や自国民の利益を優先するあまり、結局その人たち自身にとっても、損な決断をしていないでしょうか。よくよく考えてみるべき問題だと思います。(岩田健太郎 感染症内科医)

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コロナ変異株 ワクチン 新型コロナウイルス 南アフリカ WHO

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