出版大手「薫風社」で、カルチャー誌の編集長を務める速水輝也。笑顔とユーモア、ウィットに富んだ会話で周囲を魅了する男だ。ある夜、上司から廃刊の可能性を匂わされたことを機に組織に翻弄されていく。社内抗争、大物作家の大型連載、企業タイアップ…。飄々とした「笑顔」の裏で、次第に「別の顔」が浮かび上がり―。
今公開中の「罪の声」の原作者塩田武士の作品です。実はこの作品も映画化され今年6月に公開予定でしたがどうやら来年になりそうです。
大泉洋を主役としてのあてがきで作られた物語です。なので当然のように主人公の顔は大泉洋歯科浮かびません(笑)もちろん作者は読者にそう読んでもらうために書いているわけで。あてがきといえば、伊坂幸太郎が濱田岳をモデルにして何作か書いていますね。印象に残っているのは「ゴールデンスランバー」のキルオです。
「罪の声」もこの「騙し絵の牙」も、量が多すぎるのと、章が長くて寝る前に布団の中で読むのには少々しんどいんですね。もう少し読みやすく章立てしてくれたほうがいいな。
出版業界の裏話的な内容ですが、私はやはり読み物は紙媒体で読みたいので、ネットが普及してからの出版業界の斜陽にはめちゃ寂しいものがあります。毎月行っている資源ごみ回収でも新聞はもとより、雑誌など殆ど出てきません。子どもたちは「ジャンプ」すら読まなくなったのだと思います。
私は本屋さんに一年間だけ勤めた経験もあり(35年以上昔ですが)やはり紙媒体の本が大好きなので、このお話も少々寂しい思いをして読んでました。