1995年、東京。優秀な科学者の青年・高倉宗一郎は、亡き養父・松下の会社でロボット開発の研究に没頭していた。自分を慕う松下の娘・璃子や愛猫のピートに囲まれ、穏やかで充実した日々を送る宗一郎。ところがある日、信じていた人に裏切られ、会社も研究成果もすべて失った上、冷凍睡眠で未来へ送られてしまう。30年後の2025年に目を覚ました彼は、璃子が謎の死を遂げ、すでにこの世にいないことを知る。やがて、この30年間に起こったことを調べ始め、思いもよらぬ事実に辿り着く宗一郎だったが…。
映画館 ★★★☆
この映画の原作は65年も前に発表されたロバート・A・ハインラインの不朽の名作「夏への扉」で、この作品は発表後のいろいろなSF映画に影響を与えていますが、実は映画化はこの日本作品が初めてということで、ひょっとしたらハリウッドの大手映画会社は「アンタッチャブル」な作品なのかもしれません。。。いい意味でね。
冒頭での主人公の不幸な生い立ちにはおもわず「そりゃないやろ?」って突っ込みましたが、映画ってこれくらい「嘘」がなければ面白くないわけで。そんな事を言ったらSF作品が嘘の塊ってことだし。「コールドスリープ」なんて概念はもう随分昔からあるわけで、SFの世界では「タイムマシン」「ワープ」や「パラレルワールド」などとともに「現実」だという認識です。ここはツッコミどころにしてはいけません。浦島太郎も一種のコールドスリープ?(笑)
主演の山崎賢人と清原果耶ももちろんいいのですが、敵役の夏菜や「A.I.」でのジュード・ロウを思い出させる藤木直人の演技が良かったのもこの映画の評価を高めていますね。
山下達郎の「夏への扉」の歌詞(作詞は吉田美奈子)を確認すると、まさにこの原作へオマージュを捧げていますね。
私の「夏への扉」がめちゃめちゃにされているかも・・・と思って。
でも思いのほか原作に忠実だったし、
現代的にラストも良い感じに変えられていたし、
良かった!という感想です。
達郎さんの「夏への扉」を頭の中で鳴り響かせながら見ちゃいました。
本当に、なぜハリウッドでの映画化が無いのでしょうね。
ところで、コメントいただいていてありがとうございます。
本当に藤木直人の演技がすごく良かったですよね。
ピートは何匹いたんでしょうね。
羊毛フェルトで作られたピートもいたそうですが(笑)
実は悪女役の夏菜が一番気に入ってたりします(爆)