借金のために芸者に売られようとする姉の薫を救おうと、初年兵の溝口が脱走するが故郷で逮捕され、揉み合った上司を誤って殺害したため射殺されてしまった。隊長の宮城は父に金を用立ててもらい、香典として千円を薫に渡す。東京では五・一五事件が発生し、部下から脱走兵を出した宮城は罰として朝鮮の前線に送られた。現地で宴に招待された宮城は、そこで芸者となった薫と再会。第一連隊に配属となった宮城は、薫とともに東京に戻るのだった。しかし時代は昭和維新に向かって着実に歩を進めていた。
日映専 ★★★
昨日は2月26日。この「動乱」は1936年(昭和11年)2月26日に起こった皇道派の影響を受けた陸軍青年将校らが1,483名の下士官・兵を率いて起こした日本のクーデター未遂事件、いわゆる「二・二六事件」をラストシーンとしています。
公開されたのは私が20歳の1980年。高倉健(当時48歳)と吉永小百合(当時34歳)が初めて共演するということが話題の大作です。ただ、どうして515や226が行われたかという点が、「皆さんご存知でしょ?」的な感じで省かれているので、その重さや必要性を感じないままでした。
また、この映画が公開された1980年は二・二六事件から44年しか経っていないために、まだ関係者が存命だったこともあって(有名な話では人間国宝だった故柳家小さんは反乱部隊の機関銃兵として二・二六事件に参加したそうです)随分カットされたそうです。