発達障害・知的障害の生徒様の個性と可能性を伸ばす

2808.~発語<理解~

2808.~発語<理解~
「知的障害・発達障害をもつ生徒さんの 個性と可能性を伸ばす!」: 造形リトミック・発達支援教室 Elephas(エレファース)</a>


 発達支援教室エレファースでは、療育の毎日のようすをエレファースブログでご紹介しています。
 それを広く皆さまと共有できますように、本ブログでは Elephasブログにワンポイントメッセージを加えさせていただいています。

 ・・・・明るく、楽しく、さわやかに・・・
   日々を大切に過ごすためのささやかな糧となればと思います。


  ~今日のElephasブログ:「パパ、ママ」(4月12日)~

おはようございます。津田沼教室の堀です。

教室に年長から通っている小学1年生Rちゃんに、
先月初めてはっきりとした発語がありました。

それは、お雛様の工作の時でした。
作っている途中で、男雛を指して「パパ」、女雛を指し「ママ」と言ったのです。
これまでも、「わんわん」は言えていましたが、他の言葉は音のニュアンスのような感じでした。

しかし、最近はしっかりと意思疎通ができるようになり、授業をとても楽しめるようになっていました。
そうした変化の中、その日の「パパ」「ママ」はハッキリとした発音で明確な意図を感じました。
その発語に感動し、対象物に名前を付け、ハッキリとした発音だったことを親御さんと喜びました。
が、今一度そのことをゆっくり考えて改めて驚き感動しています。

彼女の言った「パパ」「ママ」は、パパやママ本人に向けて言った言葉では無いので、
正解では無いとも言えます。
でも、そこにはパパは男の人、ママは女の人…ペアになっている2人はパパとママ。
髪が長いのが女の人、ママと置き換えることが出来る…、
といった様々な理解があって発せらせた言葉だったと考えられます。

1つの言葉の持つ意味がとても広く、その曖昧さを考えると、
私たちは日々すごいことをしているのだと改めて思うのです。
逆にその複雑さを理解した時、単一の言葉を理解し発するのはとても大変なことだとわかります。

Rちゃんの発語も、たくさんの対話を重ねて言葉の栄養を蓄えて発せられた言葉だったのですね。
これから、Rちゃんの世界が広がっていくのが本当に楽しみです。
新しい学年ですね。ますます元気に成長されますように。

発達支援教室Elephas(エレファース)http://www.zoukei-rythmique.jp</a

 


◇ワンポイント・メッセージ◇

Rちゃんの言語理解は、記号の理解から意味の理解、概念化へと至っていますね。
すばらしい成長です。

「パパ」「ママ」の記号的理解とは、固有名詞的な理解です。
Aくん、Bくん、Rちゃん、…、と同格で、いわば、パパくん、ママちゃん、といった捉え方です。
その後の意味理解から概念化へのプロセスは、スペクトル的に連続体として深化していきます。

初めは記号としての固有名詞も、やがてその一人一人の特徴や個性、発語者との関係性が伴われて
意味成してくるように、意味はやがて概念となり、普遍的なものとなっていきます。

Rちゃんはその初めの段階。目の前の対象(この場合はお雛さま)に、自己と自己にまつわる関係性を
投影することができてきているのです。子どもの遊びの発達では、それがごっこ遊びであり、
お話への感情移入や自己投影です。

Rちゃんは、発語に比べ理解の発達が大きいことが分かります。
私たちは、そのことに気づいてRちゃんに働きかけていってあげたいものですね。

・・・男雛を指して「パパ」、女雛を指し「ママ」と言った、
そのことの気づきの意味はとても大きいのです。

 

造形リトミック研究所
発達障害 知的障害 Elephas/エレファース
公式サイト http://www.zoukei-rythmique.jp/</a>

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