「知的障害児者、発達障害児者 個性と可能性を伸ばす!」: 造形リトミック教育研究所
宿題を渡すときに、いつも親御さんに申します、「分からないところがあったらそのまま持ってきて下さい。決して叱らないでくださいね」。
宿題に限らず、家庭学習のコツ:
・分からなくても叱らない
・分からなかったら、答を見て書かせる
・分からなかったら、教えてあげる
こんなやり方だと学習についていけません、と思われるかもしれません。
普通学級ではどんどん先に進んでしまうんですよ、と思われるかもしれません。
甘やかしていると他の生活までわがままになります、と思われるかもしれません。
しかし、そんなことはありません。教育においては「急がば回れ」ということが功を奏すことがあります。叱りながらやらせても、何ひとついいことはありません。つい先日、ひとりの小6の生徒さんと国語の学習をしながら、「ずい分じっくり取り組めるようになったな・・・」と思いました。
その日は、ふだんより少し事細かに語彙の意味に触れてみました、
「暖冬って何?」「暖かい冬」、「そうだね」
「じゃあ、自らは?」「自分から」、「うーん、そうだね」
「じゃあ、長男は?」「長い男の子」、お互いに笑い。自分でも変だと思ったのでしょう。
「○○くんは、長男だけど、長い男の子?」・・・また笑い。
それから、図を描きながら長男・次男・三男、長女・・・の説明をしたり。一人っ子のこの生徒さんにはイメージしにくいところもあったので、お母さんの兄弟のことを尋ねてみたり。でも、よくわからない様子。そこで、
「○○くんには、おじさんっている?」「・・・?」
「○○くんには、おばさんっている?」「・・・?」
「おばさん? あの60才くらいの人がおばさんかな?」「・・・それは、おばあちゃんでしょ・・」
しだいに、おばあちゃんとおばさんとが混乱してきます。
幼児期から、語彙数の少ないことが気になり、言葉による表現や理解に問題を持つ生徒さんです。今でも時折、こんなふうに当然分かっているかなと思われるところが未獲得であったり、文意の通じにくいところがあります。でも、教室でもご家庭でも叱らずに穏やかに学習に取り組ませてきましたから、言語のハンディを有しながらも、小6の課題に取り組めています。
しかも、決して投げやりになることなくイライラすることもなく・事細かに問われても、むしろ自分なりに一生懸命に考えようとする姿勢があります。「しらない」「わからない」と片付けてしまうことはありません。
叱らない教育がいかに大切であり、子どもを育て伸ばすか。この態勢はやはり、間違えではないと改めて感じ、気持ちをまた少し強くしています。
造形リトミック教育研究所
>>ホームページ http://www.zoukei-rythmique.jp/
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