発達障害・知的障害の生徒様の個性と可能性を伸ばす

328.Aちゃんのスケッチブック

328.Aちゃんのスケッチブック
「知的障害児者、発達障害児者 個性と可能性を伸ばす!」: 造形リトミック教育研究所

 教室の大切な生徒さんのひとり、Aちゃん(小学4年生)が急性脳症で天に召されました。突然の訃報に、私たちも言葉を失いました。なんとも、悲しいことです。講師が、お母さまと電話で少しお話しさせていただきましたが、、涙声の中からいくつかの言葉が聞き取れるだけでした、とのことです。ご両親のお悲しみはいかばかりかと、悲しみをあらたにします。

 そんな中でも、「(教室に置いてある)Aのスケッチブックをいただきに伺います」とお母さまはおっしゃっておられたそうです。教室で毎月、その月におけいこした絵を描きとめていっているスケッチブックです。7月6日の教室ブログは、ちょうどAちゃんのこんなお話でした・・・、

「教室では、月末にその月のテーマの絵をスケッチブックに描いて残しています。ひと月取り組んだテーマの仕上げです。Aちゃんはこのスケッチブックを出すと、1枚1枚めくりながら熱心に見ます。私が”おしまいね”と言って閉じると、
やっと手を離してくれるくらいです。その描きためたスケッチブックもいっぱいになって、家に持って帰りました。

 家ではお母さんと一緒に見て、普段はAちゃんの手の届かないところに隠しておくそうです。が、ある時、置き場所に気がついたAちゃんは、その前から動かなかったそうです。自分の描いたスケッチブックを見るのが大好きなAちゃん、きっといろんなことを思ったり感じたりしながらページをめくっているんでしょうね」(F講師)

 Aちゃんがそんなに楽しんでいてくれたスケッチブック、親御さんもそれを隠しておくほど大切にしてくださっていたスケッチブック。一緒にスケッチブックをながめるひと時は、どんなにか幸せな時だったことでしょう。

 親御さんがかつてこうもおっしゃっていました、「先生にお会いするととてもうれしそうな顔をするので、授業が楽しいのだと思っています。・・・授業で造ったのがわかるのか、毎月のカレンダーを部屋に貼ってあげるとよく見ています」。お子さんの小さな表情や行動を感じとられて、本当によくお子さんの気持ちをくみ取っていらっしゃいます。まなざしのやさしさを感じます。

 ご両親のこれほどの深い愛情に包まれて育たれたAちゃん。愛されること、何より幸福なことですね・・・。今はただ、ご家族へのお慰めとAちゃんの安らかなることを心よりお祈りしています。


造形リトミック教育研究所
>>ホームページ http://www.zoukei-rythmique.jp/
>>お問い合せメール info@zoukei-rythmique.jp

なかのひと
名前:
コメント:

※文字化け等の原因になりますので顔文字の投稿はお控えください。

コメント利用規約に同意の上コメント投稿を行ってください。

 

  • Xでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

最新の画像もっと見る

最近の「追悼」カテゴリーもっと見る

最近の記事
バックナンバー
人気記事