LO(O)SE40!

緩く自由に色んな物をどんどん海に投げていく旅の始まり

11/19 写真家竹之内祐幸さんの個展とトークショーに行って来ました。

2017年11月22日 22時27分14秒 | Weblog
アルビノのカラス。

一枚目の写真。
「白いカラスは、そんな事あるわけないとかの例えに使われるんですけど、でも、いる。だから新潟まで会いに行った。」

写真家竹之内さんの写真集「The fourth wall」のbookobscura個展最終日のトークショー。 
「聞き耳の森」を一緒に作った彫刻家の土屋仁応さん、今作の編集・製作の方の3名。

最初はぎこちなさがあったものの、時間が経つにつれなごやかに。部室ぽい。部員、先輩、顧問みたいな感じでした。
ポツポツ、言葉をこぼすようにお話しされるのですが、それが冒頭の言葉のように刺さってくる。

都会の中の自然。害獣といわれるもの。そういうものに惹かれるという竹之内さん。
写真は街の一角、ネズミや鳥、蜘蛛の巣、造花、枯れた花など、誰もが見て通りすぎるものばかりですが、それらを通りすぎる事が出来ない人なんだな、と思います。
竹之内さんのカメラを通すと「忌むべきもの」として目をそらしてしまうものから余計なフィルターや先入観を取り払って「等しく存在するもの」に変わる気がする。
ただ、ある。私も彼らもただ、いるように。

「たまたま奇蹟的な瞬間が訪れたのではなく、いつでも、誰の回りにも奇蹟はあるんですよ。」
というような事を仰ってて、本当にそうだよなあ、と思いました。

素敵な本屋さんで、満員の客席の雰囲気も暖かく、美味しいコーヒーを飲みながら写真を見て、お話を聞いて、この時間だって奇蹟だ。

タイトルのThe fourth wall(第4の壁)というのは演劇用語で第1~3の壁がステージの両側面と背面で、ステージと客席の間にある見えない壁の事、だそうです。
しっくり。
無いけどある。あるけど見えない。でも確実に存在している。
それを取り払うわけでも、否定するでもなく、竹之内的な視点を提案してもらってる感じ。

写真集が出来上がるまでの苦労話?も聞けて、これから写真集や画集を手に取る時にまた違った楽しみが増えたような。
丁々発止な事も綺麗事ですまない事も多々あるんだろうけど、好きなものを世に送り出すためだけにあーでもない、こーでもないとやっている人達がいて、こうして手に取れるというのは幸せな事なんだなと思います。

終了後サインもいただいて、更に宝物が増えた感じ。
宝物といえど飾り置いたりせず、ソファーや枕元やふっと手に取れる場所に置いて、ちょっと息苦しいとかちょっと無力感に襲われたりとか、そんな時にパラパラめくってスッとするような実用書としてガンガンお付き合いいただこうと思っています。

東麻布のPGIというギャラリーでは12月22日まで写真展が開催されているそうなので、そちらも行ってみたいと思います。

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