一級建築士事務所 サトウ工務店

自然素材を使い省エネと快適性をデザインする 新潟の家

間取りと構造の関係

2012年09月21日 | 石上のゼロエネハウス

「石上のゼロエネハウス」の配筋検査がありました。 長期優良住宅ですので、耐震等級2クリアの基礎です。

柱状改良により支持力を50KN/㎡まで補強してありますので、一般的な2尺の布基礎でクリアできます。

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もちろん、人通口など立上り部分がカットされた部分には、しっかりとした補強が必要になってきます。

そして今回は、布基礎では珍しいベースと立上りの一体打ちです。 一体打ちはベタ基礎では当たり前になってきていますが、布基礎ではマレの様です。

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また、基礎にとって、配筋やコンクリート強度などがとても重要なのは皆さんご存じだと思いますが、以外と見過ごされているのが平面上の形状です。

立上りや地中梁が途切れていないか? きれいにグリッドが通っているか? など、「区画」の考え方がとても重要です。

あやしいベタ基礎も多く見かけますが、いくらベタ基礎工法で、緻密な配筋、高強度なコンクリートだとしても、この区画がシッカリ計画されていないと意味がありません。

間取り重視で設計した場合、壁の位置に細かな間崩れなどができるので、基礎が込みあった複雑な形状で通りが悪いものになったり、立上りが途切れ途切れでつながりのないものになったりします。

構造計算を自社でしている会社は、それなりに区画を意識した間取りの住宅を設計すると思いますので、整然とした基礎になり安全性が高いはずです。 

基礎の上に組み上がる木軸も基礎と同様です。 複雑で間が崩れていたり、1階と2階の壁の位置が大きく異なったりしている建物は、構造の耐力が確保出来にくくなります。

そして実は、この構造計画自体が間違っていないかどうか?は、今回の様な瑕疵担保の検査ではチェックされません。 あくまでも設計を行った建築士の責任になります。

キチンと間違えのない構造計算がされているかどうか?は、第三者機関などに依頼して審査をしてもらうしかありません。

特にバランスの悪そうな間取りや、経験の浅い建築士の設計でしたら、是非 長期優良住宅、フラット35S、性能表示などを利用し検査機関の審査を受けておくべきです。

間取りも大切ですが、まずはご家族を守る安全な構造がなくては、住まいにとって一番大切な役割が果たせません

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