感じるままに、大野智語り

『魔王』で成瀬領に心を奪われ、嵐の大野くんに堕ちました。大野くんについて、あれこれと綴っていきます。

ネズミ

2010-01-11 20:14:16 | 大野くんに演じてほしい
大野くんの演技を見たら、書きたくなりました。
大野くんに演じてほしい第2弾です。
これは、『魔王』のHPにもDさんのお庭にも書き込んだ事があるので、
もしかしたらご存知の方もいらっしゃるかもしれませんね。


『No.6』あさのあつこ著

近未来の地球、大規模な戦争と環境破壊で人間の住める所がほとんどなくなってしまった。
そこで、少しでも環境のよいところ6カ所に、徹底的に管理された理想的な都市を作ることに…
そのひとつ、No.6で生まれた紫苑(男です)は、幼少の頃のテストにより超エリートに認定され、
何不自由なく暮らし、エリート教育を受けていた。
そんな紫苑の部屋に、銃に撃たれ弱り切った少年ネズミが転がり込んでくる。
紫苑は彼の治療をし、かくまい、逃がしてしまう。

そして4年後、紫苑が無実の殺人罪で連行されそうになったとき、ネズミが助けに現れる。
ネズミとともに、N0.6の外に逃げた紫苑、ふたりはネズミの家で一緒に暮らし始め、
紫苑は、理想都市No.6の矛盾に気づき始める。
紫苑の親友の女の子が、No.6の矯正施設に捕われたことから、ふたりは死を覚悟しつつも救出に向かう。

この紫苑が、最初の出会いからずっとネズミに惹かれ続けて、
それが、友情でもなく、どちらかといえば恋愛に近いような…その微妙な心情もおもしろい。

で、ネズミですが、暗い過去を持ち、No.6の外、西地区という貧しく、生きるためなら何でもありな
薄汚れた街でしたたかに生きてる少年なんですけど、描写がね、これを大野くんが演じたらと思わせるんです。
少しだけ抜粋します。

「小さな劇場の舞台に立つネズミは、観客に、その日暮らしのわずかな糧の中から、腹の足しにならない舞台を観るために金を支払わせる。…払ってもいいと思わせるだけの美貌と深く美しい声をしていた。死にきれない魂を安らげ、肉体から遊離させる声。男とも女とも、人とも妖しとも、神とも魔とも、しかとは判別できない容姿。」

「不思議な声だった。風に似ている、風が花を散らすように、あいつの歌は魂をさらっていくのだとイヌカシが形容したとおり、心が包まれ、魂が誘われる。」

「ネズミの指が、地図の上をすっとなでる。何でもない動作なのに、優美だ。洗練され計算され見られていることを前提にした動き。」

「光沢のある濃い灰色の瞳は、いつも生き生きと輝き、美しい。そのくせ、一欠けらの感情も滲ませないのだ。」

「口調が変わる。仄かに柔らかみを帯びて響く。とても美しい声だった。どう美しいのか、紫苑には言い表せない。言葉にはできないけれど、静かに沁みてくる心地よさは感じとれる。」


紫苑とネズミは12歳で出会い、16歳で再会するので、実際に演じるのは、難しいでしょうけど、
本を読みながら、ネズミの描写に若き日の大野くんを重ねるだけで楽しめると思います。
紫苑を誰に演じてもらうか考えるのもおもしろいし…。
紫苑も最初の素直で疑う事を知らないお坊ちゃんから、だんだん本性が現れてきて、
そのうえ、直裁に愛を伝えるもんだから、ネズミをとまどわせるの。

現在8巻まで出ていて、まだ完結してないです。そろそろ終わりそうだけど。