「釣った魚に餌はやらない」散財日記

本、ゲーム、CD、DVD等の購入日記。雑食ですがBLと少女漫画が中心傾向。感想はネタバレまじりが多く、たまに長めです。

別マ2014年10月号購入その1(「君に届け」episode93途中までネタばれあり)

2014年09月13日 19時19分57秒 | 雑誌
本日のお買い物
・別冊マーガレット '2014 10月号



君に届け。



夕暮れ時、重い空模様。
やのちんは肩を落とし、下を向きながらとぼとぼ歩いていた。

「だってオレ 本気だもん あやねちゃんに」

ベッドの上、至近距離でケントに訊かれた。
「オレのこと少しでも 頭にあった?」


『冗談で かわして
 どこかで ケントは傷つかないと思ってた?』

「傷つくよ───」


『いつも 笑ってくれてたから』

「あやねちゃん!」


いつも笑顔だったケントを思い出し、やのちんはますますうつむく。

『ケントが本気なのはわかってた
 いつも 本気をぶつけてくれたから』

いつも目一杯で、やのちんへの想いを現していた。
それなのに───。

『ひどい
 ひどい事した ひどい事した

 ケントの本気を冗談でかわして
 大事なことは 肯定もできない

 あたし 本気じゃない?
 本気じゃなかった?』

ついに、空から雨がポツポツ降り出した。
やのちんは唇を引き結ぶ───。

『あたしはいつも 本気じゃない』



ザーザーと雨が降る。
コンビニから出たピンは、ちっと舌打ちしながら傘を広げる。

と、その時。
店の前で、服も髪もずぶ濡れになった女の姿を見た!

悪霊かと思ったピンは、ビクっと大きく慄き、
ガクガク震えながら「悪霊たいさんたいさん」と唱えるが───。

「…ん」
ふと気づく、制服とその人物。

「ただの矢野じゃねーかよ!!!」

ドキドキと無駄に驚いた分だけ大声になるピン。

しかし常ならば、ピンへ文句を言い連ねるだろうやのちんは、
ただ、ピンの方に視線を向けただけで口を開かなかった。
ずぶ濡れの髪も顔も服も、やのちんは拭おうともしていない。

しかし、やのちんはピンを見て、わずかに眉を寄せた。

「~~~~~~………」

     『なんで 今 このタイミングで──────』

「……… 何やってんだ? おまえ」

     『…こいつなの────……』

問われてもやのちんは答えない。
視線をピンから足元へと移す。

「……… カゼひくぞ」

濡れネズミのやのちんは動かない。

「早く家帰れ」
「~~~~うるさいなあ!!
 自分のへやに いたくない時だってあんの!!
 
ほっといてよ!! ……ほっといて………

激高したように声を上げ、
それを悔いたように小声になったやのちん。

ピンは一呼吸ほどやのちんを眺めると、
踵を返してコンビニの中へ戻っていった。

自分で「ほっといて」と言ったはずのやのちんだが、
ピンが自分に向けた背中に、頼りない表情になる。
やるせない顔で、やのちんはうつむく───。

が、ピンがすぐにコンビニから出て来た。

ズンズンとやのちんに近づくとやのちんの頭にタオルを被せ、
がしがしがしっと手荒くやのちんの水気を拭った。

わっ… ちょ」
しかも。

「!」

ば さ っ っ

「なっ… 何!?」
「これでもかぶっとけ!! ほら空気穴!!
「やだー何コレ! …ゴミ袋!?」

ピンはやのちんの頭にあるタオルの上から、透明なゴミ袋を被せた!

     「ちょっと! とってよ!!
      なんで袋よ!! そこコンビニ!!
     「うるせー じゅーぶんだ!!」

ピンはビニールを被せられたやのちんを見つめる。

「……………………
 …なんなんだよ おまえ こないだからよ───」

ピンの言葉に、やのちんは目を見開く。
真摯に見つめる、ピンの瞳。

『………後悔してる
    後悔してる────────────』

「…………… まちがった………」

「何 真面目な顔してんの バーカ やめてよね!」


     『あんなこと 言うんじゃなかった
      あんなこと するんじゃなかった』

いいや、いっそ。

クリスマス、階段の踊り場で抱きしめられたあの時。
ケントを抱きしめ返すんじゃなく───。

     『最初から───
      受け入れるんじゃなかった』

「………まちがった まちがってた
 どうしよう どうしよう…」

両手で顔を覆いながら、やのちんは後悔を呟く。
その頬が濡れているのは、おそらく雨だけではなく───。

「……あんたは
 …後悔することなんてないんでしょ ~~~……」

おおよそは、八つ当たりであろう一言。

だがピンは、傘を手放し、やのちんの肩をぐっと掴んだ。
そして顔を寄せ、真正面からやのちんを見据えた。

「…なめんなよ
 後悔しない奴がいると思ってんのか

 …俺はな 今 本気で全力で
 試合だの練習だのやってる奴らと一緒にいるんだ

 1つの試合に勝つために練習して
 練習しても 勝つか負けるかなんて
 やってみねーと わかんねーんだ

 そこまでやっても
 最後の試合になった時に 後悔する奴がほとんどなんだ
 後悔しないために頑張るとか思っててもな

 頑張った奴はな
 みんな 頑張った記憶の分だけ後悔があんだよ
 おまえと一緒にすんな!」

やのちんの肩を掴むピンの手に力がこもる。

「…まちがってたって なんだっていうんだ

 ちゃんと後悔しろ
 次に生かせ」

真剣に語ったピン。
たぶん、八つ当たりした自分を恥じて頬を紅潮させたやのちん。

ピンは傘を拾い上げると、
やのちんを一顧だにせずその場を立ち去った。

残されたやのちんは、その場に立ち尽くしたまま。
しばらく歩いたピンは、ちっと舌打ちをし───。



ビニール越しに、空を見上げるやのちん。
ばしゃばしゃと、水たまりを蹴る2つの足音。

「あやねちゃん!」
「やのちん!!」


ビニール袋を被っていても、
なお濡れネズミなやのちんに爽子とちづが駆け寄った。
驚き、振り向くやのちん。

     「うわ 何やってんの 何 その袋!! ださっっ
     「入って入って傘!!
      とりあえずここからだとうちが近いよ!」
     「よし行こ!!」

「…………… …なんで……」

呆然と、やのちんが問う。

「え!? うちら一緒にいたんだよ 学祭のことで!
 したら なんか風早から爽に連絡いてさ!」
「あやねちゃんがここで濡れてるみたいって…」
「さっきまで降ってなかったもんなー!
 ていうか何 お金持ってないの? コンビニ前じゃん!!

やのちんはピンを思い浮かべる。
風早に連絡したのはきっと───。

「……………… なんで………
 なんで! あたしひどいのに!!」

     「いや だから…」

「…ひどいんだよ こんな風に
 してもらえる奴じゃないのに!
 ほっといても いいのに!」
「ほっとくかあ!!」

間髪入れずに、ちづが答えた。
そして、爽子も───。

「何か… あったの!?
 あやねちゃん… ………………
 
 いっつも話 聞いてくれてるの… あやねちゃんだよ!」

やのちんの頬を水滴が伝う。

     「とりあえず爽んち行こ!」
     「うんうん!」

『……どうして───……

 あたし こんな時に会える友達 他にいなかった』



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区切りが良さげなので、ひとまずここまで。
あ、ページ数も約半分だ!



別冊 マーガレット 2014年 10月号 [雑誌]
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