オニオングラタンは、時間はかかるけれど、決して難しくはない料理です。
本格的な西洋料理でありながら、本来は家庭料理だといいます。
オニオングラタンの作り方を2冊の料理本から検証しました。
「一皿の料理」 常原久彌著 (昭和49年出版 暮らしの手帳社)
常原久彌氏は、戦後、帝国ホテルの料理長を務めた西洋料理界の重鎮です。
本著は、先生の語り口調を文章にし、解りやすいプロセス写真で説明した本で、
読み始めたらやめられない、たのしくて面白い読み物となっています。
1キロの玉ねぎ(中5個)を、均等な薄いスライスにし、木べらを使ってバターで炒めます。
フライパンだと焦げやすいので、厚手の鍋が良いようです。
最初は強火で、かさが減ってきたら火を弱め、中くらいの鍋に移してさらに炒めます。
もっとかさが減ったら、さらに小さい鍋に移しあめ色になるまで、焦がさないように炒めます。
「かかりはじめは、ほかの仕事をやりながらときどきかきまぜる程度でいいのです。」
「ぺっとりとうす黄色になってきて、水気がだんだん切れて、これからが焦げ始まるのです。」
「今度は一段、火を弱くします。玉ねぎに甘味、糖分がありますし、粘りも出ますし、バタでやりますから焦げやすいのです。」
「こうなってきたら、しょっちゅうかきまぜていなければだめです。」
「まぜるというより、なべの底や、まわりを焦がさないように、こそげるようにして、まぜていきます。」
「玉ねぎは、炒めていって、あんまり黒くなってもぐあいが悪いのです。」
「キツネ色、あめ色になって、アメのかたまりのような、一つ一つは、佃煮の切りイカのようになってきます。この辺になったらやめておきます。」
ここまでが1時間程度です。
こうしてキャラメリゼした玉ねぎは、別の器に取っておいて、要るだけ使います。
玉ねぎ二分の一個が、一杯分。そして一杯分のスープの量は、器の大きさにもよりますが、約カップ一杯半です。
「ところでスープは、なんといっても一番おいしいのはコンソメスープですが、味のいい固形スープでもじゅうぶんです。」
「塩加減は、固形スープを使えば、その塩味とチーズの塩味で、たくさんだと思います。」
「スープを熱くしたら、その鍋に玉ねぎを入れて、ほぐしてから焼き鍋(耐熱の器)に入れます。」
「玉ねぎがほぐれたら、パンを浮かせます。」
「上からチーズをかけて、オーブンか天火にかけて焼きます。」
常原先生のレシピでは、パンは「薄く、せいぜい2mmくらいに切って、乾かしたロールパン。」か
同じくロールパンの薄切りを「カキ餅のように、アミの上であぶります。」とあります。
ここまでが、常原先生の本のレシピです。
Martha Stewart の"Favorite Comfort Food"は、写真が美しく、器の選び方、料理の盛り付け方など、ヴィジュアルの参考になります。
もちろん、レシピもオーセンティックで信頼できるものです。
こちらの作り方を見てみると、大体、常原先生のものと変わりありません。
玉ねぎの切り方がちょっと違うのと、ハーブ(タイム)、洋酒(ドライシェリー)、そして少量の砂糖が入っています。
フレバーと色を付けるためでしょうか。
"Cooking the onions for a very long time over very low heat mellow their flavor."
玉ねぎの甘味、風味を損なわないよう(焦がさないように)低い温度で長い時間をかけて調理すること、
"Don't stir them too often or they won't caramelize."
かといって、しょっちゅうかきまぜすぎても、うまくキャラミリゼできない、と注意点が書かれています。
要は、じっくりと時間をかけて(1時間)、あめ色になるまで炒めるということで、常原先生の見解と同じです。
厚さ1/4インチのバゲットのスライスを、トーストして浮かべ、グリュイエールチーズのシュレッドをたっぷりのせて、
チーズの表面に焼き色が付くよう、オーブンで焼き上げます。
バゲットは、厚さは好みですが、トーストして表面を固くしてスープに浮かべます。
その上のせるチーズは、溶けるチーズであれば、おろしたものでも、袋入りのシュレッドチーズでも良いと思います。
オーブンでなく、オーブントースターでも、チーズに焼き色が付けばオッケーです。
必ず、耐熱の器を使ってください。
高級な食材を使わなくてもできる、冬のご馳走、オニオングラタン。
玉ねぎ、スープ、チーズ、バゲット。
何も足さない、何も引かない。
オニオングラタンとは、そうゆう料理だと思います。
本格的な西洋料理でありながら、本来は家庭料理だといいます。
オニオングラタンの作り方を2冊の料理本から検証しました。
「一皿の料理」 常原久彌著 (昭和49年出版 暮らしの手帳社)
常原久彌氏は、戦後、帝国ホテルの料理長を務めた西洋料理界の重鎮です。
本著は、先生の語り口調を文章にし、解りやすいプロセス写真で説明した本で、
読み始めたらやめられない、たのしくて面白い読み物となっています。
1キロの玉ねぎ(中5個)を、均等な薄いスライスにし、木べらを使ってバターで炒めます。
フライパンだと焦げやすいので、厚手の鍋が良いようです。
最初は強火で、かさが減ってきたら火を弱め、中くらいの鍋に移してさらに炒めます。
もっとかさが減ったら、さらに小さい鍋に移しあめ色になるまで、焦がさないように炒めます。
「かかりはじめは、ほかの仕事をやりながらときどきかきまぜる程度でいいのです。」
「ぺっとりとうす黄色になってきて、水気がだんだん切れて、これからが焦げ始まるのです。」
「今度は一段、火を弱くします。玉ねぎに甘味、糖分がありますし、粘りも出ますし、バタでやりますから焦げやすいのです。」
「こうなってきたら、しょっちゅうかきまぜていなければだめです。」
「まぜるというより、なべの底や、まわりを焦がさないように、こそげるようにして、まぜていきます。」
「玉ねぎは、炒めていって、あんまり黒くなってもぐあいが悪いのです。」
「キツネ色、あめ色になって、アメのかたまりのような、一つ一つは、佃煮の切りイカのようになってきます。この辺になったらやめておきます。」
ここまでが1時間程度です。
こうしてキャラメリゼした玉ねぎは、別の器に取っておいて、要るだけ使います。
玉ねぎ二分の一個が、一杯分。そして一杯分のスープの量は、器の大きさにもよりますが、約カップ一杯半です。
「ところでスープは、なんといっても一番おいしいのはコンソメスープですが、味のいい固形スープでもじゅうぶんです。」
「塩加減は、固形スープを使えば、その塩味とチーズの塩味で、たくさんだと思います。」
「スープを熱くしたら、その鍋に玉ねぎを入れて、ほぐしてから焼き鍋(耐熱の器)に入れます。」
「玉ねぎがほぐれたら、パンを浮かせます。」
「上からチーズをかけて、オーブンか天火にかけて焼きます。」
常原先生のレシピでは、パンは「薄く、せいぜい2mmくらいに切って、乾かしたロールパン。」か
同じくロールパンの薄切りを「カキ餅のように、アミの上であぶります。」とあります。
ここまでが、常原先生の本のレシピです。
Martha Stewart の"Favorite Comfort Food"は、写真が美しく、器の選び方、料理の盛り付け方など、ヴィジュアルの参考になります。
もちろん、レシピもオーセンティックで信頼できるものです。
こちらの作り方を見てみると、大体、常原先生のものと変わりありません。
玉ねぎの切り方がちょっと違うのと、ハーブ(タイム)、洋酒(ドライシェリー)、そして少量の砂糖が入っています。
フレバーと色を付けるためでしょうか。
"Cooking the onions for a very long time over very low heat mellow their flavor."
玉ねぎの甘味、風味を損なわないよう(焦がさないように)低い温度で長い時間をかけて調理すること、
"Don't stir them too often or they won't caramelize."
かといって、しょっちゅうかきまぜすぎても、うまくキャラミリゼできない、と注意点が書かれています。
要は、じっくりと時間をかけて(1時間)、あめ色になるまで炒めるということで、常原先生の見解と同じです。
厚さ1/4インチのバゲットのスライスを、トーストして浮かべ、グリュイエールチーズのシュレッドをたっぷりのせて、
チーズの表面に焼き色が付くよう、オーブンで焼き上げます。
バゲットは、厚さは好みですが、トーストして表面を固くしてスープに浮かべます。
その上のせるチーズは、溶けるチーズであれば、おろしたものでも、袋入りのシュレッドチーズでも良いと思います。
オーブンでなく、オーブントースターでも、チーズに焼き色が付けばオッケーです。
必ず、耐熱の器を使ってください。
高級な食材を使わなくてもできる、冬のご馳走、オニオングラタン。
玉ねぎ、スープ、チーズ、バゲット。
何も足さない、何も引かない。
オニオングラタンとは、そうゆう料理だと思います。
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