もみさんの一日一冊遊書録( 2011年9月1日 スタート!: メメント・モリ ) ~たゆたえど沈まず~

年とともに人生はクロノロジー(年代記)からパースペクティブ(遠近法)になり、最後は一枚のピクチュア(絵)になる

115冊目 池上彰「そうだったのか!日本現代史」(集英社文庫;2001(2008)) 評価4

2012年01月05日 04時16分50秒 | 一日一冊読書開始
1月4日(水):

426ページ  所要時間6:50

今日から仕事始め。本を眺め読みできなくなっている。一日一冊の維持には極めてまずい傾向だ。

多少の疲れもあって、いつもほど楽しくは読めなかったが、池上さんの本はやはり読みやすい。当初、時系列に沿った網羅的な戦後史解説ををイメージしていたが全然違った。

時系列はそれなりに意識されているが、池上さんらしいテーマごとの“人物史伝”的な記述で興味を引いてくれる。   

目次:第1章 小泉内閣が生まれた。
第2章 敗戦国・日本廃墟からの再生。
第3章 自衛隊が生まれた 憲法をめぐる議論始まる。
第4章 自民党対社会党~「五五年体制」の確立。
第5章 安保条約に日本が揺れた。
第6章 総資本対総労働の戦い。
第7章 日韓条約が結ばれた。
第8章 文部省対日教組 教育をめぐって抗争が続いた。
第9章 高度経済成長 豊かな日本への歩み。
第10章 「公害」という言葉が生まれた。
第11章 沖縄は帰ってきたけれど。
第12章 学生の反乱に日本が揺れた。
第13章 日本列島改造論と田中角栄。
第14章 バブルが生まれ、はじけた。
第15章 連立政権の時代へ  

※やはり第12章から第15章が興味深い。
 *日本赤軍と連合赤軍は、幼稚さの故に余計に愚劣で許せない。
 *田中角栄は、尽きせぬ魅力を覚える。
 *バブル経済の契機が、プラザ合意後の円高対策で内需拡大のため公定歩合がかつてなく大幅に引き下げられ、銀行の利息が極端に低く抑えられたことである。銀行預金の馬鹿らしさから、土地や株などにシフトして、結果として大損を喫して人生を狂わせている人間がたくさんいるだろう。今を生きている人間は、誰ひとりとして経済から自由ではありえないことを思い知らされる。
 *連立政権の離合集散が、結局「政権交代はあったが政策転換はなかった」(田中秀征)というのも、まあ、情けないことだ。現在の民主党の政権交代の無意味さが何ら進歩していないのを考え合わせれば、もはや何をか言わんや…である。

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