もみさんの一日一冊遊書録( 2011年9月1日 スタート!: メメント・モリ ) ~たゆたえど沈まず~

年とともに人生はクロノロジー(年代記)からパースペクティブ(遠近法)になり、最後は一枚のピクチュア(絵)になる

171016 日刊ゲンダイ:安倍への怒号 立憲への熱狂 選挙の生現場と報道の落差

2017年10月17日 02時23分28秒 | 時々刻々 考える資料
10月16日(月):  
日刊ゲンダイ 文字お越し:安倍への怒号 立憲への熱狂 選挙の生現場と報道の落差   2017年10月16日      https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/215633
  1週間後に迫った10.22総選挙。本当に自民党は大勝するのか。
  大手メディアの情勢調査は「自民堅調」(朝日)、「自民単独過半数の勢い」(読売)、「自公300超うかがう」(毎日)と、どこも自民党の圧勝となっている。
  時事通信の調査では、289選挙区のうち、150以上の選挙区で「当選圏内」に入り、「優勢」55、「接戦」45となっている。選挙区だけで250まで議席を伸ばす可能性があるという。占有率は86%になる。定数176の比例区も、前回並みの68議席に迫りそうだという。合わせると318議席である。
  しかし、自民党が大勝するとはにわかに信じられない話だ。なぜなら、選挙の現場では自民党に「風」が吹いていないからだ。むしろ有権者は自民党に冷たい視線を向けている。街頭演説をしても足を止めず、ビラも受け取らない。とても圧勝しそうなムードじゃない。
  なにより、国民は安倍政権をまったく支持していない。時事通信の10月調査は、支持37%、不支持41%と、支持と不支持が再び逆転している。安倍首相が街頭に立つとヤジと怒号が飛ぶ状況である。国民から嫌われ、「ノー」を突きつけられている政権が、どうして選挙で圧勝するのか理解不能だ。
  逆に、急速に支持を拡大させているのが、自民党と真正面から対峙している「立憲民主党」である。驚くのは、枝野幸男代表が街頭に立つと、動員もしていないのに、あっという間に聴衆が集まることだ。週末の14日(土)、新宿で街頭演説した時は、なんと2500人が囲んだ。小池百合子が都知事選で戦った時よりも人数が多い。
  しかも、聴衆の熱気がハンパじゃない。枝野が「上から目線の政治を、草の根からの、国民の声に基づく政治に変えないといけない」と訴えると、大きな拍手が起き、自然に「枝野コール」が湧き上がる。自民党に対する有権者の冷たい視線とは正反対である。

■残り1週間で情勢は大きく変わる
  「自民圧勝」という大手メディアの情勢調査と、選挙の現場には大きな乖離がある。とても、自民党が300議席を奪いそうな雰囲気ではない。  投票日まであと1週間ある。これは、波乱もあるのではないか。橋本首相が退陣した98年7月の参院選も、当初、自民党は70議席を獲得すると予想されていたが、残り1週間で情勢が変わり、44議席と惨敗している。
  政治評論家の森田実氏が言う。
  「立憲民主党への支持が広がっているのは、落選覚悟で小池百合子の“踏み絵”を拒否した態度に共感したことと、安倍首相の暴走をストップさせるためには、リベラル勢力である立憲民主党を勝たせるしかないと有権者が確信しているからでしょう。心ある有権者は、安倍自民党を圧勝させたら大変なことになると強い危機感を持っている。そうした意識の高い人が、立憲民主党を応援しているのだと思う。立憲民主党には、小口の個人献金が殺到しているといいます。身銭を切って政治家を応援するのは、よほどのこと。あっと驚く選挙結果になる可能性がありますよ」
  当初、自民党を脅かすとみられた「希望の党」は完全に失速。「排除の論理」を持ち出したことで、小池代表が有権者から嫌われ、野党第1党を立憲民主党に奪われる可能性も出てきた。
  とうとう、希望の党は候補者が勝手に自分の主張を口にし始め、小池代表も慌てて自民党との連立を否定するなど支離滅裂になっている。
  選挙情勢は大きく変化している。熱狂的な「枝野コール」と、安倍政権の支持率下落を見る限り、選挙結果がどうなるか、まだまだ分からない。

解散後「モリカケ」に触れない大マスコミ
  実際、自民党は公示前の284議席から、50以上議席を減らしてもおかしくない。逆転可能の選挙区が50近くあるからだ。時事通信の情勢調査でも「当選圏内」は150に過ぎない。もし、50以上減らしたら、たとえ自公が過半数を確保しても、選挙後、安倍首相は退陣に追い込まれる可能性がある。
  それにしても、大手メディアの選挙報道はどうかしている。
  もともと10.22総選挙の争点は、モリカケ疑惑であり、解散に大義があるのかどうか、だったはずである。もし、大新聞テレビが、この2つを大々的に取り上げていたら、安倍は追い込まれていたはずだ。実際、解散直後には、自民党は大幅に議席を減らすと予測されていた。
  ところが、解散後、大手メディアは、この2つについてまったく触れなくなっている。大新聞テレビが報じないから、いつの間にか争点からも消えてしまった。結果的に安倍を助けているのは明らかだ。
  公平・中立な報道を隠れみのに、「自民堅調」などと調査結果をタレ流しているだけである。
  「大手メディアの甘い報道に安倍首相はホッとしているはずです。もし、欧米先進国で、国民に支持されていない政権が選挙で圧勝するような情勢調査が出たら、メディアは黙っていないでしょう。有権者に対して、本当にそれでいいのか、民主主義が機能していないと警告を発するはずです。まして、安倍首相は、国民のヤジを恐れて、遊説日程を直前まで明らかにしないようなトップです。平然と『自公300超うかがう』などと報じるなど考えられないことです」(政治評論家・本澤二郎氏)
  なぜか、大手メディアは、枝野代表の街頭演説に聴衆が殺到していることも伝えようとしない。安倍政権の毒が回っているのではないか。

■あと4年、安倍政権が続いたらこの国はオシマイ
  それもこれも、大新聞テレビに危機感がないからだ。
  この総選挙で自民党を圧勝させたら、安倍政権は4年後の2021年まで続くことになる。そうなったら、この国の民主主義はもう終わりだ。「戦後レジームからの脱却」を掲げる安倍が、安倍政治の総仕上げをしてくるのは間違いない。すでに「自衛隊を明記した条文を追加する」と改憲案を明らかにしている。
  「どんなに支持率が低くても、選挙に勝ったら、安倍首相が『国民に信任された』とやりたい放題やってくるのは明らかです。もちろん、“モリカケ疑惑”など過去の不祥事も帳消しになるでしょう。野党が追及しても『自分は国民に支持された』と一蹴するのは目に見えています。あと4年間、議会も暴走を止められなくなる。それどころか、希望の党と保守大連立を組む可能性さえある。恐ろしいのは、安倍首相は個人の“私的領域”や“思想信条”にまで踏み込もうとすることです。道徳を教科化し“価値観”を押しつけている。個人の価値観にまで干渉するのは、独裁者の特徴です。4年間で国民生活は相当、息苦しくなりますよ。立憲民主党が支持を拡大しているのも、多くの有権者が、安倍政治にストップをかけないと大変なことになると危機感を強めているからでしょう。10月22日の総選挙は、あとから振り返ると、歴史のターニングポイントになる可能性がある。戦後民主主義の存亡をかけた戦いになると思います。なのに、大手マスコミは、国民に比べても危機感が薄すぎます」(立正大名誉教授・金子勝氏=憲法)
  大マスコミは「自公300議席」などと報じているが、まだ選挙情勢は大きく変わる。有権者は絶対にあきらめてはダメだ。
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