もみさんの一日一冊遊書録( 2011年9月1日 スタート!: メメント・モリ ) ~たゆたえど沈まず~

年とともに人生はクロノロジー(年代記)からパースペクティブ(遠近法)になり、最後は一枚のピクチュア(絵)になる

7 064 夏目漱石「吾輩は猫である (下)」(ポケット日本文学館:1905)感想4+

2018年05月30日 23時42分16秒 | 一日一冊読書開始
5月30日(水):  

341ページ     所要時間4:20     ブックオフ105円

著者38歳(1867慶応3-1916大正5:49歳)。

後半になると登場人物も、人間関係も概略わかってきて、時間をかけて読むと存外面白かった。漱石の場合には、深い真理の議論が笑い話の形をとって隠されている。時を置いてもう一度読み直してみようと思う。

本書の構造はストーリー自体にあまり意味はない。どこから読んでもよいし、どこで読み終わってもよいエピソード集的な本であった。巻末の佐藤泉氏の解説がなかなか良かった。

以下、ウィキペディアを部分的に修正掲載
【構成】第1話:「吾輩」は薄暗いところで出生したが、まもなく書生に遺棄され、教師の家に住み込む。人間について車屋の黒から、わがままで不人情で泥棒も働く不徳者であると聞き知る。
第2話:家に、寒月、迷亭、東風などが訪問し、好き放題のでたらめを言う。三毛子が死去し、吾輩は恋に破れる。
第3話:金田の妻が寒月のことを訊きに来て、寒月が博士にならなければ娘の富子と結婚させないという。
第4話:鈴木が金田の意向を聞いて、寒月の様子を探りに来る。
第5話:苦沙弥宅に泥棒が入る。吾輩はネズミ取りに失敗する。
第6話:寒月、迷亭、東風による恋愛談義、女性論。
第7話:吾輩は運動し、公衆浴場をのぞき見る。
第8話:落雲館中学校生徒が苦沙弥宅の庭に野球ボールを打ち込み、苦沙弥は激高する。
第9話:痘痕面の苦沙弥、八木独仙の東洋流消極哲学に感心。逮捕された泥棒を刑事と間違い頭を下げる。
第10話:古井が金田の娘に恋文を送り、退校処分にならないかと心配して苦沙弥宅に来る。
第11話:寒月は珠磨をやめ、故郷で結婚した。独仙、苦沙弥、寒月、東風らによる夫婦論、女性論。来客が帰ったあと、吾輩は飲み残しのビールに酩酊し、水甕のなかに転落して水死する。

※下巻は第8話から第11話までであった。

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