もみさんの一日一冊遊書録( 2011年9月1日 スタート!: メメント・モリ ) ~たゆたえど沈まず~

年とともに人生はクロノロジー(年代記)からパースペクティブ(遠近法)になり、最後は一枚のピクチュア(絵)になる

4 067 平野啓一郎「「生命力」の行方 変わりゆく世界と分人主義 エッセイ&対談集」(講談社:2014) 感想3

2015年04月21日 22時38分35秒 | 一日一冊読書開始
4月21日(火):

396ページ  所要時間 3:15   図書館

著者39歳(1975生まれ)。作家。1歳の時、36歳の父が急死。

1ページ15秒読みの縁結び読書。全く歯が立たなかった。もっとも、それほど強く読みとりたいという食指が動く内容でもなかったので、こうするほか、本書とはご縁が無かったと思う。感想3は、全くもって俺の側の力量不足であって、本書に対する正当な評価ではない。じっくり面白がって読めば、4以上だろう。その時間が無いのだ。

15秒読みでも、それなりに面白いと思う瞬間や一節はあったし、付箋も少ししたが、思い出せないのが残念だ。

・偽ソフィーの選択と原発問題(大澤真幸) 136ページ
・最近、掛け値なしに感動した映画は「レ・ミゼラブル」だった。 189ページ
・大江健三郎の傑出した初期短編群の中でも、殊の外、「不意の唖(おし)」が好きだ。258ページ
・「かわいそうに」という憐憫は、自分たちに絶対歯向かってこない存在にしか向けられない。今の社会の偽善性をよく表しています。302ページ
・ソクラテスとナザレのイエスの描かれ方は、ある意味、よく似ています。つまり、既存の共同体の秩序を疑い、新しい価値観を提示した者が、処刑されてしまうという話です。どちらも、それに対して残された弟子たちが、自分の先生の価値観の方が正しいはずだと筆を執ることが始まりです。354ページ 
(この発想は、俺も20代から持っている。俺の場合、この二人にさらに、最澄と吉田松陰を加えて、昔よく論じたものである。もみ)

・確かに、時間間隔の中にこそ死の恐怖があるというのは、すごくよくわかるんです。意識も何も無くなったあと、時間だけが永遠に経ってる状態は想像すると怖い。387ページ

※講談社サイトから:
複雑化する現代社会で「生きづらさ」を抱える人々に、新しい人間観「分人主義」を提示して大きな反響を集めた作家・平野啓一郎。7年ぶりのエッセイ&対談集となる本書では、同時代の政治・経済・社会から文学・アート・エンタテインメントまで、多様な現実の事象を読み解く評論エッセイ、および各ジャンルの第一人者との対話を併せて収録。いわば平野自身による「分人主義」実践篇であり、様々な場面で、様々な視点で、様々な人と共に「今」を考え、未来へのヒントを提供する、待望の一冊。
【エッセイ内容】 アバター、AKB、キャプテン翼、マイケル・ジャクソン、ファスト・ファッション、熟年離婚、ゴミ御殿、ジャレド・ダイアモンド、「英霊」、震災、監視社会、携帯メール、電子書籍、スノーデン情報、森村泰昌、森山大道、深澤直人、横尾忠則、三島由紀夫、田中慎弥……ほか
【対談者】 大澤真幸(社会学者)、亀山郁夫(ロシア文学者)、高橋源一郎(作家)、田中裕介(英文学者)、中島岳志(政治学者)、古井由吉(作家)、三浦雅士(文芸評論家)、森達也(作家・映画監督)

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