昨夜というよりも今朝というべきかBSで映画メトロポリスを観てしまった。
朝が起きるのがつらいのが分かっているのに、古いモノクロのサイレント映画に夢中になってしまった。今も眠い。
最初、チャプリンの作品かと思って観ていたのだが、調べて見ると、フリッツ・ラング監督によって1927年製作された無声映画の名作SFらしい。
骨格としてのテーマは科学の発達した未来社会において、上層に住む富めるものと地下に住む貧しいものとの対立というよりは対比を描いた作品なのだが、素晴らしいのはその斬新な美術性である。SFファンならそこにセンスオブワンダーが満ち満ちているのを感じるのではないか。古臭いとは微塵も感じない。完璧な巨大工作のバーチャル空間が永遠に磁力を放っている世界とでも言おうか、原石の輝きがまぶしいのだ。
最も印象に残ったのが、聖少女として登場したマリアを演じた女優がアンドロイドとして現れた時には蠱惑的で猥雑で、すさまじい迫力と魅力を発散する全く別人格の女性に変身するところで、その変貌の見事さには、驚嘆の面持ちであった。
(レディガガ顔負けのド派手なパフォーマンスにタジタジといったところである。)
こういった作品には何時遇っても捉えられてしまうだろうなという幸せな確信を持つところだ。