楽しいブログ生活

日々感じた心の軌跡と手作りの品々のコレクション

映画「20世紀少年」

2009-09-06 21:16:11 | 映画、演劇、コンサート
北島サンシャインシネマで観てきたのだけど、(余談ながら)髪の毛にまだポップコーンの匂いがしみ付いていて、あの売り場で働くお店の人たちも大変だなと妙なところで同情してしまった。
さて、映画の感想だけど、結論から言えば「是」。
原作者の浦沢直樹の作品はそうたくさん読んでる訳ではないものの「モンスター」あたりを読む限り、読者を引っ張っていく巧さの技術を持っている作家だという認識で、好きな作家です。
単にSF好きといっても、ガジェット(小道具)だけがSFっぽくて、中身にドキドキ感のまったくないエセSFには、がっかりさせられるが、浦沢直樹のSF漫画にはちゃんとその香りがあると思います。
ただ、今回はわたしは原作をまったく読んでないし、本来、ホンと映画は別物という認識なので、映画に限っての感想ですが、やはり最後の解答的メッセージのシーンが割りと拒絶感なく受け入れられ、まさかすべて「夢」で終わらせるような反則的なやり方はすまいなという危惧が拭い去られてほっとしました。
ただ、万博会場でのモブシーン(ものすごい数のエキストラ)でも終末が近づいているというのに何で緊張感がまったくないのか、、いやそれ以前のウイルスにやられる群衆にしても微塵も必死さや悲壮感が感じられない非現実性というのが、ずーっと頭の片隅に冷めた気持ちを巣くわせていて、変にレトロな町並みの再現と実際は現代よりももっと進んだ科学技術の進歩があってしかるべき2015年という年代とのギャップをも不鮮明にしている意図と併せて、不条理の感覚がついてまわりました。
でもこれが、それほどイヤじゃないんですね。
きっと、若い頃なら、きっちり張った伏線の落とし前をつけてくれと憤慨しただろうと思うのだけど、許せるんですね、解らないことに必ずしも解答が用意されていなくても。
バカバカしいほどお金をかけたであろう巨大ロボットや円盤の飛び回るシーン、物語から別個に取り出して楽しめます。
主役のひとり、カンナ役の平愛梨さん、すごく好みの顔です。
それだけで、そこにリアリティが生まれるんですね。
「オッチョ」が円盤を打ち落とすために、光子銃(っていったか?)で狙いをつけるシーンなんて、「誰が都合良くスピード落として狙いやすくなってんだよ」とか「トモダチ」とカンナの前に二つのラーメンが置かれていたけど、「トモダチ」は「マスクを取って一緒に食べるんかい」と突っ込みを入れたくなるようなフィクションならではの“笑える疑問シーン”はそこここ満載ですが。
コメント
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