小学生攻略法

このブログも10年目。久しぶりに担任復帰です。

私が、下手な書写の手本を作ってみたら授業が

2018-06-11 17:26:46 | 授業中の攻略法
私としてはとても珍しいことをしました。

書写(硬筆)の授業を前に、ちょっと時間が空いたので
「何しよっかな~ お、そうだ」
と、書写の授業で使う「お手本」を作ることにしました。
3年生に合わせて、マスが大きめの作文用紙に、最近習った漢字を使った適当な文章を書きました。
何でもデジタルで作る私としては珍しく、「手書き」で。

手書きですので、3年生向けの作文用紙とはいえ、まあまあな時間がかかりました。
そして何より「手本」にするつもりのものですから、上手な字でなくてはならないわけで、字に決して自信があるわけではない私が、本当に珍しくがんばりました。(笑)
書き終えた作品を見てみると、とても書写の教科書や達筆な先生たちのようにはいきませんでしたが、それでも「…まあまあかな」というくらいの手本にはなりました。

そして書写の時間。
「今日は書写ノートではなくて、先生が作った手本の視写をします」
印刷した用紙を配り、子どもたちが書き始めました。
すると…

カリカリ…

なんという集中力。
一切私語なし。
全員が力いっぱい視写に臨んでいるのが一瞬で分かりました。
じっくり書いては、その字に満足行かずにゴシゴシと消してはまた書き直す、そんな姿もたくさんあり。
ちなみに6時間目です。
普通、3年生ならもう体力の限界に来ていてもおかしくない時間です。
結局、その集中力は最後まで続き、多くの子は最後までたどり着かなかったのですがそれは丁寧に丁寧に書こうとし続けていた証拠でした。

私としては、恥ずかしながらこんな書写は初めてでした。
紛れもなくこれは「手書き手本」の力だと思いました。
やはり子どもたちにとって、それは
・温かみを感じられる手本
・先生の思いが伝わる手本
・デジタルや教科書よりも身近に感じられる手本
そして
・そっくりに真似したくなる手本
になりえるんだろうと感じました。
また、普段はそんなことをしない先生のものだったから、珍しく、新鮮さもあり、食いついたという一面もあったでしょう。

授業が終わり
「その手本は持ち帰っていいですよ」
と伝えると
「やった~!」
という声があがったときは、さすがに照れくさくなりました。笑
私の下手な手本がそんなに言ってもらえるなんて、教員人生で1回あるかないかの奇跡です。笑
さらに
「先生!ぼくが書いたの、今日持って帰ってもいいですか!?」
と来る子も。
丸つけは済んでいたのですが、6時間目でしたし返却は翌日かなと思っていました。
でも、あまりな勢いで来るものだから
「どうぞどうぞ」
「よっしゃ~!お母さんに見せる~」

地味な労力をかけてやる仕事にも、独特な魅力があるというのは、この職業の特徴かもしれません。

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