
【日付】2022/10/3(月)
【場所】旭岳・姿見の池園地
【天候】晴れ
【気温】13℃
【風速】2m/s
私たち旭岳自然保護監視員は、毎朝8:40便のロープウェイに乗車し、姿見駅へ向かいます。
今日は朝は曇り。しかし駅前は今日もたくさんの方で賑わっています。
特にツアーの方が何組も重なると、とっても楽しそうな声が響きます。
下山道には植物名こそわかりませんが、まるで稲穂のようになびく、イネ科もしくはカヤツリグサ科の植物が風に揺られていました。
下界でのススキを連想させます。
ダイセツタカネフキバッタです。姿見の池園地では久しぶりに見ました。体長2㎝ほどの小さなサイズ。
オスです。
昨日は休みで当麻岳に居ましたが、そこでも見られたので「大雪山が繋がっている」という当たり前のことに気付かされました。
姿見カウンターから見える当麻岳、左側の耳が山頂です。
よく散策の方に、「この花は何ですか?」と聞かれます。
これは花ではなくすでに実になったもの。シラタマノキです。
園地内、至るところで見られます。白いのでとても目を引きます。1日に何度も聞かれるのも無理はありません。
園地内、今の時期は花という花は咲いていません。木の実の季節です。
「アカモノ」という植物があるので、それと対比して「シロモノ」という別名がつけられれているようです。
以前ガイドさんが「サロンパスの匂いがする」と自身のグループの方に説明していました。
その理由は「サリチル酸メチル」。果実や葉を潰すと匂うそうです。
爽快感のある匂い、まさにサロンパスの匂いのことでしょうか。
もしくはこのおなじみののど飴の味?
効能もあって、鎮痛剤や、抗炎症作用もあるようです。
非ステロイド性抗炎症薬に使われているとのこと。そのため「湿布の木」の木とも呼ばれるそうです。
この植物は薬にもなるんですね!毎日見ているだけに驚きを隠せません。
私もアトピー性皮膚炎を持っているので、手荒れなどに悩む季節になりました。
叶うなら民間療法としてでもシラタマノキで効果があるのか、ぜひ試してみたいものですが、
ここは国立公園。動植物の採取・捕獲は禁止されています。
どこか別の場所で見つけたら実験してみようと思います。
熟した実だと甘く、アルコールに漬けて果実酒にして楽しむ人もいるようです。
参考:https://sansaibook.com/gaultheria-pyroloides/
https://www.kegg.jp/entry/dr_ja:D01087
見てもかわいい、食べても美味しい、さらに薬にもなる…
高山帯にこんなにも優秀な植物があったのですね。
まるでクラスに一人くらいいる、美人・ハンサムで文武両道な同級生ような印象に変わりました。
巡回中、姿見階段の手すりの蓋をつけ直していました。
気付いたらそのロープの外にもたくさんの実が成っていて、小さなライトが照らされているようにも見えます。
午前中は日差しが暑く感じましたが、正午をまわると霧が出て風が寒く感じられました。
明日は天気が崩れそうです。ついに旭岳が冠雪するのでしょうか。
もう旭岳では冬が始まろうとしています。ダウンジャケットや手袋など、温かい服装でお越しください。
また体が寒さで縮こまると、足首など動きが鈍くなり怪我をしやすくなります。
そんな時は暖かい飲み物を飲んだりして、展望台や駅舎の展望デッキでゆっくりと休みながら歩きましょう。
旭岳自然保護監視員:宮原
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