日本の心・さいき

日本の文化を通じて、世界平和を実現させましょう。

ある小児科医の自問自答(その2、対症療法)

2014-01-08 16:22:30 | Weblog

 解熱剤は、熱がなくても、痛い時の鎮痛剤としても使用されます(解熱鎮痛剤)。私も、鎮痛剤として、患者さんに、中耳炎などで頓服で出すことが多いのですが・・・この解熱鎮痛剤、薬店でも簡単に買えます。アメリカでは、乳幼児の風邪薬が安易に使用すると危ないとのことで、それが出来なくなっています。
 夏の暑い時の「熱中症」では、解熱剤の座薬や飲み薬何て、使いませんね。ウイルス疾患による熱でも体を濡れタオルで(氷水でなく、少し冷たくする程度で、気持ちがいい感じで)拭けばいいと思うのですが、何故か、日本の場合、解熱剤に頼ろうとする傾向にありますね・・・。
 あるバイオリニストが、風邪薬で、「スティーブンス・ジョンソン症候群」になって、視力を失ったケースがありますが・・・。
 小児科では、いちばん副作用が多い薬は、「解熱剤」と「抗生物質」となっています。解熱剤は、熱を下げるだけで、根本的な治療は出来ません。抗生物質は、ウイルスには効きませんね。
 鼻水が出て、咳が出る場合、どうしたらいいのでしょうか・・・→正解は、ケースバイケースで、これだと決めてしまうことも出来ませんね。(本当は、頻回に来院してもらって、薬の効き具合など、きめ細かく診て行くのがいいのでしょうが・・・)
 研修病院で有名なレジデントの為のマニュアル本には、次の様に記載されています。
 「6カ月未満の乳児への抗ヒスタミン薬の含まれた薬剤の投与は、呼吸抑制、意識レベルの低下をきたし、むしろ有害である。」
 「抗菌薬を使用した患者は、使用しなかった患者に比べて、気道からの耐性菌検出頻度が明らかに高い。」
 更には、「かぜは特別な薬物療法をしないことが最もよい治療法であると、述べている正書もある。」
 
 
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%B9%E3%83%86%E3%82%A3%E3%83%BC%E3%83%96%E3%83%B3%E3%82%B9%E3%83%BB%E3%82%B8%E3%83%A7%E3%83%B3%E3%82%BD%E3%83%B3%E7%97%87%E5%80%99%E7%BE%A4 

http://www.usjapanmed.com/index.php?option=com_content&view=article&id=192:upcpcsicaclic&catid=33:americanotes&Itemid=31

http://blog.m3.com/syumi-syounikai/20080316/2

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ある小児科医の自問自答(その1、解熱剤)

2014-01-08 13:02:03 | Weblog

 医療機関を受診する場合、整形外科や外科では「疼痛」が主訴で、(産)婦人科では「出血」が主訴で、そして、小児科では、「発熱」が主訴で来院するケースが多いかと思います。
 夕方から熱が上がると、少子化の時代、両親だけでなく、祖父母も、大慌てしているケースがありますが・・・ちょっと前までは、深夜の熱ぐらいでは、祖父母の知恵で慌てなかったのですが・・・(←両親よりも祖父母の方が慌てたりして・・・)?!
 熱の原因の大半はウイルスですが、時に、そうでないこともあり、直ぐに熱が下がらないと、待ちきれなくて、別のドクターにかかると言うケースも・・・。
 「掛かり付けは?」と尋ねると、(医療機関が多い所では)普段の掛かり付けは、近くの小児科で、時間外の時は、小児科医が不在なので「〇〇救急センター」で、症状がひどくて入院が必要だと思った時は、○○病院でと、3つも掛かり付けを決めているケースもあったりして・・・?!
 今の日本、多くの人が休む休日に受診しても、多くの人が眠っている深夜に受診しても、小さい子の場合、お金が無料のことが多くて、気軽に受診出来るケースもあったりして・・・?!
 何処でも、簡単に外来で、それも直ぐに、(RSウイルス、ロタウイルス、ノロウイルス、インフルエンザウイルス、アデノウイルス、マイコプラズマ、肺炎球菌、溶連菌・・・)などの検査が出来て(陰性でも陽性でも、それなりにその解釈が難しいのですが・・・)、救急をしている先生も、優しい先生が多くて、患者さんの要望によく応えてくれるし・・・?!
 現実に、日本の乳児死亡率も、新生児死亡率も、平均寿命も(健康寿命も)、世界で見るとトップレベルで(←マスコミは、ちょっと予防接種のミスがあると、新聞に大きく報道して、医師の頑張りは、あまり報道しませんが・・・!)、それも皆保険で・・・!
 ところで、ウイルスで発熱して外来を受診しても、インフルエンザとヘルペス以外では、特効薬はありません・・・時間が薬って感じになるのですが・・・まあ、多くのドクターは、解熱剤を処方しますが、時に、抗生物質も、親御さんの方から、下さいと言われることも多いのですが・・・親御さんの言われるままに処方していて、ホントにこれでいいのでしょうか・・・?!
 日本の場合、「インフルエンザ脳症」が諸外国と比較して、圧倒的に多いのですが・・・又、川崎病も多いのですが・・・昔、解熱剤は、アスピリンが安全だと言われていて、私も積極的にアスピリンを使用していましたが・・・その後、アスピリンは、インフルエンザや水痘には、ライ症候群になると言うことで使えなくなり、更に、それ以外のポンタールやボルタレンなども使えなくなり・・・今は、アセトアミノフェンが安全ではとなっていますが・・・正直、アセトアミノフェンも絶対に安全とは言えないのですが(海外では、アセトアミノフェンよりもブルフェンが使われているようですが・・・)、熱が下がらないからと言って、1日に何度も、更には、何日も上げているとなると、副作用が怖い気がしますが・・・?!
 (私なりの自分自答ですが)解熱剤(や抗生物質)を普段から安易に頻回に上げていると、自分で治そうとする力が弱くなって、その為に、インフルエンザや川崎病の時、大量のサイトカインが出されてしまって、「インフルエンザ脳症」や「川崎病」になってしまうのではないかと思っているのですが・・・?!
 日本に、何故、「インフルエンザ脳症」や「川崎病」が多いのでしょうか?・・・日本の乳幼児の場合、医療機関に掛かる回数が、他の国よりも明らかに多くなっていますが・・・?!

http://blog.m3.com/syumi-syounikai/20100417/1 

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