日本の心・さいき

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為になるかも知れない本(その25)

2007-03-11 08:34:51 | Weblog
 4月13日に入学式があった。4月20日から講義開始の予定であったが、教養部は無惨にもバリケードされ、ストライキの状態であった。その為に、1カ月遅れで講義が始まった。
 昭和55年度入学の鹿児島大学医学部(正確には、医学進学課程)の入学生は、99名であり、1クラスであった。皆、自分よりも出来る人に見えた。「又、受け直す」と言って受験雑誌を講義中に広げている人もいた。東大理Ⅰをまかり間違って落ちたとか、九大医を1点足りずに落ちたとか(ラ・サール出身の人で、九大医を合格したのに、鹿大医入ってる人もいたが)、入試の時に風邪を引いて一期に落ちた為にしかたなく来たとか、もうすぐ辞めると思いますとか、いろんな事を言っている。阪大工学部を卒業している人や、外国人もいた。女性は、7名いた。
 この様な彼等の中で留年しないでまともに卒業できるのだろうか?皆と違って暗記一本でやっと入学した自分は、将来医学を立派に修得できるのだろうか?入学当初、不安と緊張で一杯であったが、夏休み前には、そんな気持ちも完全にやわらいでいた。
 大学には、実にいろんなタイプの人がいた。特に医学部では、他の学部と比較して群を抜いている様に思えた。アルバイトに奔走している人が多く(主として家庭教師や小中学生相手の塾の先生)、中には仕送りをいっさいもらわずに、反対に正月に親のお金をあげている人もいた。東京に半年程、働きに行った人、外国の大学に講義を受けに行った人、自転車で鹿児島から稚内まで一人で日本を縦断した人、本を出版する人、作曲する人、詩を書く人、尺八を吹く人、朗読の上手な人、ピアノの上手な人(夜のクラブでバイトで演奏している人もいた)、バイオリンの上手な人、英語がペラペラな人、ロシア語研究会に入っている人、頭を坊主にしている人、サークル活動に没頭している人、ある思想にかぶれている人、学生運動に走る人、そうかと思うと、講義にも出ず、何をしているのかわからない感じでぼんやりと毎日を過ごしている人、夜になると元気になって天文館に出掛ける人、女遊びに夢中になる人、賭け事ばかりしている人、実に様々であった。

(大学入学金は、4.000円で、6カ年間の授業料は、6.000×2×6=72.000円で、県立高校授業料よりも安くてすみました。医師国家試験受験料などを含めても、総計10万円未満で済みました。)

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