<1429> 雑 炊
底冷えの 雨の町ゆく 救急車
昨日に続いて今日も冷たい雨の日で、大和は雲が垂れ込め、一日中青垣の山並も見えない鬱陶しい天気だった。こんな日は温かいものが食べたいという気分になり、昨日は牡蠣雑炊を思い巡らせたりしたが、今日の昼食に妻が雑炊を作ってくれた。牡蠣とはいかなかったが、つみれ入りで熱々を食べることが出来た。
写真はその雑炊である。多いように思われるが、これで二人前。腹八分目の量であった。雑炊と言えば、奈良には茶粥がある。一般家庭では「おかいさん」と呼んで、茶粥は朝の常食として欠かさずあったと言われる。大和ではご飯を晩に炊く家が多く、朝は冷やご飯になったため、この冷やご飯を茶粥にしたようである。木綿の茶袋に焙じた粉茶を入れて炊き出し、その冷やご飯を用いて粥にした。
最近は炊飯も電化になって、いつでも熱々のご飯が食べられるので、茶粥を常食にする家もなくなったが、今も茶粥は大和の郷土食として知られ、町中の食堂などではメニューに入れているところも見られる。とにかく、雑炊にしても茶粥にしてもあっさりとしているところがよい。
底冷えや手足におよび心にも
底冷えの腎を襲ふがごとくなり
冷えまさる心の一日 鞭を打つ
寒いねといふ言葉にも実こもる
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