<917> 春 の 序 曲
野辺の朝 スミレに ツクシに フキノトウ 春の序曲は 日差しとともに
今日は三輪山の南麓に当たる旧伊勢街道(初瀬街道)の脇本から黒崎辺りを歩いた。ついでに石垣を積み上げてつくられた棚田を山の際まで登って見た。石垣は昔の人が苦労して積み上げた様子がうかがえる。だが、半分以上は放棄地になっている。使用している田にはイノシシの被害を防ぐために周囲をトタンなどで囲ってある。深刻な状況なのだろう。柿の木の剪定に行くという籠を持った老女二人に出会った。
後継者はいるのだろうか。梅の花が盛りで、ウグイスが鳴いていた。まだ、ぎこちない鳴き声だったが、春を告げるに十分な鳴き声であった。放棄地はそのうち薮になるのだろうか。この棚田の光景は一つの象徴的光景だと思える。日本はやはり、岐路に立たされている。一つ方向にばかり向いていてはいけない。この棚田の様相はそれを訴えている。そう感じられた。
小川の畔にフキノトウが姿を見せ、神社の堤の上にはツクシが伸び上がり、石段脇の日当たりにはコスミレが咲き出ていた。天気予報は寒波が続くというが、日差しは暖かく、これらの草花を見ていると、春の序曲という言葉を思いついた。桃も桜ももうそこである。今日はそんなこんなと思い巡らしながら一時間ほど歩いた。写真は左からフキノトウ、コスミレ、ツクシ(桜井市黒崎で)。
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