<1791> 余聞・余話 「植物の分類について (3・勉強ノートより)
生きてゐるそれやその身のそれぞれにみな天地の間さまざまにあり
植物には生活形態によって区分される分類もある。ここではその形態を基準とする分類の一つである植物の休眠の型によるところの区分について見てみたいと思う。これは種子植物に関し、冬期や乾期など植物の生活不適期における休眠芽の位置により6型に分ける区分である。
1、地上植物(生育不適期に休眠芽を地上25センチ以上の高さにつける植物で、挺空植物とも言われ、以下のAからDまでの区分がある)
A、大型地上植物(大高木・30メートル以上の高さ)―――――――ー―――スギ、ユーカリ
B、中型地上植物(中高木・8メートルから30メートルの高さ)―――――-ーモミ、ブナ、トチノキ、サワグルミ
C、小型地上植物(小高木・2メートルから8メートルの高さ)――――――ーイチイ、イロハモミジ、カマツカ
D、微小型地上植物(低木・25センチから2メートルの高さ)――――――ーイヌツゲ、ヤマツツジ、ユキヤナギ
2、地表植物(生育不適期に休眠芽を地上0センチから25センチの高さにつける植物で、匍匐性の植物や矮性低木、地上部の根際が生き残る多年草など)―――――ーーー―――ーーー---------------ヤブコウジ、ツルアリドオシ、ツガザクラ、イチヤクソウ
3、半地中植物(生育不適期に休眠芽を地上茎の基部など地表面付近につける植物で、休眠芽は普通薄い土や落葉に被われる。温帯や寒帯に多く見られる)―――――――――――――――――――――フタバアオイ、オオバコ、オミナエシ
4、地中植物(生育不適期に休眠芽を地表から離れた地下茎につける植物で、半地中植物よりも乾燥に耐えうるので長期の乾期にある地域に多く見られる)―――――――――――――――ー ――――――カラスウリ、リンドウ、ツリガネニンジン、マムシグサ
5、水生植物(生育不適期に休眠芽を水底下の地下茎につける湿生植物と水中の茎につける水中植物に分けられる。水湿生植物とも呼ばれることもある)―――――――――――――――――――――ーー前者の例はコウホネ、アギナシ、ハス、オモダカ、ヨシ。後者の例はタヌキモ。
6、1年生植物(生育不適期を種子で過し、発芽から結実までの生活史を1年以内に終える植物で、夏を種子で過ごす冬型1年草と冬を種子で過ごす夏型1年草がある)―――――――――――――――――-センブリ、ナギナタコウジュ、ママコナ、ハコベ、ハルリンドウ
植物の生活形態の休眠芽の状態でみると、以上のごとくに分類される。写真は左から地上植物のトチノキ、地表植物のイチヤクソウ、半地中植物のフタバアオイ、地中植物のリンドウ、水生植物のアギナシとタヌキモ、1年生植物のナギナタコウジュ。
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