大和だより ~写詩 写歌 写俳~ 小筥集

日ごろ撮影した写真に詩、短歌、俳句とともに短いコメント(短文)を添えてお送りする「大和だより」の小筥集です。

大和だより ~写詩 写歌 写俳~ 小筥集

2014年11月02日 | 写詩・写歌・写俳

<1155> サザンカの花

       山茶花の花咲く子らの通り道

 大和平野は稲刈りがほぼ終わり、今まさに晩秋の佇まいである。このところ天気が思わしくないが、気温的には今が一番体に馴染んでいい季節と言える。燕が去って、紅葉が照り、立冬を過ぎ、朝の冷え込むようになると鴨が訪れ水辺をにぎやかにする。今日はサザンカの咲き始めの花を見た。蕾がいっぱい膨らみ、これから冬にかけて花は増えて行く。咲き始めたのは赤い花でなく、白い花である。

              

ツバキ科のサザンカは常緑高木で、自生するものは山口県以西に見られるという。民家の庭や公園などに多く植えられ、生垣にもされている冬場の花木である。園芸種では赤い花が主流で、自生するものは白い一重の花が特徴で、ツバキとの交配種も見られる。春に咲くツバキに対し、サザンカは冬を彩る花で、晩秋のころから見られる。

 サザンカは山茶花と書くが、これは中国でツバキを山茶花と言い、サザンカは茶梅と言ったのを、その名が我が国に入って来たとき取り違えたようで、本来はツバキの名であった山茶花をサザンカに充て、そのまま訂正することなく、現在に至っていると言われる。サザンカは花の乏しくなる冬を彩る花木として人気を博し、今やどこにでも見られるポピュラーな花になっている。  写真は咲き始めた左からサザンカの花、ほころび始めた花、枝先に沢山ついた蕾。