大和だより ~写詩 写歌 写俳~ 小筥集

日ごろ撮影した写真に詩、短歌、俳句とともに短いコメント(短文)を添えてお送りする「大和だより」の小筥集です。

大和だより ~写詩 写歌 写俳~ 小筥集

2012年12月28日 | 写詩・写歌・写俳

<483> ごまめ (田作)

      田作や 庶民ゆかりの すがたなり

 昨年は栗きんとんに挑戦したが、今年はごまめ(田作)を作った。極めて簡単な手順だが、作ってみてわかったのは、シンプルな料理はシンプルなりに味とか舌触りとか微妙な違いが生じ、上手下手が出て来るように思われる。以下に示すように、資料通りにやったが、今ひとつの仕上がりになった。これは火加減とかひしこ(煮干し)の大きさなどに微妙な違いがあったからで、後で気づいた。妻が言うに、「はじめてにしてはうまく出来ている」らしいが、我が印象では、艶やかさに欠け、歯応えにぱさぱさ過ぎる感じがあるように思われる。とりあえず、この正月はこれで我慢しよう。

 「ごまめ」とは「ひしこ(かたくちいわしの幼魚)を干したもの。炒って飴煮にして正月の食膳に供する。農家が田植祝いの祝膳に用いたので、田作(たづくり)の名がある。田の肥料にしたので田作りの説もある。武家では小殿原」と呼んだ。「小さいながらも尾頭があるので、めでたいとされたのであろう」(『日本大歳時記』講談社版。新年)という。正月三が日には欠かせない一品である。

                                                              

 レシピは次の通り。ひしこ(50グラム)。飴煮の材料は砂糖(大匙1)、醤油(大匙1)、みりん(大匙2分の1)、酒(大匙2分の1)。まず、フライパンでひしこを二回に分けて約10分間ずつ弱火で炒り、更に両方を入れて10分ほどこれも弱火で炒って火を止め、10分ほど置く。鍋に用意した飴煮の調味料を入れて、火を通し、約半量に煮詰まったところへ炒ったひしこの全量を入れ、手早く絡めて取り出し、バットに広げて冷やす。今日の不十分は、飴煮にひしこを絡めるとき、時間をかけて絡め過ぎたのではないかと思われる。