マクロス外伝大本営 新統合軍極東太平洋軍管区司令部

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この恨みを晴らすべし!薩奸討つべし!

2018-01-05 10:24:43 | 短編小説(歴史含む)
西郷隆盛が密偵による視察(刺殺)事件と鹿児島の武器弾薬輸送事件が原因で、政府に不満を持っていた不平士族が決起した。
当初は1万人の兵であったが、どんどん合流し3万者の兵力が集まった。

これに対し有栖川宮熾仁親王を鹿児島県逆徒征討総督、山縣有朋陸軍中将と川村純義海軍中将をそれぞれの実質の総司令官に任命。
帝国陸海軍による討伐軍が九州へ向けて出撃した。

           【西暦1877年2月20日 熊本城】

攻撃目標は熊本城・・・そこを突破しどんどん不平士族集め帝都東京へ進軍した。
熊本城には熊本城があり谷干城率いる部隊が駐屯していた。
別府晋介率いる加治木の諸隊が川尻に到着するが・・・事件は起こった。

ズダーン

「銃声だ!」

「政府め!撃ったな!撃ち返せ!」

鎮台兵の一発の銃声でお互いに高まっていた緊張が弾け、両軍は暴走する。
これにより西南の役が本格的に武力衝突に発展する。

「報告、薩軍が攻撃を仕掛けました。」

谷干城「なにぃ・・・薩摩の芋侍が攻めてきた・・・・援軍が来るまで持ち堪えろ!」
大日本帝国陸軍.熊本鎮台司令官.谷干城.少将

「ハッ」

報告を受けた谷司令は配下の兵に徹底抗戦を指示した、援軍を待つためである。
なんせ薩軍には1万4000名の兵がおり、対して鎮台兵は4000人しかいない。
更に言えば、精強と謳われる薩摩隼人の猛者ばかりである。

この時、谷以外にも参謀長に後に海軍大臣になる樺山資紀中佐.陸軍大臣になる児玉源太郎少佐.参謀総長になる川上操六少佐.奥保鞏少佐ら大物軍人になる人物が大勢いた。

だけど、まだこの時は一般佐官・・・・・
戦線に戦う軍人の一人である。

日露戦争で東郷平八郎と並んで活躍する事に乃木希典少佐率いる歩兵第14連隊などの政府軍が到着する。

「ぎゃぁぁぁぁ」

「がぁぁぁぁ」

岩切正九郎「よし軍旗を取ったぞ!」

だが、第14連隊は軍旗を奪われる当時の軍では不名誉な事が起きる。
明治天皇が御隠れ(崩御)になった際に殉死したのはこの時の出来事を含めてと言われている。

その後も熊本城への攻撃と援軍として派遣された政府軍との戦いは膠着状態になる。
政府軍は立派な小銃と大砲を大量に保留していたが。

「チェスト!!」

「うわぁぁぁぁぁぁ」

ズダーン ズダーン ズダーン

示現流と言う剣術を駆使した薩摩隼人の猛者と農民・町民を加えた陸軍兵士は苦戦必至であった。
困った政府軍は・・・・・・

この時抜刀隊の主力は薩摩藩士だが、パワーを引き上げたのが・・・・・

藤田五郎「・・・何を持ってきたのですか?」
警視隊.警部補.藤田五郎/元新撰組.斎藤一

「戊辰の戦で死んだ3000名余の名が入った腹巻だよ。この前死んだ佐川さんも含め・・・・・」

藤田五郎「3000名余!?そんなに・・・・・・・」

「あぁその数ほど俺達の恨みがあるんだ・・・・あの薩摩の芋侍共め・・・・10年の恨みをここで・・・・」

会津藩
新撰組を組織し朝廷と幕府に忠誠を誓い、懸命に治安維持に活動し。
保科正之を祖とする会津松平家、幕末時は松平容保が治めていた藩である。
だが、戊辰戦争の時.朝廷内部の権力を握った薩摩・長州らにより朝敵にされ。
激しい戦闘の末、城下まで迫られ・・・・・
婦女子は自害し、白虎隊の壮絶な最期など処分後に不毛の地に送られるなど会津藩士達の薩長への恨みが高まっていた。

西南の役が起こると元会津藩士達は喜び。
中でも当時陸軍幼年学校生徒であり後に軍人として活躍する会津出身の柴五郎少年は・・・・

芋征伐仰せ出されたりと聞く、めでたし、めでたし

と喜び・・・
別の話だが、大久保利通が暗殺されると・・・・

両雄非業の最期を遂げたるを当然の帰結なりと断じて喜べり

と言う程であり。
陸軍軍人で会津藩家老として戊辰戦争を戦った山川浩陸軍中佐は・・・

薩摩人 みよや東の丈夫が 提げ佩く太刀の利きか鈍きか

と歌っている。
この抜刀隊の会津藩だけではなく・・・・・

服部正義「戊辰戦争において桑名藩に朝敵の汚名を着せた西郷隆盛に恨みを晴らし、桑名藩再興を赦した明治政府の恩義に報いるには今しかない。」
元桑名藩家老.服部正義

かつて幕府側に立ち、朝敵と罵られた幕府の武士達は政府軍に参加した。
戊辰戦争の恨み・・・・・・・晴らすのは好機と・・・・・・・

              【3月14日 田原坂攻略】
西南の役最大の攻防に抜刀隊が投入される。
会津藩士で編成されているが、薩摩などの別の藩の武士がいる・・・
だけど、それでも会津藩が目立ち・・・・・

「貴様は!!」

内村直義「元会津藩藩士.内村直義、この恨みを晴らす!!」
抜刀隊.会津藩士.内村直義

薩摩への恨みからか攻撃は激しい。
会津藩武士内村直義もその一人である。

ザシュ ザシュ

「かっ・・・・」

内村直義「ざまぁ・・・・・み・・・・ろ・・・・さ・・・・つ・・・か・・・ん・・・・め・・・・へへへ・・・・・・・」

バタッ

田村五郎「内村・・・・・・・・・ぎあぁぁぁぁぁぁぁぁ薩奸めがぁぁぁぁぁぁぁぁぁ」
抜刀隊.会津藩士.田村五郎

だけど、かなりの戦死者が出てしまう。
この時、多くの会津藩系の武士が命を落としている。
元白虎隊などのあの頃若き少年だった彼らも・・・・・・・・

その犠牲もあり、薩摩軍はどんどん追い詰められていき。
鹿児島県の白山にて西郷隆盛は自害した・・・・・

山川浩「終わったか・・・・・・」
大日本帝国陸軍中佐.元会津藩家老.山川浩

両軍10万人投入、政府軍側6400人.薩摩軍側6800人戦死と言う犠牲を出した日本最後の内戦である西南の役が終わる。
古代より続き日本における戦争の9割程の内戦がようやく終わるが・・・・

鹿児島への恨みは薄れた会津・・・・だが、何もできなかった長州には恨みがあり。
今も会津と山口は大きな溝がある程、根強い恨みが横へ横へと広がっていくのである・・・・

以後、日本は海外と己自身に禍根と傷を生み今でも大きな問題を抱えてしまう程の過酷な戦争に進んで行くのであった・・・・・・・・・

今だから批難できるが・・・・・・当時は・・・・分からない・・・・・・・
一体当時の人はどう思ったのだろうか・・・・

もっと別の道はあったのだろうか・・・・・・・・・



それを知るのは当時の当事者しか知らない・・・・・・
現代の我々は単なる視聴者か読者に過ぎないのだから・・・・


なお抜刀隊は功績を称えられ、軍歌が造られた。


吾は官軍我が敵は
天地容れざる朝敵ぞ
敵の大将たる者は
古今無双の英雄で
これに従うつわものは
共に慄悍(ひょうかん)決死の士
鬼神に恥じぬ勇あるも
天の許さぬ反逆を
起こせし者は昔より
栄えしためし有らざるぞ

敵の亡ぶるそれ迄は
進めや進め諸共に
玉散る剣(つるぎ)抜きつれて
死する覚悟で進むべし


皇国(みくに)の風(ふう)ともののふは
その身を護る魂の
維新このかた廃れたる
日本刀(やまとがたな)の今更に
また世に出ずる身のほまれ
敵も味方も諸共に
刃(やいば)の下に死ぬべきぞ
大和魂あるものの
死すべき時は今なるぞ
人に後(おく)れて恥かくな

敵の亡ぶるそれ迄は
進めや進め諸共に
玉散る剣(つるぎ)抜きつれて
死する覚悟で進むべし


前を望めば剣なり
右も左もみな剣
剣の山に登らんは
未来のことと聞きつるに
この世において目(ま)のあたり
剣の山に登らんは
我が身のなせる罪業(ざいごう)を
滅ぼすために非(あら)ずして
賊を征伐するがため
剣の山もなんのその

敵の亡ぶるそれ迄は
進めや進め諸共に
玉散る剣(つるぎ)抜きつれて
死する覚悟で進むべし


剣の光ひらめくは
雲間に見ゆる稲妻か
四方(よも)に打ち出す砲声は
天にとどろく雷(いかずち)か
敵の刃に伏す者や
弾に砕けて玉の緒の
絶えて果敢(はか)なく失(う)する身の
屍(かばね)は積みて山をなし
その血は流れて川をなす
死地に入るのも君のため

敵の亡ぶるそれ迄は
進めや進め諸共に
玉散る剣(つるぎ)抜きつれて
死する覚悟で進むべし


弾丸雨飛(うひ)の間にも
二つなき身を惜しまずに
進む我が身は野嵐に
吹かれて消ゆる白露の
果敢(はか)なき最期を遂ぐるとも
忠義のために死する身の
死して甲斐あるものなれば
死ぬるも更にうらみなし
われと思わん人たちは
一歩もあとへ引くなかれ
敵の亡ぶるそれ迄は
進めや進め諸共に
玉散る剣(つるぎ)抜きつれて
死する覚悟で進むべし


吾今ここに死なん身は
国のためなり君のため
捨つべきものは命なり
たとえ屍は朽ちるとも
忠義のために死する身の
名は芳しく後の世に
永く伝えて残るらん
武士と生まれし甲斐もなく
義のなき犬と言わるるな
卑怯者とな謗(そし)られそ

敵の亡ぶるそれ迄は
進めや進め諸共に
玉散る剣(つるぎ)抜きつれて
死する覚悟で進むべし


天地容れざる朝敵・・・・・敵の大将たる者は古今無双の英雄で
・・・・・・・・・・何たる皮肉なのだろうか・・・・
過去は英雄扱いされた人間も・・・・・・・・時代によっては憎き敵になる・・・・

それが歴史なのであろうか・・・・・・・・・・

だが、それがどのような意味をするかは・・・・・世界中の何処を探しても・・・・・それは誰も知らない・・・・・・
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