今、出発の刻(たびだちのとき)

車中泊によるきままな旅
<名所旧跡を訪ねる>

命の脈動 武石英孝 展  その5(市立小樽美術館:北海道小樽市色内1丁目)

2018年03月19日 | 博物館・美術館・記念館
命の脈動 武石英孝 展 その5
今週の予定
作家によるアーティストトーク
3月21日(水・祝日)14:00~15:00
出演:武石 英孝(本展美術家)

「5 現代の肖像画」
*印で始まる文章は展示室の説明文から抜粋したもの
*道内で伝統的に美術の盛んな札幌東高校に赴任し、北海道高文連美術専門委員長、北海道高等学校文化蓮理事などを務めるなど、北海道の美術科教育を牽引していく立場を担っていた

22 「理科室」 2013年 第99回光風会展・会友賞
*作品の題材は、大部分の時間を過ごす学校生活のなかから選ばれるようになる



*モデルにしたのは、当時札幌東高校に在学していた理系の女子生徒だった



23 「放課後」 2014年 第100回光風会展
*理科室のさまざまな実験器具や骨格標本の並んだ冷たい空間を、武石は気に入り描いている



この時期、私も同じ職場に勤務していたので、モデルになった女子生徒を知っている



いつも笑顔で明るく人気者であった
運動部にも加入し体育館でボールを追いかけ走っている姿を何度もみたことがある



24 「Message」 2013年 第88回道展
現代の肖像画は、海外からの留学生の個性的な生徒を描くことからスタートしたという



欧州からの留学生だったと記憶している。日本の制服がよく似合っていた



25 「予 感」 2016年 第91回道展
制服を着たモデルも大学に進学した。別人と思われるほど大人になった気がする



一人の女性の成長していく姿を、絵によってみることができるのは楽しいことでもある
確かに美しい蝶に変身している



26 「うたたね」 2016年 第102回光風会展
武石氏の作品を撮っていて人物の視線にぎょっとさせられることが多い
この絵は穏やかな気持ちにさせる。祖父の「午睡」とは違い、若い女性の「うたたね」は実に可愛い



そよ風が部屋に吹き込みカーテンを揺らしている
色彩もこれまでにはない、明るく温かい色を多く使っているように感じる



27 「標 本」 2017年 改組第4回日展
武石氏が日展に入選したという連絡を、かつての同僚から知らせがあった
そのお祝いの会を、かなり遅くなったが1ヶ月前に行った



彼の人柄により20名弱の仲間が集まる。仲間の会合場所はいつも決まっている
絵に関心のある人間がいないので、この絵が入選したということは誰も知らないはずだ



28 「夜 光」 2015年 第102回光風会展
高校生の時の面影が一番残っている感じがする絵だ



作家もモデルも知っているだけに、絵を撮しているだけなのだが結構気を遣っている
今回もモデルを中心に。大きく撮ると作家の意図を感じることがたまにある



29 「きこえる」 2017年 第92回道展
*背景に描かれているのはキトラ古墳の漆喰壁に残された天文図である
 場の設定は、この女性が日常を過ごす大学構内の一角か



現実の空間に、キトラ古墳の壁画を重ねあわせている






私は車で国内を旅している。キリスト教信者ではないが教会を訪れマリア像を拝顔するのも楽しみの一つだ
この絵を遠くから見たときに何故かマリア像のような神々しさを感じた作品である



写真では作品の持つ芸術性を十分に伝えることができない
感動は美術館で… 武石氏は現職の教師なので話しが上手で面白い(ユーモアセンス抜群…)
3月21日のアーティストトークはお薦めだ。(絵画鑑賞が楽しくなる…)

市立小樽美術館 2F:企画展示室 3月11日~5月31日 開館時間 9:30-17:00
観覧料:一般 300円 高校生・市内高齢者 150円 中学生以下 無料

撮影 平成30年3月14日

コメント (2)    この記事についてブログを書く
  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 命の脈動 武石英孝 展  そ... | トップ | 命の脈動 武石英孝 展  そ... »

2 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
失礼をしていました (@ OTETSUDAI)
2018-03-19 22:36:57
前日迄の私のコメントを覧ましたら、何と長たらしいコメントかと自己嫌悪に陥りました。画家でもナシ、画商でもない私が一画毎に批評ぶった事を記して武石先生やkurumatabiさんに大変失礼な事をしていたとお詫び致します。
今までのように1タイトル毎に記すのは失礼かと思いまして本日より慎みます。気づくのが遅かったですが…飽きたのではありません。
セーラー服の女子高生、質素で清潔感溢れた感じがとてもいいです。余程武石先生を尊敬していたからこそモデルを受けたのだと思います。イヤであれば断りもしたでしょうし……更にはモデルに選ばれなかった生徒の中には「なんであの人が…」とか「私でなくて良かった…」とか生徒の中では各々がいろいろな気持ちを抱いていたのかなーと我が身を省みて感じました。
私事になりますが、在職中にメジャーの正しい使い方を教える時は胸囲の測定の時に行いました。かつての男子学生は、声を掛けると喜んで教壇に上がって筋肉隆々たる身体を皆に誇示して喜んでいました。しかし、定年近くなってからは「どうして僕が裸にならなきゃならないのですか」とごねる学生と化して来ました。そんなときに「じゃあ俺がやる」と登壇してくれると嬉しかったです。女子はそのような訳にいかないので胸囲の代わりに「この頭を胸囲として…」とアトで悶着が起きないように気を遣っていました。でも私が歳老いてきたためか、女子の学生は「いいですよ胸で。脱ぎましょうか」なんて言われたらドキッとし、教室内もざわめきました(女子のみ)。決して選んだ訳でなく皆に見やすく、測定しやすい場所に座していただけだったからです。嬉しさ半分と驚き半分の気持ち。
武石先生のモデルとはチト異なるかと思いますが、武石先生は、やはり「絵になる」生徒を選んだのかなーと勝手に思ったりします。
どの絵も素晴らしく描けています。まるで写真を覧て絵にしたという感じすら受けます。更にはこの撮影者は、「絵」を写真としてではなく「絵」としてアップしたことに感心させられます。
スポーツでも一場面の動作が絵になるプレイヤーがいます。そういう人は技術が長けていますよね。モデルになった生徒さんもプレイヤーとして同じように、「絵になる」素質を持っている。それを武石先生が見い出してカンバスに筆を走らせたのではと。素晴らしい眼力と技巧に感動させられます。
また私事まで書いて長いコメントになり失礼しました。
反省したはずなのに…
今後も楽しみです (2014kurumatabi)
2018-03-20 00:35:07
いつもありがとうございます。
このモデルの女性は私が現職の時に在学していました。気だてが良く男女を問わず人気者でした。
彼がモデルに選んだ理由も絵をみてわかるような気がします。彼女をモデルにしてから、多くの賞を受賞して(昨年度の日展にも入選している)います。彼女の存在がイメージを膨らませているのでしょう。今後の作品も楽しみにしています。
それにしても、身近にこんなに才能がある人がいたことに驚いています。
普段はたわいもない会話を楽しみ、飲んでいましたので、今回作品を前にしてびっくりです。
次回が最終回になります。よろしくお願いします。

コメントを投稿

博物館・美術館・記念館」カテゴリの最新記事