君子蘭
2021-04-08 | 随想
30年前隣家から頂いた一鉢の君子欄。
株が増えるとその都度知人にあげてきた。
最初の頃は見事な花を咲かせたが最近は手入れを怠っていた。
春になって外に出すと2~3鉢が思い出したように花を付けていた。
鉢の土も暫く替えていなかったので、古くなった根を取り除き土も取り換えた。
増えた株も分けると10数鉢にもなった。
11月室内に取り込むと葉も多く茂っており一部屋を占領するほどだった。
3月半ば頃多くの鉢から花茎が伸びてきて花が咲きだした。
太い花茎の先にオレンジ色の花が多数集まって咲き、満開の時は見応えがある。
花がクリーム系のキバナ君子欄もある。
今年はたくさん咲いたので何人かの知人にもあげた。
しかしまだ10鉢もあり、来春の貰い手を探している。
君子欄はランの仲間ではなくヒガンバナ科の植物である。
明治の半ばころイギリスから輸入されたとき、名札にclivia nobilis (クリビア ノビリス)とあり、名札の意味が分からず困ったそうだ。
ヨーロッパの歴史を知る方が、クリビアとは名家出身のシャーロット・クライブ伯爵夫人を称えたもので、ノビリスとは「高貴な」と云う意味と解説したという。
名付けた方は「高貴」と「名家」から「君子」と云う名前を考え、葉の出てくる姿がランに似ていることから「君子欄」と名付けたのでしょう。
(江尻光一 花の履歴書より)
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