虹の女神 「バニティー」

2012年05月15日 | 日記
いずれがアヤメか、カキツバタ・花菖蒲。

5月、6月によく見られますが、その違いは、花にあり。
また花びらのように見えるのは、小さい内側の3枚の内花被と
外側の3枚が外花被。その花の模様に特徴がある。

アヤメ   :外花被片に網目模様がある。
カキツバタ :外花被片に網目なし、白い斑紋がある。
花菖蒲   :外花被片に網目なし、黄色い斑紋がる。

ぜひこの違いを確認したいものです。

子供の頃に、湿地のような畑の畔に、黄色い菖蒲が咲いているのを見て
きれいだな~と思ったことがありました。その後、畑は整地されガレージに
なってしまいました。

カキツバタは、京都上賀茂の「大田神社」が有名で、数年前に見にいったことが
あります。5月上旬が見ごろです。

花菖蒲は、枚方市樟葉にある、市民の森に「花しょうぶ園」があります。
HPを見ると、アップになってる花菖蒲に黄色い斑紋が見えます。

このアヤメもカキツバタも花菖蒲も水辺や湿地に植えられているもので、
容易に家の庭に植えられるものではありません。

ところが、その湿地や、雨が好きではないアヤメもあるのです。
それが、「ドイツアヤメ」ジャーマンアイリスです。

学名は、Iris germanica
イリスは、ギリシャ語で、「虹」の意味、ギリシャ神話の虹の女神。

アイリスは古い栽培植物の一つで、イリス・フロレンティーナ
(和名ニオイイリス)は、トトメス3世(紀元前1501~1447年)が
シリアからエジプトに持ってきた植物の一つ。カルナックの宮殿内の
「植物の部屋」の壁のレリーフ彫にそれとわかる模様で表現されている。(1)

黄色のキショウブは、フランス王家の紋章「フルール・ド・リス」の原形に
なったとされている。6世紀の初め、フランク王、クロヴィス1世が、ゴート族の
優勢な大軍により、ケルン近くのライン川の湾曲部に追い込まれた。クロヴィス王は、
川中にこの黄色いアイリスがはるか川中に咲いてるのを見て、水深は浅いと判断し、
軍隊を無事渡らせることができた。この好運に感謝して自分の紋章として用いた
との説がありました。(1)

「フルール・ド・リス」は12世紀に、ルイ7世が、十字軍遠征中、自分の旗印としてこれを
用いたことから、「ルイの花」(Flowar de Louis)と呼ばれたことによる。(1)

さて、一度育ててみたかった、ジャーマンアイリス。400種ある中から選び、
去年5月5日に注文し、8月の終わりに、長野県の東御市にある「ハナノ*ドウヤ」さんから、
球根が丁寧に包まれて届きました。(現在HPを見ると500種類あるようです!) 
         

このジャーマンアイリスは、乾燥地を好み、生産地の東御市では、年間降水量も少ないらしく
できるだけ水はけのよい土にし、雨のかからない陽のあたる軒下で9か月育ててきました。
         

しかし昨年の猛暑で、一つだめになってしまいましたが、「バニティ」という花が大きく
成長してくれました。

7日蕾が3つあることがわかります。
        

9日咲きました。そして一番上の花の真後ろにもう一つ花の蕾があることに気づいて喜びます。
       

10日おやおや? 咲きたてに気づかなかった花にオレンジのブラシ状のものがあるでは
ありませんか?
     
これは、ひげ?!と呼ばれるもので、3か所にあり、花の花弁に合わせたように、さまざまな色があり、
面白いお花ですね~!海外では「ビアデッドアイリス」(ひげアイリス)と呼ばれている
そうです。

13日とうとう最初の花が終わりました。そして一番下につけていた花が咲きました。
バランスをとっているのでしょうね。
         
 
アイリスには、青、紫、黄色、ピンク、エンジ色、白、さまざまな組み合わせの花色があり、
花形もさまざま。「虹の花」「レインボーフラワー」とも。

虹で思い出したのが13日、虫の虻さんが顔を突っ込んでくたくたになっていました。
香がすごいのです。

うちのお花には、「とげ」も「ヒゲ」もあります・・・・・・。
女神さまの・・・ひげ。

15日 全部咲きそろいました! 三人の女神さま~♪

     
(1)『花の西洋史事典』アリス・M・コーツ「アイリス」の項、参照