つまずいて転びそうになったりするのは、足首を背屈させる前脛骨筋の衰えが主な原因とされています。高齢になると、この筋肉が弱り、足先を上げることが難しくなり、たたみのへりの1センチほどの高さに足先を引っかけるようになります。
この予防で勧められるのが、つま先立ちです。
3秒かけてつま先立ちをして、3秒かけて戻します。これを1日20回。
これに加えて、スクワット(3秒かけて膝を90度に曲げ、3秒かけて戻す)を1日10~20回。もも上げ(立ったまま、1秒かけて太ももを床に平行にして1秒かけて戻す)を左右交互に1日30回。
これらの運動を1セットにして1週間に3日は続けるとサルコペニアの予防につながるといわれます。
運動は習慣づけないと、それこそ「三日坊主」に終わってしまいます。しかも、これらの運動はいずれも単調なので、継続が難しいのです。脚に自信がない人には、テーブルなどを手でつかんで運動するよう勧めています。
患者さんには、風呂上りで血行が良く、筋肉が軟らかいときに実施してください、とお願いしています。それに、つま先立ちは歩いていて信号待ちをしているとき、電柱などに手を置いて行ってはいかがですか、とも話しています。
ちょっとした努力がサルコペニアを防ぐ大きな力となるのです。