マンションの管理人さんたちは、別の管理会社でも、お互いに助け合ったり、知識を交換したりで、付き合いがあるものです。コンビニから帰る男性の管理人Aさんの足元がふらついているのを、隣のマンションの管理人の男性Bさんが見て、別の管理人の男性Cさんのもとに駆け込んできました。
二人はマンションの管理人室でAさんがぐったりとしているのを見て、「大丈夫?」と声をかけました。Aさんのろれつが回らず、声になりません。すぐに管理会社に電話をして、Aさんの症状を説明した後、119番しました。
救急車が到着し、最寄りの救急病院に搬送されました。後で聞いたところ、脳こうそくを発症していたそうです。初期段階で発見できたので、病院でこうそくを溶解する処置を受けました。短期間の入院で、職場に復帰することができました。後遺症もなかったといいます。
Aさんは70代初め。Bさんが異変に気づいて、Cさんと一緒に適切な対応をしてくれたことが救命に直結しました。管理人室でぐったりしたまま数時間も発見が遅れたら、命取りになったかもしれません。
このことは、ゆるい絆の友人を持つ大切さを教えてくれます。でも、もし発見されなかったら、私だったら「運が悪い」とあきらめるようにしています。テレビドラマ「俺たちは天使だ」の主題歌だった「男達のメロディー」にあった「運が悪けりゃ死ぬだけさ」だからです。
良寛も書いています。「死ぬ時節には死ぬがよく候。是が難をのがるる妙法にて候」