団塊タケちゃんの施術日記

一人二人生の旅立ち

「原因の究明」と「責任の追及」の分離ができない日本

2012-07-10 10:08:46 | 社会・経済

福島原発事故の国会事故調査委員会(黒川清委員長)の報告書がまとまりましたが、事故の根本的な原因は、東京電力、規制当局の経済産業省原子力安全・保安院が地震・津波対策を先送りしたことから生じた「自然災害ではなくて人災」と断定しました。東電と規制当局の全体責任とした結果、16万人の福島県民が避難民として郷里に戻れない惨状が続いており、避難中や避難先で無念の死を迎えた人たちが多数いたというのに、誰一人責任を負うものがいないという報告書となりました。

さすがに、黒川委員長は英語版ダイジェストの冒頭で「What must be admitted ? very painfully ? is that this was a disaster “Made in Japan.” Its fundamental causes are to be found in the ingrained conventions of Japanese culture: our reflexive obedience; our reluctance to question authority; our devotion to ‘sticking with the program’; our groupism; and our insularity. 」と、日本語版に無い表現で率直に語っています。「とても苦痛ながら、これはメイドインジャパン災禍です。従順で権威に逆らわず、前例踏襲、集団主義、島国根性といった日本文化が根源にあります」と書いていました。

この報告書を読んだ、危機管理に詳しい友人から、次のような内容のメールが届きました。

世界基準となるためには「原因の究明」と「責任の追及」の分離が必要です。米国の宇宙船アポロ13号は酸素タンクの爆発のため、月着陸を断念して辛くも地球に帰還しました。事故後、NASA(アメリカ航空宇宙局)は百万個に及ぶ部品を徹底的に検証し、電気配線の被覆に問題があったことを突き止めました。しかし、担当会社は最善を尽くしていたとして、その責任は問いませんでした。これによって二度と同じ事故は起こっていません。

一方、日本では責任の追及を恐れる余り、原因の究明を疎かにする傾向が強いのです。日本のロケット創生期に上下のロケットをつなぐボルトの強度に問題があってうまく切り離しが出来ませんでした。ごく一部の人たちが秘密裏に改良を加えて再度打ち上げましたが、さらに二度の失敗を繰り返しました。責任の追及を恐れたため、徹底した原因の究明を怠ったからです。

政府事故調査委員会の報告書はこれから提出されますが、原発事故そのものを究明する調査はしていませんので、原因が究明されることはないでしょう。福島原発事故の原因がはっきりしないまま、原発の再稼働が始まりました。福島原発事故と同じ原発事故が起こらないという保証はないのです。そのときもまた、電力会社、規制当局は「想定外」という言い訳をするのでしょうか。

先の友人は断言します。「想定外という言い訳は、技術者(経営責任者)の怠慢以外の何物でもありません。あらゆることを想定して危機管理に対応することが技術者(経営責任者)の役目だからです」

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