団塊タケちゃんの施術日記

一人二人生の旅立ち

東電幹部は高給取りに見合った仕事をしてほしかった

2011-12-23 10:34:02 | 社会・経済

賃金格差が最も広がるとされる50~54歳男性の年収を、厚労省の賃金構造基本統計調査(2007年)から、北見式賃金研究所(北見昌朗所長)がはじき出したところ、大学卒で1000人以上のトップは電気・ガス供給業で年収1397万円、2位が鉱業の1313万円、3位が医療・福祉業の1279万円でした。ちなみに最下位は飲食店。宿泊業の704万円でした(http://www.zubari-tingin.com/link.html)。

高校卒で10~99人の企業では、1位が金融・保険業の751万円、2位は電気・ガス供給業の658万円で、最下位は運輸業の395万円でした。

大卒の東京電力社員の年収は50~54歳で平均で1397万円ですから、2000~3000万円クラスがごろごろいる計算です。それだけの高い給料をもらっていながら、福島第一原発事故を起こした同原発の幹部所員は、幾多のミスを「想定外の事態が次々起こったので、やむを得ない措置だった」と言っていたのにはあきれ返ってしまいます。

そもそも、福島第一原発事故の最大の原因は、想定外として大津波が押し寄せる可能性を排除してきたことです。このため、本来ならば、頑丈な建物である原子炉建屋の地下に造らなければならない非常用電源を、隣接のタービン建屋の地下に設置したことです。NHKスペシャルシリーズ「原発危機 メルトダウン~福島第一原発 あのとき何が」のコンピューターグラフィックスでも、津波がタービン建屋のシャッターを押し飛ばして海流が流れ込む状況を再現していましたが、シャッターは津波を防ぐ役割を全く果たしていませんでした。

東電社員も、こうした事態が起こる恐れがあるとして、非常用電源を原子炉建屋に設置するよう上部に申し入れましたが、東電の役員、幹部職員はその必要はないとしりぞけた、と福島第一原発事故後、新聞で報道されていました。2007年7月の新潟中越地震に伴う東電柏崎刈羽原発の一連の事故で、危機意識を高めた現場からの訴えでしたが、東電上層部は「安全神話」を盾にはねつけました。この時、マスコミがこの動きをつかみ、きちんと報道していたら、事態は変わっていたのではないか、と悔やまれてなりません。

東電上層部の意向に沿わなければ、昇進も昇級もできないのは、かつてサラリーマンだった私もよく理解できますが、平均で約1400万円の年収ですよ、ここだけは上層部でも譲れない、という現場社員がいなかったのも残念でなりません。

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