団塊タケちゃんの施術日記

一人二人生の旅立ち

アイシングはしない方がよいのか!

2017-11-09 10:01:57 | 健康・病気

打撲や肉離れなど軟部組織を損傷したとき、RICEが基本だと柔道整復専門学校で習いました。整形外科関係の教科書にも、そう書かれています。RICEはREST(安静)、Icing(冷却)、Compression(圧迫)、Elevation(挙上)の頭文字を取った言葉です。柔道整復学の教科書には「初期処置はRICEを原則とする」と書かれています。

ところが、日本柔道整復接骨医学会の学術大会で「新しい運動生理学ースポーツケアを中心にー」というテーマで講演した札幌医科大学細胞生理学講座の當瀬規嗣教授によると、RICEの中のアイシングは「損傷が治るのを長引かせるだけです。冷やさない方がよいです」と強調しました。

打ち身や捻挫、肉離れを起こしたら「まず冷やしてください」といってきた私はびっくりです。當瀬さんは「患部が炎症をするのは、傷んだ組織を取り除き、治すための栄養や酸素を送り込むためです。アイシングは炎症を抑えてしまうのですから、治るのが遅くなります」と説明します。そのうえで「アイシングの効果は鎮痛です。どうしても必要ならば、鎮痛剤を塗ればよい」と加えました。

なーるほど、です。ネットで「RICEは古い」で調べたら、最近の運動生理学では「RICEではなくて、MCE」とあります。MはMove(運動)です。圧迫と挙上は効果的ということです。教科書には「RICEの中で最も重要な処置はRestである」と書かれていますが、安静より動かした方がよい、となってきたようです。原則も最新の研究成果で変わってきます。原則をやみくもにあてはめるのではなく、患部を診ながら、最適な治療法を考えよ、ということだと受け止めています。

當瀬さんは、お相撲さんが稽古のあと、入浴している写真を見せ「ぶつかり稽古の傷や痛みを治すには温めるのが効果的です」と説明。続いて、ピッチングのあと肩から肘までをアイシングしているダルビッシュ投手の写真を示して「アイシングが故障の原因になっているかもしれません」と指摘しました。ダルビッシュ投手は肘を故障し、手術を受けました。

そのうち、プロ野球で降板した投手がアイシングをやめて肩や肘を温めるシーンが当たり前になるかもしれません。

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