作家でタレントの阿川佐和子さんの伯母さんは97歳。子どもはおらず、広島で一人暮らしをしています。家で転倒し、病院に運ばれ、治って家に戻ると、また転倒の繰り返しだったそうです。
そこで、高齢者施設に入居したところ、奇行がみられたので、近くの精神病院に入院しました。病室のドアにたたずみ、うつろな目をしている伯母さんを見て、これが最後になると、1週間後、両親も連れて見舞いに行きました。
ところが、なんとすっかりまともになっていました。ちゃんと身づくろいをして、化粧をほどこし、人前に出て恥ずかしくない格好をしていました。
傍らの主治医の50代半ばの男性を見て「ウッフフ」と笑ったそうです。主治医は「私よりも40歳も上ですが、僕より元気ですから」と話しました。
佐和子さんは「この先生のフェロモンで伯母は元に戻った」と思いました。伯母は昔から「女度」が高かったといいます。
「看る力 アガワ流介護入門」に「恋は長寿の万能薬」のタイトルで書かれていたエピソードです。