団塊タケちゃんの施術日記

一人二人生の旅立ち

高齢になったら、倒れても手をついてはいけません!

2017-01-13 10:10:41 | 健康・病気

70代半ばの男性は、後ろに倒れた際、思わず右手をつきました。右肩にズシーンという痛みが走り、右腕が上がらなくなりました。整形外科に飛び込み、見てもらったところ、右の鎖骨骨折と診断されました。全治3か月間のけがで、リハビリを続けています。

典型的な鎖骨骨折の例です。鎖骨骨折は後方に倒れたとき、手をついた介達外力で鎖骨の中外3分の1のところが折れるケースが最も多いのです。外力が直撃して骨折する直達性骨折と異なり、手への衝撃が伝わり、肩の鎖骨が折れるのが介達性骨折です。

倒れそうになったら、思わず手をついて衝撃を避けようとするのは、当然の行動です。だが、柔軟な筋肉や靭帯、関節の可動域の大きかった若い時代と違って、高齢になると、筋肉は弱り、関節や靭帯も硬くなり、衝撃を緩和することが難しくなります。

70代初めの男性は、前から倒れるのを防ごうとして右手、左手の順に手をついたら、右の肩鎖関節脱臼を起こしました。「これまで、何回も前から倒れて、両手をついたことがあるのに、手にすり傷ができても、脱臼なんかしたことがなかったのに」と男性は言います。加齢に伴い、人間の衝撃緩和装置も衰えてくるのです。

そういう意味で、柔道の受け身は衝撃を緩和するのに有効です。後ろに倒れるときは、お尻から落ちながら両手で床を叩いて、衝撃を緩め、あごを引いて頭を打たないようにします。後ろ受け身です。前に倒れる際は、両手を伸ばすようにして、顔が当たるのを防ぐ前受け身です。患者さんにも、お伝えしていますが、4回も後ろに転倒しましたが、お尻から落ちて「けがなし」の高齢男性がおられました。

 

 

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