先日のNHKニュースで、病気で倒れ入院した79歳の男性が車いす生活になり、症状が固定化したとして病院から退院を求められたことを報じていました。男性は年下の70代の妻と二人暮らしですが、施設の入居もままならず、自宅で訪問ヘルパーの介助を受けながら、療養生活を送ることにしました。
驚いたのは、一戸建ての自宅は70段の石段の上にあり、室内外は段差だらけ、トイレは和式でした。車いすに乗った男性を3人の男性ヘルパーが石段を運び上げる映像が流されました。男性はベッドで寝たきりとなり、おしめの暮らしとなることでしょう。ヘルパーさんの支援があるとはいえ、普段の介護は奥様がしなければならないでしょう。その苦労を考えると、胸が痛みます。どうして老後のための備えをしておかなかったのでしょうか。
コミュニティーハウスの呼びかけ人のMさん夫婦は、奈良市の戸建てが並ぶ住宅街に住んでいました。昭和30年代に建設された住宅街は坂道が多く、若い時は苦にもならなかったのですが、60代を迎えると坂道の上り下りがしんどくなってきたといいます。マイカーは所有していましたが、いつまでも車に乗った生活ができるわけではありません。
そこで、高齢になっても各自が自立して助け合う集合住宅(コミュニティーハウス)づくりを呼びかけたそうです。高齢になれば、体の機能は確実に衰退していきます。「昨日できたことが今日できなくなる」のです。
私はバリアフリー、車いす対応のトイレがあるマンションで生活しています。妻とは同じ年ですが、妻に先立たれないとは言えません(神様が決めることですから‥‥)。このため、定年後の2か月間、毎日夕食は私が調理し、時間をかければそこそこの料理はつくれる自信がつきました。今は料理上手なカミさんにまかせていますが、週に1回程度、自分の料理を食べてもらっています。
毎朝、起きると、洗濯機に洗剤を入れてスイッチを入れますし、干すのも手伝います。風呂と炊事場の清掃は私の役目です。一人でも生きていける、そう「生活難民」にならないため、出きる限り家事は手伝うようにしています。